ONTAP 9
近隣探索プロトコルによるネットワーク接続の表示
データセンターでは、近隣探索プロトコルを使用して、物理または仮想システムのペアおよびそのネットワーク インターフェイス間のネットワーク接続を表示できます。ONTAPでは2つの近隣探索プロトコルがサポートされます。Cisco Discovery Protocol(CDP)およびLink Layer Discovery Protocol(LLDP)です。
近隣探索プロトコルによって、ネットワーク内の直接接続されているプロトコル対応デバイスが自動的に検出され、その情報が表示されるようになります。各デバイスがID、機能、および接続情報を通知します。この情報はイーサネット フレームでマルチキャストMACアドレスへ送信され、近隣のプロトコル対応デバイスで受信されます。
2つのデバイスどうしが近隣機器となるためには、各デバイスでプロトコルが有効で、正しく設定されている必要があります。探索プロトコルの機能は直接接続されたネットワークに限定されます。近隣機器には、スイッチ、ルーター、ブリッジなどのプロトコル対応デバイスが含まれます。ONTAPでは、2つの近隣探索プロトコルがサポートされます。これらは個別に使用することも一緒に使用することも可能です。
Cisco Discovery Protocol(CDP)
CDPは、Cisco Systemsが開発したリンク レイヤー プロトコルです。ONTAPでは、クラスタ ポートに対してこのプロトコルがデフォルトで有効になりますが、データ ポートに対しては明示的に有効にする必要があります。
Link Layer Discovery Protocol(LLDP)
LLDPは、ベンダーに依存しないプロトコルであり、IEEE 802.1AB規格のドキュメントで指定されています。このプロトコルは、すべてのポートに対して明示的に有効にする必要があります。
CDPを使用したネットワーク接続の検出
CDPを使用したネットワーク接続の検出は、導入に関する考慮事項の確認、データ ポートでのCDPの有効化、近隣デバイスの表示、CDPの設定値の調整(必要な場合)で構成されます。クラスタ ポートでは、CDPはデフォルトで有効になります。
近隣デバイスに関する情報を表示するには、スイッチとルーターでもCDPを有効にする必要があります。
ONTAPリリース |
説明 |
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9.10.1以前 |
CDPは、クラスタ ネットワーク スイッチと管理ネットワーク スイッチを自動検出するためにクラスタ スイッチ ヘルスモニタでも使用されます。 |
9.11.1以降 |
CDPは、クラスタ ネットワーク スイッチ、ストレージ ネットワーク スイッチ、および管理ネットワーク スイッチを自動検出するためにクラスタ スイッチ ヘルスモニタでも使用されます。 |
CDPを使用する場合の考慮事項
デフォルトでは、CDP対応デバイスはCDPv2通知を送信します。CDP対応デバイスは、CDPv1通知を受信した場合にのみ、CDPv1通知を送信します。ONTAPはCDPv1のみをサポートします。したがって、ONTAPノードがCDPv1通知を送信すると、CDP対応の近隣デバイスがCDPv1通知を返します。
ノードでCDPを有効にする前に、次のことを考慮してください。
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CDPはすべてのポートでサポートされます。
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CDP通知は、up状態のポートから送受信されます。
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CDP通知を送信および受信するために、送信デバイスおよび受信デバイスの両方でCDPを有効にする必要があります。
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CDP通知は一定間隔で送信され、送信間隔は設定可能です。
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LIFのIPアドレスが変更されると、ノードは更新された情報を次のCDP通知で送信します。
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ONTAP 9.10.1以前:
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CDPはクラスタ ポートで常に有効になります。
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非クラスタ ポートでは、CDPはデフォルトで無効になります。
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ONTAP 9.11.1以降:
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CDPはクラスタ ポートとストレージ ポートで常に有効になります。
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非クラスタ ポートと非ストレージ ポートでは、CDPはデフォルトで無効になります。
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ノードでLIFが変更された場合、スイッチなどの受信デバイス側でCDP情報が更新されないことがあります。このような問題が発生した場合は、ノードのネットワーク インターフェイスをいったんdown状態にしてから、up状態に設定してください。 |
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CDP通知で送信されるのはIPv4アドレスのみです。
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VLANが設定されている物理ネットワーク ポートの場合、VLANに設定されているすべてのLIFが通知されます。
