エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9.14

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バケットの作成

S3オブジェクトは バケット に格納されます。ディレクトリー内のファイルとして他のディレクトリー内にネストされるわけではありません。

開始する前に

S3サーバーを含むStorage VMがすでに存在している必要があります。

タスク概要

CLIでバケットを作成するときは、次の2つのプロビジョニング オプションから選択できます。

  • 使用するアグリゲートとFlexGroupコンポーネントをONTAPで選択(デフォルト)

    • ONTAPでアグリゲートが自動的に選択され、最初のバケットのFlexGroupボリュームが作成されて設定されます。プラットフォームで使用可能な最上位のサービス レベルが自動的に選択されます。または、任意のストレージ サービス レベルを指定することもできます。以降このStorage VMに追加するすべてのバケットには同じFlexGroupボリュームが使用されます。

    • バケットを階層化に使用するかどうかを指定することもできます。指定した場合、階層化データ用に最適なパフォーマンスで低コストのメディアが選択されます。

  • 使用するアグリゲートとFlexGroupコンポーネントを自分で選択(advanced権限のコマンド オプションが必要)

    • バケットとそのFlexGroupボリュームを作成するアグリゲートを手動で選択し、各アグリゲートの構成の数を指定することができます。バケットを追加した場合の動作は次のようになります。

      • 新しいバケット用のアグリゲートと構成を指定した場合、バケット用に新しいFlexGroupが作成されます。

      • 新しいバケット用のアグリゲートと構成を指定しない場合、バケットは既存のFlexGroupに追加されます。 詳細については、「FlexGroupボリューム管理」を参照してください。

        バケットの作成時にアグリゲートと構成を指定した場合、QoSポリシー グループ(デフォルトまたはカスタム)は適用されません。あとでvserver object-store-server bucket modifyコマンドを使用して適用できます。

: Cloud Volumes ONTAPからバケットを管理している場合は、CLIを使用してください。基盤となるアグリゲート1つのノードから手動で選択することを強く推奨します。各ノードは地理的に離れたアベイラビリティ ゾーンに配置され、レイテンシの問題の影響を受けやすいため、両方のノードのアグリゲートを使用するとパフォーマンスが低下する可能性があります。

ストレージ サービス レベルは、事前に定義されたアダプティブQoSポリシー グループで、デフォルト レベルとして valueperformanceextreme があります。デフォルトのストレージ サービス レベルを使用する代わりに、カスタムのQoSポリシー グループを定義してバケットに適用することもできます。

ONTAP 9.8以降では、QoSはストレージのプロビジョニング時にデフォルトで有効になります。プロビジョニング時またはあとでQoSを無効にしたり、カスタムのQoSポリシーを選択したりすることができます。

ストレージサービスの定義の詳細については、「ストレージ サービスの定義」を参照してください。

ローカルでの容量階層化を設定する場合は、S3サーバーが配置されているシステムStorage VMではなく、データStorage VMにバケットとユーザーを作成します。

リモート クライアント アクセスには、S3対応のStorage VMにバケットを設定する必要があります。S3対応でないStorage VMに作成したバケットは、ローカルの階層化にしか使用できません。

パフォーマンス管理の詳細については、「パフォーマンスの監視と管理の概要」を参照してください。

追加の設定オプションや表示オプションについては、vserver object-store-server bucketのマニュアル ページを参照してください。

ONTAP CLIを使用したS3バケットの作成

  1. アグリゲートとFlexGroupコンポーネントを自分で選択する場合は、権限レベルをadvancedに設定します(それ以外の場合はadmin権限レベルで十分です)。
    set -privilege advanced

  2. バケットを作成します。

    vserver object-store-server bucket create -vserver svm_name -bucket bucket_name [-size integer[KB|MB|GB|TB|PB]] [-comment text] [additional_options]

    ローカルでの階層化を設定する場合、Storage VM名にはデータStorage VMの名前またはCluster(システムStorage VMの名前)のいずれかを指定できます。

    オプションを指定しない場合、800GBのバケットが作成され、システムで使用可能な最上位のサービス レベルが設定されます。

    パフォーマンスまたは使用量に基づいてバケットを作成する場合は、次のいずれかのオプションを使用します。

    • サービス レベル

      -storage-service-levelオプションを指定して、valueperformance、またはextremeのいずれかの値を指定します。

    • 階層化

      -used-as-capacity-tier trueオプションを指定します。

    使用するFlexGroupボリュームを作成するアグリゲートを指定する場合は、次のオプションを使用します。

    • -aggr-listパラメーターには、FlexGroupボリュームの構成に使用するアグリゲートのリストを指定します。

      指定したエントリごとに、そのアグリゲート上に構成が1つ作成されます。同じアグリゲートを複数回指定すると、そのアグリゲート上に複数の構成を作成できます。

      FlexGroupボリューム全体で一貫したパフォーマンスが得られるように、ドライブタイプとRAIDグループ構成をすべてのアグリゲートで同じにする必要があります。

    • -aggr-list-multiplierパラメーターを指定すると、FlexGroupボリュームを作成するときに、-aggr-listパラメーターで指定したアグリゲートが指定した回数繰り返して使用されます。

