エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

SnapMirror Synchronousディザスタ リカバリーの基本

16GB以上のメモリーを搭載したすべてのETERNUS HX seriesとETERNUS AX/AC seriesでSnapMirror Synchronous(SM-S)テクノロジがサポートされます。SnapMirror Synchronousテクノロジはノード単位でライセンスされる機能で、ボリューム レベルの同期データ レプリケーションを提供します。

この機能を使用すると、データ損失ゼロが求められる金融や医療などの業種で、同期レプリケーションに関する規制や国の規定に対応できます。

許可されるSnapMirror Synchronousの処理

SnapMirror SynchronousレプリケーションのHAペアあたりの最大処理数は、コントローラーのモデルによって異なります。

次の表は、1つのHAペアで許可されるSnapMirror Synchronous処理の最大数をプラットフォーム タイプとONTAPのリリース別に示しています。

プラットフォーム

ONTAP 9.9.1よりも前のリリース

ONTAP 9.9.1

ONTAP 9.10.1

ONTAP 9.11.1~ONTAP 9.14.1

ETERNUS AX/AC

80

160

200

400

ASA

80

160

200

400

ETERNUS HX

40

80

80

80

サポートされる機能

次の表に、SnapMirror Synchronousでサポートされる機能と、サポートが提供されるONTAPリリースを示します。

機能

最初のサポート対象リリース

追加情報

SnapMirror Synchronous関係のプライマリーボリュームに対するウィルス対策

ONTAP 9.7

アプリケーションで作成されたSnapshotコピーのレプリケーション

ONTAP 9.7

CLIまたはONTAP APIを使用してsnapshot create処理の実行時に適切なラベルでSnapshotコピーがタグ付けされている場合、SnapMirror Synchronousはアプリケーションを休止したあとにSnapshotコピー(ユーザーが作成したコピーと外部スクリプトで作成されたコピーの両方)をレプリケートします。Snapshotポリシーのスケジュールを使用して作成されたSnapshotコピーはレプリケートされません。

クローンの自動削除

ONTAP 9.7

階層化ポリシーが「none」、「Snapshot」、または「auto」のFabricPoolアグリゲートは、SnapMirror Synchronousのソースとデスティネーションでサポートされます。

ONTAP 9.7

FabricPool アグリゲートのデスティネーションボリュームを「すべて」の階層化ポリシーに設定することはできません。

FC

ONTAP 9.7

レイテンシが10ミリ秒を超えないすべてのネットワーク

FC-NVMe

ONTAP 9.7

ファイルのクローン

ONTAP 9.7

SnapMirror Synchronous関係のプライマリーボリュームに対するFPolicy

ONTAP 9.7

SnapMirror Synchronous関係のプライマリーボリュームに対するハードクォータとソフトクォータ

ONTAP 9.7

クォータルールはデスティネーションにレプリケートされないため、クォータデータベースはデスティネーションにレプリケートされません。

クラスタ内同期関係

ONTAP 9.14.1

高可用性は、ソース ボリュームとデスティネーション ボリュームが別々のHAペアに配置されている場合に提供されます。
クラスタ全体が停止すると、クラスタがリカバリーされるまでボリュームにアクセスできなくなります。
クラスタ内SnapMirror同期関係は、HAペアあたりの同時関係数の全体的な上限に影響します。

iSCSI

ONTAP 9.7

LUNクローンとNVMeネームスペース クローン

ONTAP 9.7

アプリケーションで作成されたSnapshotコピーに基づくLUNクローン

ONTAP 9.7

混在プロトコルアクセス(NFS v3とSMB)

ONTAP 9.7

NDMP / NDMPのリストア

ONTAP 9.13.1

SnapMirror SynchronousでNDMPを使用するには、ソース クラスタとデスティネーション クラスタの両方でONTAP 9.13.1以降が実行されている必要があります。詳細については、「NDMPコピーを使用したデータの転送」を参照してください。

ETERNUS AX/AC/HX series、ASAプラットフォームでのみ実行できる無停止のSnapMirror Synchronous処理(NDO)。

ONTAP 9.12.1

ノンストップ オペレーションがサポートされることで、ダウンタイムを予定することなく多くの代表的なメンテナンス作業を実行できます。サポートされる処理にはテイクオーバーとギブバック、およびボリューム移動があり、2つのクラスタ間で1つのノードが稼働しているかぎりこれらの処理を実行できます。