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インターフェイス グループの一部となっている物理ポートの場合、そのインターフェイス グループに設定されているすべてのIPアドレスが、各物理ポートで通知されます。
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VLANをホストするインターフェイス グループの場合、インターフェイス グループおよびVLANに設定されているすべてのLIFが各ネットワーク ポートで通知されます。
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CDPパケットの最大サイズは1500バイトであるため、多数のLIFが設定されたポートについては、
一部のIPアドレスしか隣接するスイッチで報告されない可能性があります。
CDPの有効化または無効化
CDP対応の近隣デバイスを検出して通知を送信するには、クラスタの各ノードでCDPが有効になっている必要があります。
ONTAP 9.10.1以前では、CDPはデフォルトでノードのすべてのクラスタ ポートで有効に、非クラスタ ポートで無効になります。
ONTAP 9.11.1以降では、CDPはデフォルトでノードのすべてのクラスタ ポートとストレージ ポートで有効に、非クラスタ ポートと非ストレージ ポートで無効になります。
cdpd.enable
オプションで、ノードのポートでCDPを有効にするか無効にするかを制御します。
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ONTAP 9.10.1以前では、onにすると、非クラスタ ポートでCDPが有効になります。
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ONTAP 9.11.1以降では、onにすると、非クラスタ ポートと非ストレージ ポートでCDPが有効になります。
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ONTAP 9.10.1以前では、offにすると、非クラスタ ポートでCDPが無効になります。クラスタ ポートのCDPを無効にすることはできません。
-
ONTAP 9.11.1以降では、offにすると、非クラスタ ポートと非ストレージ ポートでCDPが無効になります。クラスタ ポートのCDPを無効にすることはできません。
CDP対応デバイスに接続されているポートでCDPを無効にすると、ネットワーク トラフィックが最適化されない可能性があります。
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードの、現在のCDP設定を表示します。
CDP設定を表示する対象
入力するコマンド
1つのノード
run - node <node_name> options cdpd.enable
クラスタ内のすべてのノード
options cdpd.enable
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードで、全ポートのCDPを有効または無効に設定します。
CDPを有効または無効にする対象
入力するコマンド
1つのノード
run -node node_name options cdpd.enable {on or off}
クラスタ内のすべてのノード
options cdpd.enable {on or off}
CDP近隣情報の表示
クラスタのノードのポートにCDP対応デバイスが接続されている場合は、そのポートの近隣デバイスの情報を表示することができます。近隣情報を表示するには、network device-discovery show -protocol cdp
コマンドを使用します。
ONTAP 9.10.1以前の場合、クラスタ ポートではCDPが常に有効になっているため、これらのポートのCDP近隣情報は常に表示されます。非クラスタ ポートの近隣情報を表示するには、これらのポートでCDPを有効にする必要があります。
ONTAP 9.11.1以降の場合、クラスタ ポートとストレージ ポートではCDPが常に有効になっているので、これらのポートのCDP近隣情報は常に表示されます。非クラスタ ポートと非ストレージ ポートの近隣情報を表示するには、これらのポートでCDPを有効にする必要があります。
クラスタ内のノードのポートに接続されているすべてのCDP対応デバイスの情報を表示します。
network device-discovery show -node node -protocol cdp
次のコマンドは、ノードsti2650-212のポートに接続されている近隣デバイスの情報を表示します。
network device-discovery show -node sti2650-212 -protocol cdp Node/ Local Discovered Protocol Port Device (LLDP: ChassisID) Interface Platform ----------- ------ ------------------------- ---------------- ---------------- sti2650-212/cdp e0M RTP-LF810-510K37.gdl.eng.fujitsu.com(SAL1942R8JS) Ethernet1/14 N9K-C93120TX e0a CS:RTP-CS01-510K35 0/8 CN1610 e0b CS:RTP-CS01-510K36 0/8 CN1610 e0c RTP-LF350-510K34.gdl.eng.fujitsu.com(FDO21521S76) Ethernet1/21 N9K-C93180YC-FX e0d RTP-LF349-510K33.gdl.eng.fujitsu.com(FDO21521S4T) Ethernet1/22 N9K-C93180YC-FX e0e RTP-LF349-510K33.gdl.eng.fujitsu.com(FDO21521S4T) Ethernet1/23 N9K-C93180YC-FX e0f RTP-LF349-510K33.gdl.eng.fujitsu.com(FDO21521S4T) Ethernet1/24 N9K-C93180YC-FX
