ONTAP 9.13

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SnapMirrorによるディザスタ リカバリーとデータ転送

SnapMirror は、地理的に離れたサイトのプライマリー ストレージからセカンダリー ストレージへのフェイルオーバー用に設計されたディザスタ リカバリー テクノロジです。名前が示すように、SnapMirrorは本番データの複製(ミラー)をセカンダリー ストレージに作成し、プライマリー サイトに災害が発生しても、セカンダリー ストレージから引き続きデータを提供できるようにします。

データのミラーリングはボリューム単位で行われます。プライマリー ストレージのソース ボリュームとセカンダリー ストレージのデスティネーション ボリュームの関係は データ保護関係 と呼ばれます。ボリュームが含まれるクラスタとボリュームからデータを提供するSVMの ピア関係 が確立されている必要があります。ピア関係にあることで、クラスタとSVM間でデータをセキュアーにやり取りできます。

SVM間にもデータ保護関係を作成できます。このタイプの関係では、SVMのすべてまたは一部の設定がNFSエクスポートおよびSMB共有からRBACにレプリケートされます。また、SVMが所有するボリューム内のデータもレプリケートされます。

ONTAP 9.10.1以降では、S3 SnapMirrorを使用してS3バケット間にデータ保護関係を作成できます。デスティネーション バケットは、ローカルまたはリモートのONTAPシステム、あるいは StorageGRID や AWS などの ONTAP以外のシステムに配置できます。

SnapMirrorを初めて起動すると、ソース ボリュームからデスティネーション ボリュームへの ベースライン転送 が実行されます。ベースライン転送の一般的な手順は次のとおりです。

  • ソース ボリュームのSnapshotコピーを作成します。

  • Snapshotコピーおよびコピーが参照するすべてのデータ ブロックをデスティネーション ボリュームに転送します。

  • アクティブ」なミラーが破損した場合に備えて、ソース ボリューム上の、残りの最新ではないSnapshotコピーをデスティネーション ボリュームに転送します。

いったんベースライン転送が完了すると、その後は新しいSnapshotコピーだけがミラーに転送されます。更新は、設定されたスケジュールに従って非同期に行われます。保持処理によって、ソース上のSnapshotポリシーがミラーリングされます。プライマリー サイトで災害が発生したときは最小限のシステム停止でデスティネーション ボリュームをアクティブ化し、サービスが復旧したらソース ボリュームを再アクティブ化できます。

ベースライン作成後はSnapshotコピーだけが転送されるため、無停止で高速なレプリケーションが可能です。フェイルオーバーの事例で示すように、ミラーリングされたストレージからデータを効率的に提供するには、セカンダリー システム上のコントローラーがプライマリー システム上のコントローラーと同じであるか、ほぼ同じである必要があります。

ソースボリュームとデスティネーションボリューム間のSnapMirror関係

SnapMirrorを使用したデータ転送

SnapMirrorは、富士通データ ファブリック内のエンドポイント間のデータのレプリケーションにも使用できます。SnapMirrorポリシーを作成するときに、レプリケーションを1回だけ行うか繰り返し行うかを選択できます。

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