エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

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SNMPの概要

クラスタのSVMを監視するようにSNMPを設定すると、問題を発生前に回避したり、発生時に対応したりすることができます。SNMPを管理するには、SNMPユーザーを設定し、すべてのSNMPイベントのSNMPトラップの送信先(管理ワークステーション)を設定する必要があります。データLIFでは、SNMPはデフォルトで無効になっています。

データSVMに、読み取り専用SNMPユーザーを作成して管理できます。データLIFは、SVMでSNMP要求を受信するように設定する必要があります。

SNMPネットワーク管理ワークステーションまたはマネージャは、SVM SNMPエージェントに情報を照会できます。SNMPエージェントは情報を収集し、SNMPマネージャに転送します。SNMPエージェントはまた、特定のイベントの発生時にトラップ通知を生成します。SVM上のSNMPエージェントの権限は読み取り専用権限であるため、設定操作や、トラップに応答して対処するために使用することはできません。ONTAPはSNMPバージョンv1、v2c、およびv3と互換性のあるSNMPエージェントを備えています。SNMPv3は、パスフレーズと暗号化を使用して高度なセキュリティを提供します。

MIBの概要

管理情報ベース(MIB)は、SNMPのオブジェクトとトラップが記述されたテキスト ファイルです。

MIBは、ストレージ システムの管理データの構造を表し、オブジェクト識別子(OID)を含む階層状のネームスペースを使用します。各OIDは、SNMPを使用して読み取り可能な変数を識別します。

MIBは構成ファイルではなく、ONTAPはこれらのファイルを読み取らないため、SNMP機能はMIBによる影響を受けません。ONTAPには次のMIBファイルが用意されています。

  • NetAppのカスタムMIB(netapp.mib

ONTAPは、IPv6(RFC 2465)、TCP(RFC 4022)、UDP(RFC 4113)、およびICMP(RFC 2466)のMIBをサポートします。これらのMIBではIPv4とIPv6の両方のデータが表示されます。

また、ONTAPでは、traps.datファイルでOIDとオブジェクトの簡略名の簡単な相互参照を提供しています。

ONTAPのMIBおよびtraps.dat ファイルの最新バージョンは、弊社ダウンロードサイトから入手できます。ただし、サポート サイトにあるファイルのバージョンが、お使いのONTAPバージョンのSNMP機能に必ずしも対応しているとは限りません。これらのファイルは、最新バージョンのONTAPのSNMP機能の評価用に提供されています。

SNMPトラップ

SNMPトラップは、SNMPエージェントからSNMPマネージャに非同期通知として送信されたシステム監視情報をキャプチャーします。

SNMPトラップには、標準、ビルトイン、およびユーザー定義という3つの種類があります。ONTAPではユーザー定義トラップはサポートされていません。

トラップを使用して、MIBに定義された運用上のしきい値または障害を定期的にチェックすることができます。しきい値に到達するか、障害が検出されると、SNMPエージェントは、イベントを警告するメッセージ(トラップ)をトラップホストに送信します。

ONTAPではSNMPv1トラップが、ONTAP 9.7以降ではSNMPv3トラップがサポートされます。SNMPv2cトラップとINFORMはサポートされていません。

標準SNMPトラップ

これらのトラップはRFC 1215で定義されています。ONTAPでサポートされているSNMPトラップは、coldStart、warmStart、linkDown、linkUp、およびauthenticationFailureの5つです。

authenticationFailureトラップは、デフォルトで無効になっています。トラップを有効にするには、system snmp authtrapコマンドを使用する必要があります。詳細については、:ONTAP 9のコマンドを参照してください。

ビルトインSNMPトラップ

ビルトイン トラップはONTAPに事前定義されたトラップで、イベントの発生時にトラップホスト リストのネットワーク管理ステーションに自動的に送信されます。これらのトラップ(diskFailedShutdown、cpuTooBusy、volumeNearlyFullなど)はカスタムMIBで定義されています。

各ビルトイン トラップは、一意のトラップ コードで識別されます。

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