このコマンドの出力には、指定したノードの各ポートに接続されているCiscoデバイスが一覧表示されます。
CDPメッセージの保持時間の設定
保持時間は、CDP通知がCDP対応の近隣デバイスのキャッシュに格納される時間です。保持時間は各CDPv1パケットで通知され、ノードがCDPv1パケットを受信するたびに更新されます。
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cdpd.holdtime
オプションの値はHAペアの両方のノードで同じに設定する必要があります。 -
デフォルトの保持時間は180ですが、10~255秒の値を入力できます。
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保持時間が切れる前にIPアドレスが削除された場合、CDP情報は保持時間が切れるまでキャッシュされます。
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードの、CDPメッセージの現在の保持時間を表示します。
保持時間を表示する対象
入力するコマンド
1つのノード
run -node node_name options cdpd.holdtime
クラスタ内のすべてのノード
options cdpd.holdtime
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードで、全ポートのCDP通知の保持時間を設定します。
保持時間を設定する対象
入力するコマンド
1つのノード
run -node node_name options cdpd.holdtime holdtime
クラスタ内のすべてのノード
options cdpd.holdtime holdtime
CDP通知の送信間隔の設定
CDP通知は、一定の間隔でCDP近隣機器に送信されます。ネットワーク トラフィックの量やネットワーク トポロジーの変化に応じて、CDP通知の送信間隔を調節することができます。
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cdpd.interval
オプションの値はHAペアの両方のノードで同じに設定する必要があります。 -
デフォルトの送信間隔は60秒ですが、5~900秒の値を入力できます。
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードについて、CDP通知の現在の送信間隔を表示します。
送信間隔を表示する対象
入力するコマンド
1つのノード
run -node node_name options cdpd.interval
クラスタ内のすべてのノード
options cdpd.interval
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードで、全ポートのCDP通知の送信間隔を設定します。
送信間隔を設定する対象
入力するコマンド
1つのノード
run -node node_name options cdpd.interval interval
クラスタ内のすべてのノード
options cdpd.interval interval
CDP統計情報の表示と消去
ネットワーク接続で発生する可能性のある問題を見つけるために、各ノードのクラスタ ポートと非クラスタ ポートのCDP統計情報を確認できます。CDP統計情報は、前回消去されたときからの累積値です。
ONTAP 9.10.1以前の場合、ポートでCDPが常に有効になっているので、これらのポートのトラフィックに関するCDP統計情報は常に表示されます。ポートのCDP統計情報を表示するには、ポートでCDPを有効にする必要があります。
ONTAP 9.11.1以降の場合、クラスタ ポートとストレージ ポートではCDPが常に有効になっているので、これらのポートのトラフィックに関するCDP統計情報は常に表示されます。非クラスタ ポートと非ストレージ ポートのCDP統計情報を表示するには、これらのポートでCDPを有効にする必要があります。
ノードのすべてのポートに関する現在のCDP統計情報を表示、または消去します。
状況 |
入力するコマンド |
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CDP統計情報を表示する |
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CDP統計情報を消去する |
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統計情報の表示と消去の例
次のコマンドは、消去する前のCDP統計情報の例を示します。前回統計情報が消去されてから、送信および受信したパケットの総数が出力されています。
run -node node1 cdpd show-stats RECEIVE Packets: 9116 | Csum Errors: 0 | Unsupported Vers: 4561 Invalid length: 0 | Malformed: 0 | Mem alloc fails: 0 Missing TLVs: 0 | Cache overflow: 0 | Other errors: 0 TRANSMIT Packets: 4557 | Xmit fails: 0 | No hostname: 0 Packet truncated: 0 | Mem alloc fails: 0 | Other errors: 0 OTHER Init failures: 0
次のコマンドは、CDP統計情報を消去します。
run -node node1 cdpd zero-stats
