ONTAP 9.13

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Inactive Data Reportingによるボリューム内のアクセス頻度の低いデータ量の確認

ボリューム内のアクセス頻度の低いデータの量を確認することで、ストレージ階層を効率よく使用することができます。Inactive Data Reportingの情報を参考に、どのアグリゲートをFabricPoolに使用するか、FabricPool内またはFabricPool外にボリュームを移動するかどうか、またボリュームの階層化ポリシーを変更するかどうかを決定することができます。

要件

Inactive Data Reporting機能を使用するには、ONTAP 9.7以降が必要です。

タスク概要
  • Inactive Data Reportingは、一部のアグリゲートではサポートされません。

    次のようなFabricPoolを有効にできない状況では、Inactive Data Reportingを有効にできません。

    • ルート アグリゲート

    • Flash Pool(ハイブリッド アグリゲートまたはSnapLockアグリゲート)

  • アダプティブコンパクションが有効になったボリュームがあるアグリゲートに対しては、Inactive Data Reportingがデフォルトで有効になります。

  • ONTAP CLIを使用して、HDDアグリゲートを含むFabricPool以外のアグリゲートに対してInactive Data Reportingを有効にできます。

手順

アクセス頻度の低いデータの量は、ONTAP System ManagerまたはONTAP CLIを使用して確認できます。

ONTAP System Manager
  1. 次のいずれかのオプションを選択します。

    • 既存のHDDアグリゲートがある場合は [ストレージ] > [階層] の順に選択し、Inactive Data Reportingを有効にするアグリゲートのMenu Optionsをクリックします。

    • クラウド階層が設定されていない場合は、[ダッシュボード] に移動し、[容量] の下の [Enable inactive data reporting] リンクをクリックします。

CLI
CLIでInactive Data Reportingを有効にする手順:
  1. 対象のアグリゲートがFabricPoolに使用されていない場合は、-is-inactive-data-reporting-enabled true パラメーターを指定した storage aggregate modify コマンドを実行して、アグリゲートのInactive Data Reportingを有効にします。

    cluster1::> storage aggregate modify -aggregate aggr1 -is-inactive-data-reporting-enabled true

    FabricPoolに使用されていないアグリゲートでは、Inactive Data Reporting機能を明示的に有効にする必要があります。

    FabricPool対応アグリゲートについては、すでにInactive Data Reportingが有効になっているため有効にする必要はありません。-is-inactive-data-reporting-enabled パラメーターは、FabricPool対応アグリゲートに対しては機能しません。

    storage aggregate show コマンドの -fields is-inactive-data-reporting-enabled パラメーターを使用すると、アグリゲートでInactive Data Reportingが有効になっているかどうかを確認できます。

  2. ボリューム上のアクセス頻度の低いデータの量を表示するには、-fields performance-tier-inactive-user-data,performance-tier-inactive-user-data-percent パラメーターを指定して volume show コマンドを実行します。

    cluster1::> volume show -fields performance-tier-inactive-user-data,performance-tier-inactive-user-data-percent
    
    vserver volume performance-tier-inactive-user-data performance-tier-inactive-user-data-percent
    ------- ------ ----------------------------------- -------------------------------------------
    vsim1   vol0   0B                                  0%
    vs1     vs1rv1 0B                                  0%
    vs1     vv1    10.34MB                             0%
    vs1     vv2    10.38MB                             0%
    4 entries were displayed.
    • performance-tier-inactive-user-data フィールドには、アグリゲートに格納されているユーザー データのうち、アクセス頻度の低いデータの量が表示されます。

    • performance-tier-inactive-user-data-percent フィールドには、アクティブ ファイルシステムとSnapshotコピー全体での、アクセス頻度の低いデータの割合が表示されます。

    • FabricPoolに使用されていないアグリゲートの場合、Inactive Data Reportingでコールドとして報告されるデータの量は階層化ポリシーを使用して決定されます。

      • none 階層化ポリシーの場合は、31日が使用されます。

      • snapshot-only および auto の場合は、tiering-minimum-cooling-days が使用されます。

      • ALL ポリシーの場合は、1日以内にデータが階層化されるものとみなされます。

        それまでの間、該当するフィールドには「-」と表示されます。

    • FabricPoolに含まれるボリュームの場合、アクセス頻度の低いデータとして報告される値はボリュームに設定されている階層化ポリシーによって異なります。

      • none 階層化ポリシーの場合は、ボリューム全体のうち、31日間以上アクセスされていないデータの量が報告されます。-tiering-minimum-cooling-days パラメーターを none 階層化ポリシーとともに使用することはできません。

      • ALLsnapshot-only、および auto 階層化ポリシーの場合、Inactive Data Reportingはサポートされません。

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