ONTAP 9.13

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QoSによるスループットの下限の設定

ポリシー グループのmin-throughputフィールドを使用すると、ストレージ オブジェクトのワークロードのスループットの下限(最小QoS)を定義できます。定義したポリシー グループは、ストレージ オブジェクトを作成または変更するときに適用できます。ONTAP 9.8以降では、スループットの下限をIOPS、MBps、またはその両方で指定できます。

開始する前に
  • ポリシー グループを作成するには、クラスタ管理者である必要があります。

  • ONTAP 9.13.1以降では、アダプティブ ポリシー グループ テンプレートを使用して、SVMレベルでスループットの下限を適用できます。QoSポリシー グループがあるSVMには、アダプティブ ポリシー グループ テンプレートを設定することはできません。

タスク概要
  • 非共有のQoSポリシー グループを使用して、定義されたスループットの下限が各メンバー ワークロードに個別に適用されるように指定できます。スループットの下限が定義されたポリシー グループを複数のワークロードに適用できるのは、この場合だけです。

    非共有のポリシー グループを指定するには、qos policy-group createコマンドで-is-shared=falseを設定します。

  • ノードやアグリゲートに十分なパフォーマンス容量(ヘッドルーム)がない場合は、ワークロードのスループットが指定された下限を下回ることがあります。

  • QoS制限の対象となるストレージ オブジェクトは、ポリシー グループが属しているSVMに含める必要があります。同じSVMに複数のポリシー グループを作成することができます。

  • ストレージ オブジェクトのタイプごとに同じQoSグループ ポリシーを適用することを推奨します。

  • スループットの下限を定義するポリシー グループは、SVMには適用できません。

手順
  1. 残りのパフォーマンス容量の特定の説明に従って、ノードまたはアグリゲートに十分なパフォーマンス容量があることを確認します。

  2. ポリシー グループを作成します。

    qos policy-group create -policy group policy_group -vserver SVM -min-throughput qos_target -is-shared true|false

    完全なコマンド構文については、該当するONTAPリリースのマニュアル ページを参照してください。スループットの下限を調節する場合は、qos policy-group modifyコマンドを使用します。

    次のコマンドは、最小スループットが1,000 IOPSの共有ポリシー グループpg-vs2を作成します。

    cluster1::> qos policy-group create -policy group pg-vs2 -vserver vs2 -min-throughput 1000iops -is-shared true

    次のコマンドは、スループット制限がない非共有ポリシー グループpg-vs4を作成します。

    cluster1::> qos policy-group create -policy group pg-vs4 -vserver vs4 -is-shared false
  3. ポリシー グループをボリュームまたはLUNに適用します。

    storage_object create -vserver SVM -qos-policy-group policy_group

    コマンド構文全体については、マニュアル ページを参照してください。ストレージ オブジェクトに別のポリシー グループを適用する場合は、_storage_object_modifyコマンドを使用します。

    次のコマンドは、ポリシー グループpg-app2をボリュームapp2に適用します。

    cluster1::> volume create -vserver vs2 -volume app2 -aggregate aggr1 -qos-policy-group pg-app2
  4. ポリシー グループのパフォーマンスを監視します。

    qos statistics performance show

    コマンド構文全体については、マニュアル ページを参照してください。

    パフォーマンスはクラスタから監視します。ホスト上にあるツールを使用して、パフォーマンスを監視しないでください。

    次のコマンドは、ポリシー グループのパフォーマンスを表示します。

    cluster1::> qos statistics performance show
    Policy Group           IOPS      Throughput   Latency
    -------------------- -------- --------------- ----------
    -total-                 12316       47.76MB/s  1264.00us
    pg_app2                  7216       28.19MB/s   420.00us
    _System-Best-Effort        62       13.36KB/s     4.13ms
    _System-Background         30           0KB/s        0ms
  5. ワークロードのパフォーマンスを監視します。

    qos statistics workload performance show

    コマンド構文全体については、マニュアル ページを参照してください。

    パフォーマンスはクラスタから監視します。ホスト上にあるツールを使用して、パフォーマンスを監視しないでください。

    次のコマンドは、ワークロードのパフォーマンスを表示します。

    cluster1::> qos statistics workload performance show
    Workload          ID     IOPS      Throughput    Latency
    --------------- ------ -------- ---------------- ----------
    -total-              -    12320        47.84MB/s  1215.00us
    app2-wid7967      7967     7219        28.20MB/s   319.00us
    vs1-wid12279     12279     5026        19.63MB/s     2.52ms
    _USERSPACE_APPS     14       55        10.92KB/s   236.00us
    _Scan_Backgro..   5688       20            0KB/s        0ms

    QoSワークロードの詳細なレイテンシ統計を表示する場合は、qos statistics workload latency showコマンドを使用します。

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