エフサステクノロジーズ株式会社

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ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

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dfコマンドによるファイル サイズの表示

df コマンドによるスペース使用量の報告方法は、qtreeを含むボリュームに対してクォータが有効になっているか、およびqtree内のクォータ使用量を追跡しているかによって異なります。

qtreeを含むボリュームに対してクォータが有効になっていて、qtree内のクォータ使用量を追跡している場合、df コマンドで報告されるスペース使用量はクォータ レポートの値と同じになります。ディレクトリー、ACL、ストリーム ディレクトリー、およびメタファイルによって使用されるブロックはクォータ使用量に含まれません。

ボリュームでクォータが有効になっていない場合、またはqtreeにクォータ ルールが設定されていない場合は、報告されるスペース使用量に、ボリューム全体(ボリューム内のほかのqtreeを含む)のディレクトリー、ACL、ストリーム ディレクトリー、およびメタファイルによって使用されるブロックが含まれます。この場合、df コマンドで報告されるスペース使用量は、クォータを追跡している場合に想定される報告値よりも大きくなります。

クォータ使用量を追跡しているqtreeのマウント ポイントから df コマンドを実行した場合、コマンドの出力には、クォータ レポートの値と同じスペース使用量が表示されます。ほとんどの場合、ツリークォータ ルールでドライブのハードリミットが指定されていれば、df コマンドで報告される合計サイズはドライブ制限と同じになり、使用可能スペースはクォータのドライブ制限からクォータの使用量を引いた値に等しくなります。

ただし、場合によっては、df コマンドで報告される使用可能スペースがボリューム全体の使用可能スペースと同じになることがあります。この状況は、qtreeにドライブのハードリミットが設定されていない場合に発生します。また、ONTAP 9.9.1以降では、ボリューム全体の使用可能スペースがツリークォータの残りのスペースより少ない場合にも発生します。これらのいずれかの状況に該当する場合、df コマンドで報告される合計サイズは、qtree内で使用されているクォータ スペースにFlexVol内の使用可能スペースを加えた値になります。

この合計サイズは、qtreeのドライブ制限でもボリュームの設定サイズでもありません。また、他のqtree内での書き込みアクティビティやバックグラウンドのストレージ効率化アクティビティによっても変わってきます。

df コマンドとクォータ レポートのスペース使用量の例

次のクォータ レポートでは、ドライブ制限について、qtree aliceは1GB、qtree bobは2GB、qtree project1は制限なしと表示されています。

C1_vsim1::> quota report -vserver vs0
Vserver: vs0
                                    ----Disk----  ----Files-----   Quota
Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
-------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
vol2     alice     tree    1
                                  502.0MB    1GB       2       -   alice
vol2     bob       tree    2
                                   1003MB    2GB       2       -   bob
vol2     project1  tree    3
                                  200.8MB      -       2       -   project1
vol2               tree    *           0B      -       0       -   *
4 entries were displayed.

次の例の df コマンドの出力では、qtree aliceおよびbobの使用済みスペースはクォータ レポートと同じ値、合計サイズ(1Mブロック単位)はドライブ制限と同じ値が報告されています。これは、qtree aliceおよびbobのクォータ ルールにドライブ制限が定義されており、ボリュームの使用可能スペース(1211MB)がツリークォータの残りのスペース(qtree aliceは523MB、qtree bobは1045MB)よりも大きいためです。

linux-client1 [~]$ df -m /mnt/vol2/alice
Filesystem          1M-blocks  Used Available Use% Mounted on
172.21.76.153:/vol2      1024   502       523  50% /mnt/vol2

linux-client1 [~]$ df -m /mnt/vol2/bob
Filesystem          1M-blocks  Used Available Use% Mounted on
172.21.76.153:/vol2      2048  1004      1045  50% /mnt/vol2

次の例の df コマンドの出力では、qtree project1について、使用済みスペースはクォータ レポートと同じ値が報告されています。一方、合計サイズは、qtree project1のクォータ使用量(201MB)にボリューム全体の使用可能スペース(1211MB)を加えた1412MBになっています。これは、qtree project1のクォータ ルールにドライブ制限が定義されていないためです。

linux-client1 [~]$ df -m /mnt/vol2/project1
Filesystem          1M-blocks  Used Available Use% Mounted on
172.21.76.153:/vol2      1412   201      1211  15% /mnt/vol2

次の例の df コマンドの出力では、ボリューム全体の使用可能スペースとしてproject1と同じ値が報告されています。

linux-client1 [~]$ df -m /mnt/vol2
Filesystem          1M-blocks  Used Available Use% Mounted on
172.21.76.153:/vol2      2919  1709      1211  59% /mnt/vol2
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