エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

TCP転送サイズの変更によるNFSv3 / NFSv4パフォーマンスの改善

TCP最大転送サイズを変更することで、高レイテンシのネットワーク経由でストレージ システムに接続するNFSv3 / NFSv4クライアントのパフォーマンスを改善できます。

レイテンシが10ミリ秒を超えるワイド エリア ネットワーク(WAN)またはメトロ エリア ネットワーク(MAN)などの高レイテンシ ネットワークを介してクライアントがストレージ システムにアクセスしている場合は、TCP最大転送サイズを変更することで、ネットワーク接続のパフォーマンスを改善できます。ローカル エリア ネットワーク(LAN)などの低レイテンシ ネットワークでストレージ システムにアクセスするクライアントは、これらのパラメーターを変更してもパフォーマンスの向上はあまり期待できません。スループットの向上がレイテンシの影響を上回らない場合は、これらのパラメーターを使用しないでください。

ストレージ環境がこれらのパラメーターの変更の恩恵を受けるかを判断するには、まずパフォーマンスの低いNFSクライアントで総合的なパフォーマンス評価を行ってください。低パフォーマンスの原因が、クライアント側の過剰なラウンド トリップによるレイテンシとデータ量の少ない要求であるかを確認します。このような条件の場合、クライアントとサーバーは、接続を介して送信されるデータ量の少ない要求と応答を待機することにそのデューティ サイクルの大部分を費やすので、利用可能な帯域幅を完全に使用することができません。

NFSv3とNFSv4の要求サイズを大きくすることにより、利用可能な帯域幅をクライアントとサーバーがより効果的に使用できるようになり、単位時間当たりの転送データ量も増えるため、接続の全体的な効率が向上します。

ストレージ システムとクライアントの間で設定が異なる場合があることに留意してください。ストレージ システムとクライアントでサポートされる転送処理の最大サイズは1MBです。ただし、ストレージ システムで最大転送サイズを1MBに設定しても、クライアントがサポートするサイズが64KBであると、マウントの転送サイズは64KB以下に制限されます。

これらのパラメーターを変更する前に注意しなければならないのは、変更した結果、データ量の多い応答を構築して送信するのに時間がかかり、ストレージ システムでのメモリー消費が増えるということです。ストレージ システムへの高レイテンシ接続が増えるほど、メモリー消費量も増加します。メモリー容量が多いストレージ システムでは、パラメーターを変更しても影響はほとんどありません。メモリー容量が少ないストレージ システムでは、パフォーマンスが著しく低下する可能性があります。

これらのパラメーターをうまく調整できるかは、クラスタの複数のノードからデータを取得できるかによります。クラスタ ネットワークが継承するレイテンシによって、応答の全体的なレイテンシが増加する可能性があります。これらのパラメーターを使用するときに、全体的なレイテンシが増大する傾向があります。そのため、レイテンシの影響を受けやすいワークロードは悪影響を受ける可能性があります。

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