ONTAP 9.13

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ESXホストのVMware VAAIパフォーマンスの向上

ONTAPでは、ESXホストでESX 4.1以降が実行されている場合、VMware vStorage APIs for Array Integration(VAAI)の一部の機能がサポートされます。これらの機能を使用すると、ESXホストからストレージ システムに処理の負荷をオフロードし、ネットワーク スループットを向上させることができます。これらの機能は、正しい環境のESXホストで自動的に有効になります。

VAAI機能は、次のSCSIコマンドをサポートします。

  • EXTENDED_COPY

    ホストはLUN間またはLUN内のデータ転送を開始し、データ転送処理そのものには関与しません。その結果、ESX CPUサイクルが節約され、ネットワーク スループットが増加します。EXTENDED_COPY機能は、「コピー オフロード」とも呼ばれますが、仮想マシンのクローニングなどで使用されます。ESXホストからコピー オフロード機能が呼び出されると、ホスト ネットワークを経由せずにストレージ システム内でデータがコピーされます。コピー オフロードでは、次の経路でデータ転送を行います。

    • LUN内

    • ボリューム内のLUN間

    • Storage Virtual Machine(SVM)内の異なるボリューム上のLUN間

    • クラスタ内の異なるSVM上のLUN間 ESXホストからこの機能を呼び出すことができない場合には、コピー処理の標準のREADコマンドとWRITEコマンドが自動的に使用されます。

  • WRITE_SAME

    繰り返しパターン(すべてゼロなど)の書き込みがストレージ システムにオフロードされます。この機能はファイルをゼロで埋める場合などに使用されます。

  • COMPARE_AND_WRITE

    特定のファイルへの同時アクセス制限がバイパスされ、仮想マシンのブートなどの処理が高速になります。

VAAI環境を使用するための要件

VAAI機能はESXオペレーティング システムの一部であり、環境を正しく設定すると、ESXホストによって自動的に起動されます。

この環境には次の要件があります。

  • ESXホストでESX 4.1以降を実行する。

  • VMwareデータストアをホストする富士通 ストレージ システムでONTAPを実行する。

  • (コピー オフロードのみ)VMwareコピー操作のソースとデスティネーションの両方が同じクラスタ内の同じストレージ システムでホストされている。

    コピー オフロード機能は、現時点では、異なるストレージ システムでホストされているVMwareデータストア間のコピーに対応していません。

VAAI機能がESXでサポートされているかどうかの確認

ESXオペレーティング システムがVAAI機能に対応しているかどうかを確認するには、vSphere Clientを確認するか、別の方法でホストにアクセスします。ONTAPは、デフォルトでSCSIコマンドをサポートします。

ESXホストの詳細設定を調べて、VAAI機能が有効になっているかどうかを確認します。次の表に、SCSIコマンドと対応するESXコントロールの名前を示します。

SCSIコマンド ESXコントロール名(VAAI機能)

EXTENDED_COPY

HardwareAcceleratedMove

WRITE_SAME

HardwareAcceleratedInit

COMPARE_AND_WRITE

HardwareAcceleratedLocking

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