ONTAP 9.13

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ODXの動作

ODXコピー オフロードでは、トークンベースのメカニズムを使用して、ODX対応のCIFSサーバー内またはCIFSサーバー間でデータの読み取りおよび書き込みを行います。CIFSサーバーは、ホストを介してデータをルーティングするのではなく、データを表す小さなトークンをクライアントに送信します。ODXクライアントがそのトークンをデスティネーション サーバーに提示すると、サーバーはそのトークンによって表されるデータをソースからデスティネーションに転送できます。

ODXクライアントは、CIFSサーバーがODX対応であると認識すると、ソース ファイルを開いてCIFSサーバーのトークンを要求します。デスティネーション ファイルを開いたら、クライアントはトークンを使用して、データをソースからデスティネーションに直接コピーするようにサーバーに指示します。

ソースとデスティネーションは、コピー処理の範囲に応じて、同じStorage Virtual Machine(SVM)上に存在する場合も異なるSVM上に存在する場合もあります。

トークンはデータの特定時点の状態を表すものとして機能します。たとえば、ノード間でデータをコピーする場合、データ セグメントを表すトークンが要求元クライアントに返され、そのトークンをクライアントがデスティネーションにコピーするため、クライアントを介して基になるデータをコピーする必要がありません。

ONTAPでは、8MBのデータを表すトークンがサポートされます。8MBを超えるODXコピーは、8MBのデータを表すトークンを複数使用して実行されます。

次の図で、ODXコピー処理に関連するステップについて説明します。

この図には説明が付随しています。
  1. エクスプローラーを使用するか、コマンドライン インターフェイスを使用するか、仮想マシンの移行の一環として、ユーザーがファイルをコピーまたは移動します。または、アプリケーションによってファイルのコピーまたは移動が開始されます。

  2. ODX対応のクライアントが、この転送要求をODX要求に自動的に変換します。

    CIFSサーバーに送信されるODX要求には、トークン要求が含まれています。

  3. CIFSサーバーでODXが有効になっており、接続がSMB 3.0経由の場合は、ソースのデータを論理的に表したものであるトークンがCIFSサーバーによって生成されます。

  4. クライアントは、データを表すトークンを受信し、書き込み要求を使用してそのトークンをデスティネーションCIFSサーバーに送信します。

    ネットワーク経由でソースからクライアントにコピーされ、クライアントからデスティネーションにコピーされるのは、このデータだけです。

  5. トークンがストレージ サブシステムに送信されます。

  6. コピーまたは移動がSVMによって内部的に実行されます。

    コピーまたは移動されるファイルが8MBより大きい場合、コピーを実行するには複数のトークンが必要になります。コピーが完了するまで、必要に応じてステップ2~6が繰り返されます。

ODXオフロード コピーでエラーが発生した場合、コピーまたは移動処理は、その処理の従来の読み取りおよび書き込みにフォールバックされます。同様に、デスティネーションCIFSサーバーでODXがサポートされていない場合、またはODXが無効になっている場合は、コピーまたは移動処理は、その処理の従来の読み取りおよび書き込みにフォールバックされます。

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