エフサステクノロジーズ株式会社

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ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

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LIF(ネットワーク インターフェイス)の作成

SVMは、1つ以上のネットワーク論理インターフェイス(LIF)を通じてクライアントにデータを提供します。データへのアクセスに使用するポートにLIFを作成する必要があります。LIFは、物理ポートまたは論理ポートに関連付けられたIPアドレスです。コンポーネントに障害が発生しても、LIFは別の物理ポートにフェイルオーバーまたは移行できるので、引き続きネットワークと通信できます。

ベストプラクティス

ONTAPに接続されたスイッチ ポートは、LIFの移行時の遅延を軽減するために、スパニングツリー エッジ ポートとして設定する必要があります。

開始する前に
  • このタスクを実行するには、クラスタ管理者である必要があります。

  • 基盤となる物理または論理ネットワーク ポートの管理ステータスがupに設定されている必要があります。

  • サブネット名を使用してLIFのIPアドレスとネットワーク マスク値を割り当てる場合は、そのサブネットが存在している必要があります。

    サブネットには、同じレイヤー3サブネットに属するIPアドレスのプールが含まれています。作成にはONTAP System Managerまたはnetwork subnet createコマンドを使用します。

  • LIFが処理するトラフィックのタイプを指定するメカニズムが変更されました。ONTAP 9.7以降ではサービス ポリシーで指定します。

タスク概要
  • 同じLIFにNASプロトコルやSANプロトコルを割り当てることはできません。

    サポートされるプロトコルは、SMB、NFS、FlexCache、iSCSI、およびFCです。iSCSIとFCを他のプロトコルと組み合わせることはできません。ただし、NASプロトコルとイーサネットベースのSANプロトコルは、同じ物理ポートで使用できます。

    • SMBトラフィックを伝送するLIFを、ホーム ノードに自動的にリバートするように設定しないでください。Hyper-V over SMBまたはSQL Server over SMBでノンストップ オペレーションを実現するソリューションをSMBサーバーでホストする場合、これは必須です。

  • 同じネットワーク ポート上にIPv4とIPv6の両方のLIFを作成できます。

  • SVMで使用するすべてのネーム マッピング サービスとホスト名解決サービス(DNS、NIS、LDAP、Active Directoryなど)が、SVMのデータ トラフィックを処理する少なくとも1つのLIFから到達可能である必要があります。

  • クラスタ内のノード間トラフィックを処理するLIFは、管理トラフィックを処理するLIFまたはデータ トラフィックを処理するLIFと同じサブネット上には存在できません。

  • 有効なフェイルオーバー ターゲットのないLIFを作成すると、警告メッセージが表示されます。

  • クラスタ内のLIFの数が多い場合、クラスタでサポートされるLIFの最大数を確認できます。

    • ONTAP System Manager:ONTAP 9.12.0以降では、[ネットワークインターフェイス]グリッドにスループットが表示されます。

    • CLI:network interface capacity showコマンドを使用します。各ノードでサポートされるLIFの最大数は、network interface capacity details showコマンド(advanced権限レベル)で確認できます。

  • 同じサブネットにSVM用の他のLIFがすでに存在している場合、LIFのホーム ポートを指定する必要はありません。同じサブネットにすでに設定されている他のLIFと同じブロードキャスト ドメインにあるホーム ノードから任意のポートが自動的に選択されます。

    FC-NVMeがサポートされます。FC-NVMe LIFを作成する場合は、次の点に注意してください。

    • LIFを作成するFCアダプターでNVMeプロトコルがサポートされている必要があります。

    • データLIFで使用できるデータ プロトコルはFC-NVMeのみです。

  • SANをサポートするStorage Virtual Machine(SVM)ごとに、管理トラフィックを処理するLIFを1つ設定する必要があります。

  • NVMeのLIFとネームスペースは、同じノードでホストする必要があります。

  • データ トラフィックを処理するNVMe LIFは、SVMごとに1つだけ設定できます。

  • サブネットを使用してネットワーク インターフェイスを作成すると、使用可能なIPアドレスが選択したサブネットから自動的に選択され、ネットワーク インターフェイスに割り当てられます。複数のサブネットがある場合にサブネットを変更することはできますが、IPアドレスは変更できません。

  • ネットワーク インターフェイス用のSVMを作成(追加)するときに、既存のサブネット範囲に含まれるIPアドレスを指定することはできません。サブネットの競合エラーが表示されます。この問題は、SVM設定やクラスタ設定でクラスタ間ネットワーク インターフェイスを作成または変更する場合など、ネットワーク インターフェイスの他のワークフローでも発生します。

