ONTAP 9.13

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ONTAPのネーム サービス スイッチ設定の仕組み

ONTAPでは、UNIXシステムの /etc/nsswitch.conf ファイルに相当するテーブルにネーム サービス設定情報が格納されます。このテーブルを環境に応じて適切に設定するためには、その機能とONTAPでテーブルがどのように使用されるかを理解しておく必要があります。

ネーム サービス スイッチ テーブルは、ONTAPが特定の種類のネーム サービス情報を取得する際にどのネーム サービス ソースをどの順番で参照するかを決定します。ネーム サービス スイッチ テーブルは、SVMごとに作成および保存されます。

データベース タイプ

テーブルには、次の各データベース タイプについてネーム サービスのリストが格納されます。

データベース タイプ ネーム サービス ソースの用途 有効なソース

hosts

ホスト名のIPアドレスへの変換

files、dns

group

ユーザー グループ情報の検索

files、nis、ldap

passwd

ユーザー情報の検索

files、nis、ldap

netgroup

ネットグループ情報の検索

files、nis、ldap

namemap

ユーザー名のマッピング

files、ldap

ソース タイプ

ソース タイプによって、該当する情報を取得するために使用するネーム サービス ソースが決まります。

ソース タイプ 情報の検索先 使用するコマンド

files

ローカルのソース ファイル

vserver services name-service unix-user vserver services name-service unix-group

vserver services name-service netgroup

vserver services name-service dns hosts

nis

SVMのNISドメイン設定で指定された外部のNISサーバー

vserver services name-service nis-domain

ldap

SVMのLDAPクライアント設定で指定された外部のLDAPサーバー

vserver services name-service ldap

dns

SVMのDNS設定で指定された外部のDNSサーバー

vserver services name-service dns

データ アクセスとSVM管理者の両方の認証にNISまたはLDAPを使用する場合も、NIS認証またはLDAP認証が失敗した場合に備え、files でローカル ユーザーも設定しておく必要があります。

外部ソースへのアクセスに使用されるプロトコル

ONTAPでは、外部ソースのサーバーへのアクセスに次のプロトコルを使用します。

外部のネーム サービス ソース アクセスに使用するプロトコル

NIS

UDP

DNS

UDP

LDAP

TCP

次の例では、SVM svm_1 のネーム サービス スイッチ設定を表示しています。

cluster1::*> vserver services name-service ns-switch show -vserver svm_1
                               Source
Vserver         Database       Order
--------------- ------------   ---------
svm_1           hosts          files,
                               dns
svm_1           group          files
svm_1           passwd         files
svm_1           netgroup       nis,
                               files

ユーザーまたはグループ情報の検索では、ローカルのソース ファイルだけが参照され、結果が返されない場合、検索は失敗します。

ネットグループ情報の検索では、最初に外部のNISサーバーが参照され、結果が返されない場合は、次にローカルのネットグループ ファイルが照会されます。

SVM svm_1のテーブルには、ネーム マッピング用のネーム サービス エントリは含まれていません。そのため、デフォルトの設定に従ってローカルのソース ファイルだけが参照されます。

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