ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

SnapMirror Active Syncのユース ケースは次のとおりです。

SnapMirror Active Sync環境では、プライマリー クラスタとセカンダリー クラスタを使用します。プライマリー クラスタのLUN（1LP）は、セカンダリー クラスタにそのミラー（L1s）があります。両方のLUNが同じシリアルIDを共有し、読み取り / 書き込みLUNとしてホストに報告されます。ただし、読み取りおよび書き込み処理はプライマリーLUNである1LPにだけ実行されます。ミラーであるL1Sへの書き込みは、すべてプロキシによって処理されます。

TAFは、ホストのMPIOソフトウェアベースのパス フェイルオーバーに基づいて、ストレージへのノンストップ アクセスを実現します。プライマリーとミラーの両方のLUNコピー（L1PとL1Sなど）に同じID（シリアル番号）が割り当てられ、両方が読み取り / 書き込み可能としてホストに報告されます。ただし、実際に読み取りと書き込みを処理するのはプライマリー ボリュームのみです。ミラー コピーへのI/Oはプライマリー コピーにプロキシされます。ホストからL1への優先パスはVS1:N1で、これは非対称論理ユニット アクセス（ALUA）のアクセス状態「アクティブ / 最適化済み」（A/O）に基づきます。主にプライマリーでストレージが停止した場合にフェイルオーバー（計画的または計画外）を実行するため、ONTAP Mediatorを使用する必要があります。

SnapMirror Active Syncでは、ALUAが使用されます。ALUAは、アプリケーション ホストのマルチパス ソフトウェアがアドバタイズされたパス、優先順位、アクセスの可否情報を使用して、アプリケーション ホストがストレージ アレイと通信できるようにするメカニズムです。ALUAは、LUNなどを所有するコントローラーへのアクティブ / 最適化パスを、プライマリー パスで障害が発生した場合にのみ使用するアクティブ / 非最適パスとしてマークします。

VMware Metro Storage Cluster、Oracle RAC、SQLを使用したWindowsフェイルオーバー クラスタリングなどのクラスタ アプリケーションでは、パフォーマンスのオーバーヘッドなしでVMを他のサイトにフェイルオーバーするために、同時アクセスが必要です。SnapMirror Active Syncの対称アクティブ / アクティブは、双方向レプリケーションによってローカルでIOを処理することで、クラスタ アプリケーションの要件を満たします。

地理的に分散したサイト間で、アプリケーション用の複数のボリュームを同期的にレプリケートします。プライマリーが停止した場合に自動的にセカンダリー コピーにフェイルオーバーできるため、ティア1アプリケーションのビジネス継続性を確保できます。プライマリー クラスタをホストしているサイトで災害が発生すると、ホストのマルチパス ソフトウェアはそのクラスタを経由するすべてのパスを停止とマークし、セカンダリー クラスタからのパスを使用します。その結果、ONTAP Mediatorによる無停止でのミラー コピーへのフェイルオーバーが可能になります。

SnapMirror Active Syncは柔軟性に優れ、使いやすいアプリケーションレベルのきめ細かい対応と自動フェイルオーバーを実現します。SnapMirror Active Syncでは、実績のあるIPネットワークを介したSnapMirror Synchronousレプリケーションを使用して、LANまたはWAN経由でデータを高速でレプリケートします。これにより、仮想環境と物理環境の両方で、OracleやMicrosoft SQL Serverなどのビジネスクリティカルなアプリケーションのデータ可用性を高め、高速なデータ レプリケーションを実現します。

SnapMirror Active Syncを使用すると、セカンダリー コピーへのTAFにより、サイト全体に障害が発生してもミッションクリティカルなビジネス サービスの運用を継続できます。このフェイルオーバーをトリガーするために、手動操作や追加のスクリプト作成は必要ありません。