  • ONTAP 9.10.1以降では、CLIのnetwork interfaceコマンドにNFS over RDMA構成用に-rdma-protocolsパラメーターが追加されています。ONTAP 9.12.1以降では、NFS over RDMA構成用のネットワーク インターフェイスの作成がONTAP System Managerでサポートされます。詳細については、「NFS over RDMA用のLIFの設定」を参照してください。

  • ONTAP 9.11.1以降では、オールフラッシュSANアレイ(ASA)シリーズでiSCSI LIFの自動フェイルオーバーを使用できます。

    iSCSI LIFを新規に作成する際、指定したSVMにiSCSI LIFが存在しない場合、または指定したSVM内の既存のすべてのiSCSI LIFでiSCSI LIFフェイルオーバーがすでに有効になっている場合、新しいiSCSI LIFでiSCSI LIFフェイルオーバーが自動的に有効になります(フェイルオーバー ポリシーはsfo-partner-onlyに、auto-revertの値はtrueに設定されます)。

    ONTAP 9.11.1以降にアップグレードしたあと、iSCSI LIFフェイルオーバー機能が有効になっていない既存のiSCSI LIFがあるSVMに新しいiSCSI LIFを作成すると、新しいiSCSI LIFにはSVM内の既存のiSCSI LIFと同じフェイルオーバー ポリシー(disabled)が適用されます。

ONTAP 9.7以降では、LIFのホーム ポートは、そのIPspaceの同じサブネットに既存のLIFが1つでも存在している場合、自動的に選択されます。ホーム ポートは、そのサブネットの他のLIFと同じブロードキャスト ドメインから選択されます。手動で指定することも引き続き可能です(指定したIPspaceの該当するサブネットにLIFがない場合)。

ONTAP 9.12.0以降では、実行する手順は、ONTAP System ManagerとCLIのどちらのインターフェイスを使用するかによって異なります。

ONTAP System Manager

ONTAP System Managerを使用したネットワーク インターフェイスの追加

手順
  1. [ネットワーク] > [概要] > [ネットワークインターフェイス]の順に選択します。

  2. add iconを選択します。

  3. 次のいずれかのインターフェイス ロールを選択します。

    1. Data

    2. Intercluster

    3. SVM Management

  4. プロトコルを選択します。

    1. SMB/CIFS and NFS

    2. iSCSI

    3. FC

    4. NVMe/FC

    5. NVMe/TCP

  5. LIFの名前を指定するか、ここまでの選択内容から生成された名前をそのまま使用します。

  6. ホーム ノードをそのまま使用するか、ドロップダウンを使用して選択します。

  7. 選択したSVMのIPspaceでサブネットが1つでも設定されている場合、サブネットのドロップダウンが表示されます。

    1. サブネットを選択する場合はドロップダウンから選択します。

    2. サブネットを選択せずに次に進むと、ブロードキャスト ドメインのドロップダウンが表示されます。

      1. IPアドレスを指定します。IPアドレスが使用中の場合は、警告メッセージが表示されます。

      2. サブネット マスクを指定します。

  8. ホーム ポートをブロードキャスト ドメインから自動で選択するか(推奨)、ドロップダウン メニューから選択します。ホーム ポートのオプションは、ブロードキャスト ドメインとサブネットの選択に基づいて表示されます。

  9. ネットワーク インターフェイスを保存します。

CLI

CLIを使用したLIFの作成

手順
  1. LIFに使用するIPspaceブロードキャスト ドメインのポートを判断します。

    network port broadcast-domain show -ipspace ipspace1

    IPspace     Broadcast                       Update
    Name        Domain name   MTU   Port List   Status Details
    ipspace1
                default       1500
                                    node1:e0d   complete
                                    node1:e0e   complete
                                    node2:e0d   complete
                                    node2:e0e   complete
  2. LIFに使用するサブネットに未使用のIPアドレスが十分にあることを確認します。

    network subnet show -ipspace ipspace1

  3. データへのアクセスに使用するポートに1つ以上のLIFを作成します。

    network interface create -vserver _SVM_name_ -lif _lif_name_ -service-policy _service_policy_name_ -home-node _node_name_ -home-port port_name {-address _IP_address_ - netmask _Netmask_value_ | -subnet-name _subnet_name_} -firewall- policy _policy_ -auto-revert {true|false}
    • -home-nodeは、LIFに対してnetwork interface revertコマンドを実行したときにLIFが戻るノードです。