      -aggr-list-multiplierパラメーターのデフォルト値は4です。

  3. 必要に応じてQoSポリシーグループを追加します。

    vserver object-store-server bucket modify -bucket bucket_name -qos-policy-group qos_policy_group

  4. バケットが作成されたことを確認します。

    vserver object-store-server bucket show [-instance]

次の例では、アグリゲートを指定してサイズが1TBのStorage VM vs1のバケットを作成しています。

cluster-1::*> vserver object-store-server bucket create -vserver svm1.example.com -bucket testbucket -aggr-list aggr1 -size 1TB

ONTAP System Managerを使用したS3バケットの作成

  1. S3対応Storage VMに新しいバケットを追加します。

    1. [ストレージ] > [バケット]をクリックし、[追加]をクリックします。

    2. 名前を入力し、Storage VMを選択してサイズを入力します。

      • この時点で[保存]をクリックすると、以下のデフォルト設定でバケットが作成されます。

        • すでに有効なグループ ポリシーがないかぎり、いずれのユーザーにもバケットへのアクセスは許可されません。

          S3のrootユーザーにはオブジェクト ストアへの無制限のアクセスが付与されるため、ONTAPオブジェクト ストレージの管理や権限の共有には使用しないでください。代わりに、管理者権限を割り当てたユーザーまたはグループを作成してください。
        • システムで使用できる最も高いQuality of Service(パフォーマンス)レベル。

      • これらの既定値を使用してバケットを作成するには、[保存]をクリックします。

追加の権限と制限の設定

[その他のオプション]をクリックして、バケットの構成時にオブジェクトロック、ユーザー権限、およびパフォーマンスレベルの設定を構成することも、後でこれらの設定を変更することもできます。

FabricPool階層化にS3オブジェクトストアを使用する場合は、パフォーマンスサービスレベルではなく[階層化に使用](階層化されたデータに最適なパフォーマンスで低コストのメディアを使用)を選択することを検討してください。

後でリカバリーするためにオブジェクトのバージョン管理を有効にする場合は[バージョン管理を有効にする]を選択します。バケットでオブジェクトロックを有効にしている場合、デフォルトでバージョン管理が有効になります。オブジェクトのバージョン管理については、Amazonの「S3バケットでのバージョニングの使用」を参照してください。

9.14.1以降では、S3バケットでオブジェクト ロックがサポートされます。バケット内のオブジェクトが削除または上書きされないように保護する場合は、[オブジェクトロックを有効にする]を選択します。ロックは、オブジェクトのすべてのバージョンを対象にすることも、特定のバージョンを対象にすることもできます。ただし、ロックを有効にできるのは、クラスタ ノードのSnapLockコンプライアンス クロックが初期化されている場合にかぎられます。次の手順を実行します。

  1. クラスタのどのノードでもSnapLockコンプライアンス クロックが初期化されていない場合は、[SnapLock コンプライアンス クロックの初期化]ボタンが表示されます。[SnapLock コンプライアンス クロックの初期化]をクリックして、クラスタ ノードのSnapLockコンプライアンス クロックを初期化します。

  2. [ガバナンス]モードを選択して、オブジェクトに対するWrite Once Read Many(WORM)権限を許可する時間ベースのロックをアクティブ化します。特定の権限を持つ管理者ユーザーは、ガバナンスモードでもオブジェクトを削除できます。

  3. オブジェクトに対してより厳密な削除ルールと更新ルールを割り当てる場合は、[コンプライアンス]モードを選択します。このモードのオブジェクト ロックでは、指定した保持期間が終了した時点でのみオブジェクトを期限切れにできます。保持期間を指定しなかった場合、オブジェクトは永久にロック状態になります。

  4. ロックを一定の期間だけ有効にする場合は、ロックの保持期間を日単位または年単位で指定します。

    ロックは、バージョン管理に対応しているS3バケットとバージョン管理に対応していないS3バケットに適用されます。オブジェクト ロックは、NASオブジェクトには適用されません。

バケットの保護とアクセス許可の設定、およびパフォーマンスサービスレベルを構成できます。

権限を設定する前に、ユーザーとグループを作成しておく必要があります。

詳細については、「新規バケット用ミラー関係の作成」を参照してください。

バケットへのアクセスの確認

S3クライアント アプリケーション(ONTAP S3または外部の他社製アプリケーション)で、次の情報を入力して新しいバケットへのアクセスを確認します。

  • S3サーバーのCA証明書。

  • ユーザーのアクセス キーとシークレット キー。

  • S3サーバーのFQDN名とバケット名。

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