ONTAP 9.13

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ONTAPにおける動的ホーム ディレクトリーの仕組み

ONTAPのホーム ディレクトリーを使用すると、SMB共有を設定し、ユーザーと一連の変数に基づいてさまざまなディレクトリーにマッピングすることができます。ユーザーごとに別個の共有を作成するのではなく、1つの共有を設定し、いくつかのホーム ディレクトリー パラメーターを指定して、エントリ ポイント(共有)とホーム ディレクトリー(SVM上のディレクトリー)間の関係をユーザー単位で定義します。

ゲスト ユーザーとしてログインしたユーザーは、ホーム ディレクトリーを持ちません。また、他のユーザーのホーム ディレクトリーにアクセスすることはできません。ユーザーとディレクトリーのマッピング方法を指定する4つの変数があります。

  • 共有名

    ユーザーの接続先として作成する共有の名前です。この共有にはホーム ディレクトリーのプロパティを設定する必要があります。

    共有名には、次の動的な名前を使用できます。

    • %w (ユーザーのWindowsユーザー名)

    • %d (ユーザーのWindowsドメイン名)

    • %u (ユーザーのマッピングされたUNIXユーザー名) すべてのホーム ディレクトリー間で一意になるように、共有名には %w または %u 変数を使用する必要があります。共有名には %d 変数と %w 変数の両方を使用することも(%d/%w など)、固定部分と変数部分で構成することも(home_%w など)できます。

  • 共有パス

    共有によって定義される、つまり、共有名の1つに関連付けられる相対パスです。各検索パスに付加されて、SVMのルートからのユーザーのホーム ディレクトリーの完全パスを生成します。静的(例: home)、動的(例: %w)、またはこの2つの組み合わせ(例: eng/%w)で指定できます。

  • 検索パス

    SVMのルートからの絶対パスのセットで、ONTAPではこのパスに基づいてホーム ディレクトリーが検索されます。 vserver cifs home-directory search-path add コマンドを使用して1つ以上の検索パスを指定できます。複数の検索パスを指定すると、有効なパスが見つかるまで、指定された順に各検索パスが試行されます。

  • ディレクトリー

    ユーザーに対して作成する、そのユーザーのホーム ディレクトリーです。通常はユーザー名がディレクトリー名として使用されます。ホーム ディレクトリーは、検索パスで定義されるいずれかのディレクトリーに作成する必要があります。

たとえば、次のように設定します。

  • ユーザー: John Smith

  • ユーザーのドメイン:acme

  • ユーザー名:jsmith

  • SVM名:vs1

  • ホーム ディレクトリーの共有名#1: home_%w - share path: %w

  • ホーム ディレクトリーの共有名#2: %w - share path: %d/%w

  • 検索パス#1: /vol0home/home

  • 検索パス#2: /vol1home/home

  • 検索パス#3: /vol2home/home

  • ホーム ディレクトリー: /vol1home/home/jsmith

シナリオ1:ユーザーが \\vs1\home_jsmith に接続します。これは最初のホーム ディレクトリー共有名に一致し、相対パス jsmith が生成されます。各検索パスが順に確認され、jsmith という名前のディレクトリーが検索されます。

  • /vol0home/home/jsmith は存在しないので、検索パス#2に進みます。

  • /vol1home/home/jsmith は存在します。したがって、検索パス#3は確認されません。これでユーザーは自分のホーム ディレクトリーに接続されました。

シナリオ2:ユーザーが \\vs1\jsmith に接続します。これは、2番目のホーム ディレクトリーの共有名に一致し、相対パス acme/jsmith が生成されます。各検索パスが順に確認され、acme/jsmith という名前のディレクトリーが検索されます。

  • /vol0home/home/acme/jsmith は存在しないので、検索パス#2に進みます。

  • /vol1home/home/acme/jsmith は存在しないので、検索パス#3に進みます。

  • /vol2home/home/acme/jsmith も存在しません。ホーム ディレクトリーが存在しないため、接続は失敗します。

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