      -auto-revertオプションを使用して、LIFをホーム ノードおよびホーム ポートに自動的にリバートするかを指定することもできます。

    • -home-portは、LIFに対してnetwork interface revertコマンドを実行したときにLIFが戻る物理ポートまたは論理ポートです。

    • -addressオプションと-netmaskオプションでIPアドレスを指定できます。または、-subnet_nameオプションでサブネットからの割り当てを有効にします。

    • サブネットを使用してIPアドレスとネットワーク マスクを指定した場合、サブネットにゲートウェイが定義されていると、そのサブネットを使用してLIFを作成するときにゲートウェイへのデフォルト ルートがSVMに自動的に追加されます。

    • サブネットを使用せずに手動でIPアドレスを割り当てると、クライアントまたはドメイン コントローラーが別のIPサブネットにある場合にゲートウェイへのデフォルト ルートを設定しなければならないことがあります。network route createのマニュアル ページには、SVM内の静的ルートの作成に関する情報が記載されています。

    • -auto-revertを使用すると、一定の状況下(起動時、管理データベースのステータスが変わったとき、ネットワーク接続が確立されたときなど)でデータLIFがホーム ノードに自動的にリバートされるかを指定できます。デフォルト設定はfalseですが、環境内のネットワーク管理ポリシーに応じてtrueに設定できます。

    • -service-policyはONTAP 9.7以降で使用できます。-service-policyオプションでは、LIFのサービス ポリシーを割り当てることができます。
      LIFにサービス ポリシーを指定すると、そのポリシーを使用してLIFのデフォルト ロール、フェイルオーバー ポリシー、データ プロトコルのリストが作成されます。

    • -data-protocolを使用すると、FCPまたはNVMe/FCプロトコルをサポートするLIFを作成できます。このオプションは、IP LIFを作成する場合は必要ありません。

  4. オプション:-addressオプションでIPv6アドレスを割り当てます。

    1. network ndp prefix showコマンドを使用して、各種インターフェイスで学習されたRAプレフィックスのリストを表示します。

      network ndp prefix showコマンドは、advanced権限レベルで使用できます。

    2. prefix::idという形式を使用してIPv6アドレスを手動で作成します。

      prefixは、各種インターフェイスで学習されたプレフィックスです。

      idを生成する場合は、ランダムな64ビットの16進数を選択します。

  5. LIFインターフェイスの設定が正しいことを確認します。

    network interface show -vserver vs1

              Logical    Status     Network         Current   Current Is
    Vserver   Interface  Admin/Oper Address/Mask    Node      Port    Home
    --------- ---------- ---------- --------------- --------- ------- ----
    vs1
               lif1       up/up      10.0.0.128/24   node1     e0d     true
  6. フェイルオーバー グループの設定が適切であることを確認します。

    network interface show -failover -vserver vs1

             Logical    Home       Failover        Failover
    Vserver  interface  Node:Port  Policy          Group
    -------- ---------- ---------  ---------       --------
    vs1
             lif1       node1:e0d  system-defined  ipspace1
    Failover Targets: node1:e0d, node1:e0e, node2:e0d, node2:e0e
  7. 設定したIPアドレスに到達できることを確認します。

対象

方法

IPv4アドレス

network ping

IPv6アドレス

network ping6

次のコマンドは、LIFを作成し、-addressパラメーターと-netmaskパラメーターを使用して、それぞれIPアドレスとネットワーク マスク値を指定しています。

network interface create -vserver vs1.example.com -lif datalif1 -service-policy default-data-files -home-node node-4 -home-port e1c -address 192.0.2.145 -netmask 255.255.255.0 -auto-revert true

次のコマンドは、LIFを作成し、IPアドレスとネットワーク マスク値を指定したサブネット(client1_sub)から割り当てています。

network interface create -vserver vs3.example.com -lif datalif3 -service-policy default-data-files -home-node node-3 -home-port e1c -subnet-name client1_sub - auto-revert true

次のコマンドは、NVMe/FC LIFを作成し、nvme-fcデータ プロトコルを指定します。

network interface create -vserver vs1.example.com -lif datalif1 -data-protocol nvme-fc -home-node node-4 -home-port 1c -address 192.0.2.145 -netmask 255.255.255.0 -auto-revert true
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