ONTAP 9.13

to English version

バケットの作成

S3オブジェクトは バケット に格納されます。ディレクトリー内のファイルとして他のディレクトリー内にネストされるわけではありません。

開始する前に

S3サーバーを含むStorage VMがすでに存在している必要があります。

タスク概要

CLIでバケットを作成するときは、次の2つのプロビジョニング オプションから選択できます。

  • 使用するアグリゲートとFlexGroupコンポーネントをONTAPで選択(デフォルト)

    • ONTAPでアグリゲートが自動的に選択され、最初のバケットのFlexGroupボリュームが作成されて設定されます。プラットフォームで使用可能な最上位のサービス レベルが自動的に選択されます。または、任意のストレージ サービス レベルを指定することもできます。以降このStorage VMに追加するすべてのバケットには同じFlexGroupボリュームが使用されます。

    • バケットを階層化に使用するかどうかを指定することもできます。指定した場合、階層化データ用に最適なパフォーマンスで低コストのメディアが選択されます。

  • 使用するアグリゲートとFlexGroupコンポーネントを自分で選択(advanced権限のコマンド オプションが必要)

    • バケットとそのFlexGroupボリュームを作成するアグリゲートを手動で選択し、各アグリゲートの構成の数を指定することができます。バケットを追加した場合の動作は次のようになります。

      • 新しいバケット用のアグリゲートと構成を指定した場合、バケット用に新しいFlexGroupが作成されます。

      • 新しいバケット用のアグリゲートと構成を指定しない場合、バケットは既存のFlexGroupに追加されます。 詳細については、『FlexGroupボリューム管理』を参照してください。

        バケットの作成時にアグリゲートと構成を指定した場合、QoSポリシー グループ(デフォルトまたはカスタム)は適用されません。あとで vserver object-store-server bucket modify コマンドを使用して適用できます。

: Cloud Volumes ONTAPからバケットを管理している場合は、CLIを使用してください。基盤となるアグリゲート1つのノードから手動で選択することを強く推奨します。各ノードは地理的に離れたアベイラビリティ ゾーンに配置され、レイテンシの問題の影響を受けやすいため、両方のノードのアグリゲートを使用するとパフォーマンスが低下する可能性があります。

ストレージ サービス レベルは、事前に定義されたアダプティブQoSポリシー グループで、デフォルト レベルとして valueperformanceextreme があります。デフォルトのストレージ サービス レベルを使用する代わりに、カスタムのQoSポリシー グループを定義してバケットに適用することもできます。

ONTAP 9.8以降では、QoSはストレージのプロビジョニング時にデフォルトで有効になります。プロビジョニング時またはあとでQoSを無効にしたり、カスタムのQoSポリシーを選択したりすることができます。

ストレージサービスの定義の詳細については、「ストレージ サービスの定義」を参照してください。

ローカルでの容量階層化を設定する場合は、S3サーバーが配置されているシステムSVMではなく、データSVMにバケットとユーザーを作成します。

リモート クライアント アクセスには、S3対応のStorage VMにバケットを設定する必要があります。S3対応でないStorage VMに作成したバケットは、ローカルの階層化にしか使用できません。

パフォーマンス管理の詳細については、「パフォーマンス管理」を参照してください。

追加の設定オプションや表示オプションについては、vserver object-store-server bucket のマニュアル ページを参照してください。

ONTAP CLIを使用したS3バケットの作成

  1. アグリゲートとFlexGroupコンポーネントを自分で選択する場合は、権限レベルをadvancedに設定します(それ以外の場合はadmin権限レベルで十分です)。
    set -privilege advanced

  2. バケットを作成します。

    vserver object-store-server bucket create -vserver svm_name -bucket bucket_name [-size integer[KB|MB|GB|TB|PB]] [-comment text] [additional_options]

    ローカルでの階層化を設定する場合、Storage VM名にはデータStorage VMの名前または Cluster(システムStorage VMの名前)のいずれかを指定できます。

