ONTAP 9.13

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ドライブの完全消去

ディスクを完全消去すると、運用を終了したシステムや動作していないシステムにおいて、1本または一連のディスクからデータを削除し、データをリカバリー不能な状態にすることができます。

CLIを使用してディスクを完全消去する方法は2つあります。

「メンテナンス モード」のコマンドを使用したディスクの完全消去(ONTAP 9.7以降のリリース)

ONTAP 9.7以降では、メンテナンス モードでディスク完全消去を実行できます。

開始する前に
  • 自己暗号化ディスク(SED)は完全消去できません。

    SEDを完全消去するには、storage encryption disk sanitizeコマンドを使用する必要があります。

手順
  1. メンテナンス モードでブートします。

    1. haltコマンドを入力して現在のシェルを終了します。

      LOADERプロンプトが表示されます。

    2. boot_ontap maintコマンドを入力してメンテナンス モードに切り替えます。

      情報が表示されたあとに、メンテナンス モード プロンプトが表示されます。

  2. 完全消去するディスクがパーティショニングされている場合は、各ディスクのパーティショニングを解除します。

    ドライブのパーティショニングを解除するコマンドはdiagレベルでのみ使用できます。富士通サポートから指示があった場合にのみ実行してください。作業を進める前に、富士通サポートに問い合わせることを推奨します。

    disk unpartition disk_name

  3. 指定したディスクの完全消去を実行します。

    disk sanitize start [-p pattern1|-r [-p pattern2|-r [-p pattern3|-r]]] [-c cycle_count] disk_list

    完全消去中はノードの電源を切ったり、ストレージの接続を切断したり、ターゲット ドライブを取り外したりしないでください。完全消去のフォーマット フェーズで処理が中断された場合、ドライブを完全消去してスペア プールに戻せる状態にするには、フォーマット フェーズを再度開始して完了させる必要があります。完全消去プロセスを中止する必要がある場合は、disk sanitize abortコマンドを使用します。指定したドライブで完全消去のフォーマット フェーズが進行中の場合、そのフェーズが完了するまで処理は中止されません。

    -p pattern1 -p pattern2 -p pattern3には、3種類のユーザー定義の上書きパターンを16進数で指定します。指定したパターンは、1サイクルとして、完全消去するドライブに順に適用されます。デフォルトでは、第1のパターンに0x55、第2のパターンに0xaa、第3のパターンに0x3cが使用されます。

    -rは、上書きパターンの一部またはすべてを、ランダムな上書きで置換します。

    -c cycle_countは、指定した上書きパターンのサイクルを適用する回数です。デフォルト値は1です。最大値は7です。

    disk_listには、完全消去するスペア ドライブのIDを、スペースで区切って指定します。

  4. 必要に応じて、ディスク完全消去プロセスのステータスを確認します。

    disk sanitize status [disk_list]

  5. 完全消去プロセスが完了したら、ディスクを各ディスクのスペア ステータスに戻します。

    disk sanitize release disk_name

  6. メンテナンス モードを終了します。

「ノードシェル」のコマンドを使用したドライブの完全消去(ONTAP 9のすべてのリリース)

ONTAP 9のすべてのバージョンで、ノードシェル コマンドを使用してディスク完全消去を有効にすると、下位レベルのONTAPコマンドが一部無効になります。ノードで有効にしたディスク完全消去を無効にすることはできません。

開始する前に
  • ディスクはスペア ディスクである必要があります。また、ノードに所有されており、ローカル階層(アグリゲート)で使用されていないディスクを指定する必要があります。

    ディスクがパーティショニングされている場合、パーティションをローカル階層(アグリゲート)で使用することはできません。

  • 自己暗号化ディスク(SED)は完全消去できません。

    SEDを完全消去するには、storage encryption disk sanitizeコマンドを使用する必要があります。

  • ストレージ プールの一部であるディスクを使用することはできません。

手順
  1. 完全消去するディスクがパーティショニングされている場合は、各ディスクのパーティショニングを解除します。

    ドライブのパーティショニングを解除するコマンドはdiagレベルでのみ使用できます。富士通のサポートから指示があった場合にのみ実行してください。 作業を進める前に、富士通のサポートに問い合わせることを推奨します。

    disk unpartition disk_name

  2. 完全消去するディスクを所有するノードのノードシェルに切り替えます。

    system node run -node node_name

  3. ディスク完全消去を有効にします。

    options licensed_feature.disk_sanitization.enable on

    このコマンドは取り消すことができないため、確認を求められます。

  4. ノードシェルのadvanced権限レベルに切り替えます。

    priv set advanced

  5. 指定したディスクの完全消去を実行します。

    disk sanitize start [-p pattern1|-r [-p pattern2|-r [-p pattern3|-r]]] [-c cycle_count] disk_list

    完全消去中はノードの電源を切ったり、ストレージの接続を切断したり、ターゲット ディスクを取り外したりしないでください。フォーマット フェーズの途中で完全消去が中断された場合、ディスクを完全消去してスペア プールに戻せる状態にするためには、フォーマット フェーズをやり直して完了させる必要があります。完全消去プロセスを中止する必要がある場合は、disk sanitize abortコマンドを使用します。指定したディスクで完全消去のフォーマット フェーズが進行中の場合、そのフェーズが完了してからプロセスが中止されます。

    -p pattern1 -p pattern2 -p pattern3には、3種類の上書きパターンを16進数で指定します。指定したパターンは、1サイクルとして、完全消去するドライブに順に適用されます。デフォルトでは、第1のパターンに0x55、第2のパターンに0xaa、第3のパターンに0x3cが使用されます。

    -rは、上書きパターンの一部またはすべてを、ランダムな上書きで置換します。

    -c cycle_countは、指定した上書きパターンのサイクルを適用する回数です。

    デフォルト値は1です。最大値は7です。

    disk_listには、完全消去するスペア ドライブのIDを、スペースで区切って指定します。

  6. ディスク完全消去プロセスのステータスを確認するには、次のコマンドを入力します。

    disk sanitize status [disk_list]

  7. 完全消去プロセスが完了したら、ディスクをスペア ステータスに戻します。

    disk sanitize release disk_name

  8. ノードシェルのadmin権限レベルに戻ります。

    priv set admin

  9. ONTAP CLIに戻ります。

    exit

  10. 次のコマンドを入力して、すべてのディスクがスペア ステータスに戻ったかどうかを確認します。

    storage aggregate show-spare-disks

    状況

    処理

    完全消去したすべてのディスクがスペアとして表示される

    処理は完了しています。ディスクは完全消去され、スペア状態になっています。

    完全消去した一部のディスクがスペアとして表示されない

    次の手順を実行します。

    1. advanced権限モードに切り替えます。

      set -privilege advanced

    2. 完全消去した未割り当てのディスクを各ディスクの適切なノードに割り当てます。

      storage disk assign -disk disk_name -owner node_name

    3. 各ディスクをスペア ステータスに戻します。

      storage disk unfail -disk disk_name -s -q

    4. adminモードに戻ります。

      set -privilege admin

結果

指定したドライブが完全消去され、ホット スペアとしてマーキングされます。完全消去したドライブのシリアル番号が/etc/log/sanitized_disksに書き込まれます。

指定したドライブの完全消去ログ(各ドライブで完了した内容を含む)が/mroot/etc/log/sanitization.logに書き込まれます。

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