エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

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物理ポートを介したVLANの設定

VLANは、分離されたブロードキャスト ドメインを作成することで、ネットワークを論理的にセグメント化します。このブロードキャスト ドメインは、従来の物理的な境界ではなく、スイッチ ポートに基づいて定義されます。

1つのVLANは、複数の物理ネットワーク セグメントにまたがることができます。それぞれのVLANには、機能またはアプリケーションで関連性のあるエンド ステーションが属します。

たとえば、エンジニアリングや財務などの部門単位、またはリリース1やリリース2などのプロジェクト単位で、VLANのエンド ステーションをまとめることができます。VLANではエンド ステーションが物理的に近接した配置であることは重要ではないので、エンド ステーションを地理的に分散させても、スイッチ化されたネットワークにブロードキャスト ドメインを含めることができます。

ONTAP 9.13.1および9.14.1では、どの論理インターフェイス(LIF)でも使用されておらず、接続されているスイッチでネイティブVLAN接続が確立されていないタグなしポートは、デグレードとマークされます。これは、使用されていないポートを特定しやすくするためのもので、停止を示すものではありません。ネイティブVLANでは、ONTAP CFMブロードキャストなどのタグなしトラフィックをifgrpベース ポートで許可します。タグなしトラフィックをブロックしないように、スイッチのネイティブVLANを設定します。

管理者は、VLANを作成または削除したり、その情報を表示したりできます。

スイッチのネイティブVLANと同じ識別子のVLANをネットワーク インターフェイス上に作成しないでください。たとえば、ネットワーク インターフェイスe0bがネイティブVLAN 10に割り当てられている場合、そのインターフェイス上にVLAN e0b-10を作成しないでください。

VLANの作成

同じネットワーク ドメイン内の分離されたブロードキャスト ドメインを管理するためのVLANを作成するには、ONTAP System Managerまたはnetwork port vlan createコマンドを使用します。

開始する前に

次の要件を満たしていることを確認します。

  • ネットワーク上に配置されたスイッチが、IEEE 802.1Q規格に準拠しているか、ベンダー固有のVLANを実装している。

  • 複数のVLANをサポートする場合、エンド ステーションが1つ以上のVLANに属するように静的に設定されている。

  • VLANは、クラスタLIFをホストしているポートに接続されていない。

  • VLANは、「Cluster」IPspaceに割り当てられているポートに接続されていない。

  • VLANは、メンバー ポートのないインターフェイス グループ ポートに作成されていない。

タスク概要

VLANを作成すると、クラスタの指定したノードのネットワーク ポートにそのVLANが接続されます。

VLANを初めてポートに設定したときに、ポートが停止してネットワーク接続が一時的に切断されることがあります。その後同じポートにVLANを追加するときは、この問題は発生しません。

スイッチのネイティブVLANと同じ識別子のVLANをネットワーク インターフェイス上に作成しないでください。たとえば、ネットワーク インターフェイスe0bがネイティブVLAN 10に割り当てられている場合、そのインターフェイス上にVLAN e0b-10を作成しないでください。

実行する手順は、ONTAP System ManagerとCLIのどちらのインターフェイスを使用するかによって異なります。

ONTAP System Manager

ONTAP System Managerを使用したVLANの作成

ONTAP 9.12.0以降では、ブロードキャスト ドメインを自動で選択することも、リストから手動で選択することもできます。以前は、ブロードキャスト ドメインはレイヤー2の接続に基づいて常に自動で選択されていました。ブロードキャスト ドメインを手動で選択すると、接続が失われる可能性があるという警告が表示されます。

手順
  1. [ネットワーク] > [イーサネットポート] > [+ VLAN]の順に選択します。

  2. ドロップダウン リストからノードを選択します。

  3. 次のいずれかを選択します。

    1. ONTAPでブロードキャスト ドメインを自動で選択する(推奨)。

    2. リストからブロードキャスト ドメインを手動で選択する。

  4. VLANを構成するポートを選択します。

  5. VLAN IDを指定します。

  6. 変更を保存します。

CLI

CLIを使用したVLANの作成

特定の状況において、ハードウェアの問題またはソフトウェアの設定ミスを修正せずにデグレード状態のポートにVLANポートを作成する場合は、network port modifyコマンドの-ignore-health-statusパラメーターをtrueに設定できます。

手順
  1. network port vlan createコマンドを使用して、VLANを作成します。

  2. VLANを作成するときは、vlan-nameを指定するか、portオプションとvlan-idオプションを指定する必要があります。
    VLAN名は、ポート(またはインターフェイス グループ)の名前と、ネットワーク スイッチのVLANの識別子をハイフンでつないだ形式です。たとえば、e0c-24e1c-80は有効なVLAN名です。

次の例は、ノードcluster-1-01のネットワーク ポートe1cに接続されたVLAN e1c-80を作成する方法を示しています。

network port vlan create -node cluster-1-01 -vlan-name e1c-80

ONTAP 9.8以降では、作成してから約1分後に、適切なブロードキャスト ドメインに自動的にVLANが配置されます。ONTAPでこの処理を行わず、VLANを手動でブロードキャスト ドメインに配置する場合は、vlan createコマンドで-skip-broadcast-domain-placementパラメーターを指定します。

このコマンドの詳細については、ONTAP 9のコマンド リファレンスを参照してください。

VLANの編集

ブロードキャスト ドメインを変更したり、VLANを無効にしたりできます。

ONTAP System Managerを使用したVLANの編集

ONTAP 9.12.0以降では、ブロードキャスト ドメインを自動で選択することも、リストから手動で選択することもできます。以前は、ブロードキャスト ドメインはレイヤー2の接続に基づいて常に自動で選択されていました。ブロードキャスト ドメインを手動で選択すると、接続が失われる可能性があるという警告が表示されます。

手順
  1. [ネットワーク] > [イーサネットポート] > [VLAN]の順に選択します。

  2. 編集アイコンを選択します。

  3. 次のいずれかを実行します。

    • 別のブロードキャスト ドメインをリストから選択して変更する。

    • [有効]チェック ボックスをオフにする。

  4. 変更を保存します。

VLANの削除

NICをスロットから取り外す前に、VLANの削除が必要になることがあります。VLANを削除すると、そのVLANを使用しているすべてのフェイルオーバー ルールとフェイルオーバー グループから自動的に削除されます。

開始する前に

VLANに関連付けられているLIFがないことを確認します。

タスク概要

ポートの最後のVLANを削除すると、そのポートとネットワークの接続が一時的に切断される可能性があります。

実行する手順は、ONTAP System ManagerとCLIのどちらのインターフェイスを使用するかによって異なります。

ONTAP System Manager

ONTAP System Managerを使用したVLANの削除

手順
  1. [ネットワーク] > [イーサネットポート] > [VLAN]の順に選択します。

  2. 削除するVLANを選択します。

  3. [削除]をクリックします。

CLI

CLIを使用したVLANの削除

手順

network port vlan deleteコマンドを使用して、VLANを削除します。

次に、ノードcluster-1-01のネットワーク ポートe1cからVLAN e1c-80を削除する例を示します。

network port vlan delete -node cluster-1-01 -vlan-name e1c-80
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