ONTAP 9.13

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リモートVSSの概念

ここでは、リモートVSS(ボリューム シャドウ コピー サービス)の概念について説明します。リモートVSSがHyper-V over SMB構成でバックアップ サービスによってどのように使用されるかを理解するには、これらの概念を理解しておく必要があります。

  • VSS(ボリューム シャドウ コピー サービス)

    特定のボリューム上のデータの特定の時点におけるバックアップ コピー(スナップショット)を作成するMicrosoftのテクノロジです。データ サーバー、バックアップ アプリケーション、およびストレージ管理ソフトウェアを調整して、整合性のあるバックアップの作成と管理をサポートします。

  • リモートVSS(リモート ボリューム シャドウ コピー サービス)

    SMB 3.0共有を介してデータにアクセスした特定の時点における整合性が取れた共有ベースのバックアップ コピーを作成するMicrosoftのテクノロジです。単にボリューム シャドウ コピー サービスと呼ぶこともあります。

  • シャドウ コピー

    共有に含まれるデータセットの明確に定義された特定の時点における複製です。シャドウ コピーを使用すると、システムやアプリケーションによる元のボリュームのデータ更新を継続したまま、整合性が取れたポイントインタイム バックアップを作成できます。

  • シャドウ コピー セット

    1つ以上のシャドウ コピーの集合です。各シャドウ コピーが1つの共有に対応します。シャドウ コピー セット内のシャドウ コピーに対応する共有は、すべて同じ処理でバックアップする必要があります。セットに含めるシャドウ コピーは、VSSに対応したアプリケーションのVSSクライアントで識別されます。

  • シャドウ コピー セットの自動リカバリー

    リモートVSSに対応したバックアップ アプリケーションのバックアップ プロセスの一部で、シャドウ コピーを格納するレプリカ ディレクトリーのある時点での整合性が確保されます。バックアップの開始時に、アプリケーションのVSSクライアントで、バックアップ対象としてスケジュールされたデータ(Hyper-Vの場合は仮想マシン ファイル)にソフトウェア チェックポイントを設定する処理が開始されます。その後、VSSクライアントでアプリケーションの実行を継続できます。シャドウ コピー セットが作成されると、リモートVSSによってシャドウ コピー セットが書き込み可能にされ、書き込み可能なコピーがアプリケーションに公開されます。アプリケーションでは、シャドウ コピー セットをバックアップする準備として、前の処理で作成されたソフトウェア チェックポイントを使用して自動リカバリーを実行します。自動リカバリーでは、チェックポイントの作成後にファイルやフォルダーに対して行われた変更を元に戻すことで、シャドウ コピーを整合性が取れた状態にします。自動リカバリーは、VSSに対応したバックアップ向けのオプションの手順です。

  • シャドウ コピーID

    シャドウ コピーを一意に識別するGUIDです。

  • シャドウ コピー セットID

    同じサーバーに対する一連のシャドウ コピーIDを一意に識別するGUIDです。

  • SnapManager for Hyper-V

    Microsoft Windows Server 2012 Hyper-Vのバックアップ / リストア処理を自動化して簡易化するソフトウェアです。リモートVSSと自動リカバリーを使用して、SMB共有経由でHyper-Vファイルをバックアップします。

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