    オプションを指定しない場合、5GBのバケットが作成され、システムで使用可能な最上位のサービス レベルが設定されます。

    パフォーマンスまたは使用量に基づいてバケットを作成する場合は、次のいずれかのオプションを使用します。

    • サービス レベル

      -storage-service-level オプションを指定して、valueperformance、または extreme のいずれかの値を指定します。

    • 階層化

      -used-as-capacity-tier true オプションを指定します。

    使用するFlexGroupボリュームを作成するアグリゲートを指定する場合は、次のオプションを使用します。

    • -aggr-list パラメーターには、FlexGroupボリュームの構成に使用するアグリゲートのリストを指定します。

      指定したエントリごとに、そのアグリゲート上に構成が1つ作成されます。同じアグリゲートを複数回指定すると、そのアグリゲート上に複数の構成を作成できます。

      FlexGroupボリューム全体で一貫したパフォーマンスが得られるように、ドライブタイプとRAIDグループ構成をすべてのアグリゲートで同じにする必要があります。

    • -aggr-list-multiplier パラメーターを指定すると、FlexGroupボリュームを作成するときに、-aggr-list パラメーターで指定したアグリゲートが指定した回数繰り返して使用されます。

      -aggr-list-multiplier パラメーターのデフォルト値は4です。

  3. 必要に応じてQoSポリシーグループを追加します。

    vserver object-store-server bucket modify -bucket bucket_name -qos-policy-group qos_policy_group

  4. バケットが作成されたことを確認します。

    vserver object-store-server bucket show [-instance]

次の例では、アグリゲートを指定してサイズが1TBのStorage VM vs1のバケットを作成しています。

cluster-1::*> vserver object-store-server bucket create -vserver svm1.example.com -bucket testbucket -aggr-list aggr1 -size 1TB

ONTAP System Managerを使用したS3バケットの作成

  1. S3対応Storage VMに新しいバケットを追加します。

    1. [ストレージ] > [バケット] をクリックし、[追加] をクリックします。

    2. 名前を入力し、Storage VMを選択してサイズを入力します。

      • この時点で [保存] をクリックすると、以下のデフォルト設定でバケットが作成されます。

        • すでに有効なグループ ポリシーがないかぎり、いずれのユーザーにもバケットへのアクセスは許可されません。

          S3のrootユーザーにはオブジェクト ストアへの無制限のアクセスが付与されるため、ONTAPオブジェクト ストレージの管理や権限の共有には使用しないでください。代わりに、管理者権限を割り当てたユーザーまたはグループを作成してください。
        • システムで使用できる最も高いQuality of Service(パフォーマンス)レベル。

      • これらの既定値を使用してバケットを作成するには、 [保存] をクリックします。

追加の権限と制限を設定する

[その他のオプション] をクリックして、バケットの構成時にオブジェクトロック、ユーザー権限、およびパフォーマンスレベルの設定を構成することも、後でこれらの設定を変更することもできます。

FabricPool階層化にS3オブジェクトストアを使用する場合は、パフォーマンスサービスレベルではなく、 [階層化に使用] (階層化されたデータに最適なパフォーマンスを備えた低コストのメディアを使用) を選択することを検討してください。

後でリカバリーするためにオブジェクトのバージョン管理を有効にする場合は、[バージョン管理を有効にする] を選択します。バケットでオブジェクトロックを有効にしている場合、バージョニングはデフォルトで有効になります。オブジェクトのバージョン管理については、Using versioning in S3 buckets for Amazon を参照してください。

バケットの保護とアクセス許可の設定、およびパフォーマンスサービスレベルを構成できます。

権限を設定する前に、ユーザーとグループを作成しておく必要があります。

詳細については、「新規バケット用ミラー関係の作成」 を参照してください。

バケットへのアクセスを確認

S3クライアント アプリケーション(別のONTAPシステムまたは外部の他社製アプリケーション)で、次の情報を入力して新しいバケットへのアクセスを確認します。

  • S3サーバーのCA証明書。

  • ユーザーのアクセス キーとシークレット キー。

  • S3サーバーのFQDN名とバケット名。

Top of Page