run -node node1 cdpd show-stats RECEIVE Packets: 0 | Csum Errors: 0 | Unsupported Vers: 0 Invalid length: 0 | Malformed: 0 | Mem alloc fails: 0 Missing TLVs: 0 | Cache overflow: 0 | Other errors: 0 TRANSMIT Packets: 0 | Xmit fails: 0 | No hostname: 0 Packet truncated: 0 | Mem alloc fails: 0 | Other errors: 0 OTHER Init failures: 0
統計情報を消去すると、次にCDP通知が送信または受信された時点から情報が累積されていきます。
LLDPを使用したネットワーク接続の検出
LLDPを使用したネットワーク接続の検出は、以下で構成されています。
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導入に関する考慮事項の確認
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全ポートでのLLDPの有効化
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近隣デバイスの表示
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LLDPの設定値の調整(必要な場合)
近隣デバイスに関する情報を表示するには、スイッチとルーターでもLLDPを有効にする必要があります。
現時点では、ONTAPは次のType-Length-Value構造(TLV)を報告します。
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シャーシID
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ポートID
-
Time-To-Live(TTL)
-
システム名
システム名TLVは、CNAデバイスでは送信されません。
X1143アダプターやUTA2オンボード ポートなどの特定の統合ネットワーク アダプター(CNA)にはLLDPのオフロード サポートが含まれています。
-
LLDPのオフロードは、Data Center Bridging(DCB)に使用されます。
-
表示される情報がクラスタとスイッチの間で異なる場合があります。
スイッチで表示されるシャーシIDとポートIDのデータは、CNAポートとCNA以外のポートで異なる場合があります。
次に例を示します。
-
CNA以外のポート:
-
シャーシIDは、ノードのいずれかのポートにおける固定MACアドレスです。
-
ポートIDは、ノードの対応するポートのポート名です。
-
-
CNAポート:
-
シャーシIDとポートIDは、ノードの対応するポートのMACアドレスです。
-
ただし、クラスタではこれらのポート タイプについて同じデータが表示されます。
LLDPの仕様では、SNMP MIBによる、収集された情報へのアクセスを定義します。ただし、現時点では、ONTAPはLLDP MIBをサポートしていません。 |
LLDPの有効化または無効化
LLDP対応の近隣デバイスを検出して通知を送信するには、クラスタの各ノードでLLDPが有効になっている必要があります。ノードのすべてのポートでLLDPがデフォルトで有効になります。
ONTAP 9.10.1以前では、lldp.enable
オプションで、ノードのポートでLLDPを有効にするか無効にするかを制御します。
-
on
にすると、すべてのポートでLLDPが有効になります。 -
off
にすると、すべてのポートでLLDPが無効になります。
ONTAP 9.11.1以降では、lldp.enable
オプションで、ノードの非クラスタ ポートと非ストレージ ポートでLLDPを有効にするか無効にするかを制御します。
-
on
にすると、すべての非クラスタ ポートと非ストレージ ポートでLLDPが有効になります。 -
off
にすると、すべての非クラスタ ポートと非ストレージ ポートでLLDPが無効になります。
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードの、現在のLLDP設定を表示します。
-
1つのノード:
run -node node_name options lldp.enable
-
すべてのノード:
options lldp.enable
-
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードで、全ポートのLLDPを有効または無効に設定します。
LLDPを有効または無効にする対象
入力するコマンド
1つのノード
run -node node_name options lldp.enable {on|off}
クラスタ内のすべてのノード
options lldp.enable {on|off}
-
1つのノード:
run -node node_name options lldp.enable {on|off}
-
すべてのノード:
options lldp.enable {on|off}
-
LLDP近隣情報の表示
クラスタのノードのポートにLLDP対応デバイスが接続されている場合は、そのポートの近隣デバイスの情報を表示することができます。近隣情報を表示するには、network device-discovery showコマンドを使用します。
-
クラスタ内のノードのポートに接続されているすべてのLLDP対応デバイスの情報を表示します。
network device-discovery show -node node -protocol lldp
次のコマンドは、ノードcluster-1_01のポートに接続されている近隣デバイスの情報を表示します。このコマンドの出力には、指定したノードの各ポートに接続されているLLDP対応デバイスが一覧表示されます。
-protocol
オプションを省略すると、CDP対応デバイスも出力に表示されます。network device-discovery show -node cluster-1_01 -protocol lldp Node/ Local Discovered Protocol Port Device Interface Platform ----------- ------ ------------------------- ---------------- ---------------- cluster-1_01/lldp e2a 0013.c31e.5c60 GigabitEthernet1/36 e2b 0013.c31e.5c60 GigabitEthernet1/35 e2c 0013.c31e.5c60 GigabitEthernet1/34 e2d 0013.c31e.5c60 GigabitEthernet1/33
LLDP通知の送信間隔の調整
LLDP通知は、一定の間隔でLLDP近隣機器に送信されます。ネットワーク トラフィックの量やネットワーク トポロジーの変化に応じて、LLDP通知の送信間隔を調整することができます。
IEEEが推奨するデフォルトの送信間隔は30秒ですが、5~300秒の値を入力できます。
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードについて、LLDP通知の現在の送信間隔を表示します。
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1つのノード:
run -node <node_name> options lldp.xmit.interval
-
すべてのノード:
options lldp.xmit.interval
-
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードで、全ポートのLLDP通知の送信間隔を調整します。
-
1つのノード:
run -node <node_name> options lldp.xmit.interval <interval>
-
すべてのノード:
options lldp.xmit.interval <interval>
-
LLDP通知のTime-To-Live値の調整
Time-To-Live(TTL)とは、LLDP通知がLLDP対応の近隣デバイスのキャッシュに格納される時間です。TTLは各LLDPパケットで通知され、ノードがLLDPパケットを受信するたびに更新されます。発信LLDPフレームでTTLを変更できます。
-
TTLは計算値であり、送信間隔(
lldp.xmit.interval
)と保持の乗数(lldp.xmit.hold
)の積に1を加算したものです。 -
デフォルトの保持の乗数値は4ですが、1~100の値を入力できます。
-
IEEEが推奨するデフォルトのTTLは121秒ですが、送信間隔と保持の乗数の値を調整することにより、発信フレームの値を6~30001秒に指定できます。
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TTLが期限切れになる前にIPアドレスが削除された場合、LLDP情報はTTLが期限切れになるまでキャッシュされます。
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クラスタ内の1つまたはすべてのノードの現在の保持乗数値を表示します。
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1つのノード:
run -node <node_name> options lldp.xmit.hold
-
すべてのノード:
options lldp.xmit.hold
-
-
クラスタ内の1つまたはすべてのノードで、全ポートの保持乗数値を調整します。
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1つのノード:
run -node <node_name> options lldp.xmit.hold <hold_value>
-
すべてのノード:
options lldp.xmit.hold <hold_value>
-
LLDP統計情報の表示と消去
ネットワーク接続で発生する可能性のある問題を見つけるために、各ノードのクラスタ ポートと非クラスタ ポートのLLDP統計情報を確認できます。LLDP統計情報は、前回消去されたときからの累積値です。
ONTAP 9.10.1以前の場合、クラスタ ポートではLLDPが常に有効になっているので、これらのポートのトラフィックに関するLLDP統計情報は常に表示されます。非クラスタ ポートのLLDP統計情報を表示するには、これらのポートでCDPを有効にする必要があります。
ONTAP 9.11.1以降の場合、クラスタ ポートとストレージ ポートではLLDPが常に有効になっているので、これらのポートのトラフィックに関するLLDP統計情報は常に表示されます。非クラスタ ポートと非ストレージ ポートのLLDP統計情報を表示するには、これらのポートでLLDPを有効にする必要があります。
ノードのすべてのポートに関する現在のLLDP統計情報を表示、または消去します。
状況 |
入力するコマンド |
---|---|
LLDP統計情報を表示する |
|
LLDP統計情報を消去する |
|
統計情報の表示と消去の例
次のコマンドは、消去する前のLLDP統計情報の例を示します。前回統計情報が消去されてから、送信および受信したパケットの総数が出力されています。
cluster-1::> run -node vsim1 lldp stats RECEIVE Total frames: 190k | Accepted frames: 190k | Total drops: 0 TRANSMIT Total frames: 5195 | Total failures: 0 OTHER Stored entries: 64
次のコマンドは、LLDP統計情報を消去します。
cluster-1::> The following command clears the LLDP statistics: run -node vsim1 lldp stats -z run -node node1 lldp stats RECEIVE Total frames: 0 | Accepted frames: 0 | Total drops: 0 TRANSMIT Total frames: 0 | Total failures: 0 OTHER Stored entries: 64
統計情報を消去すると、次にLLDP通知が送信または受信された時点から情報が累積されていきます。