NFS v4.2

ONTAP 9.10.1

NFS v4.3

ONTAP 9.7

NFS v4.0

ONTAP 9.7

NFS v4.1

ONTAP 9.7

NVMe/TCP

9.10.1

メタデータ処理頻度の上限の削除

ONTAP 9.7

TLS 1.2 暗号化を使用した機密データ転送時のセキュリティ

ONTAP 9.7

単一ファイルのリストアとファイルの部分リストア

ONTAP 9.13.1

SMB 2.0以降

ONTAP 9.7

SnapMirror Synchronousミラー-ミラーカスケード

ONTAP 9.7

SnapMirror Synchronous関係のデスティネーションボリュームからの関係は、SnapMirror非同期関係である必要があります。

SVM ディザスタリカバリー

ONTAP 9.7

* SnapMirror Synchronousソースは、SVMディザスタリカバリーソースにすることもできます。たとえば、SnapMirror Synchronousを一方のレッグとして、SVMディザスタリカバリーをもう一方のレッグとして使用するファンアウト構成などです。* SnapMirror Synchronousはデータ保護ソースのカスケードをサポートしていないため、SnapMirror SynchronousソースをSVMディザスタリカバリーデスティネーションにすることはできません。デスティネーションクラスタでSVMディザスタリカバリーのフリップ再同期を実行する前に、同期関係を解放する必要があります。* SVMディザスタリカバリーではDPボリュームのレプリケーションがサポートされないため、SnapMirror SynchronousデスティネーションをSVMディザスタリカバリーソースにすることはできません。同期ソースの逆再同期を実行すると、SVMディザスタリカバリーでデスティネーションクラスタのDPボリュームが除外されます。

ソース ボリュームへのテープベースのリストア

ONTAP 9.13.1

NAS のソースボリュームとデスティネーションボリュームの間のタイムスタンプパリティ

ONTAP 9.7

ソースボリューム内の既存のファイルのタイムスタンプは同期されません。

サポートされない機能

Synchronous SnapMirror関係では、次の機能はサポートされません。

  • 整合性グループ

  • DP_Optimized(DPO)システム

  • FlexGroupボリューム

  • FlexCacheボリューム

  • グローバル スロットル

  • ファンアウト構成で確立できるSnapMirror Synchronous関係は1つだけで、ソース ボリュームからの残りの関係はすべて非同期SnapMirror関係にする必要がある。

  • LUNの移動

  • MetroCluster構成

  • SANアクセスとNVMeアクセスの混在
    LUNとNVMeネームスペースを同じボリュームまたはSVMで使用することはできません。

  • SnapCenter

  • SnapLockボリューム

  • Snapshotコピーの改ざん防止

  • デスティネーション ボリュームでのダンプおよびSMTapeを使用したテープ バックアップまたはリストア

  • ソース ボリュームのしきい値の下限(最小QoS)

  • ボリュームのSnapRestore

  • VVol

動作モード

SnapMirror Synchronousには、使用するSnapMirrorポリシーに基づいて2つの動作モードがあります。

  • Syncモード
    Syncモードでは、アプリケーションのI/O処理がプライマリー ストレージ システムとセカンダリー ストレージ システムに
    並行して送信されます。何らかの理由でセカンダリー ストレージへの書き込みが完了しない場合、アプリケーションはプライマリー ストレージへの書き込みを継続できます。エラー状態が解消されると自動的にセカンダリー ストレージが再同期され、プライマリー ストレージからセカンダリー ストレージへの同期モードでのレプリケーションが再開されます。
    Syncモードでは、セカンダリー レプリケーションに失敗しないかぎり、RPO=0と非常に低いRTOを実現できます。セカンダリー レプリケーションに失敗した場合のRPOとRTOは、正確には予測できませんが、失敗の原因となった問題の解決に要する時間と再同期が完了するまでの時間に相当します。

  • StrictSyncモード
    SnapMirror Synchronousは、必要に応じてStrictSyncモードで実行できます。何らかの理由でセカンダリー ストレージへの書き込みが完了しない場合、アプリケーションI/Oが中断され、プライマリー ストレージとセカンダリー ストレージが同一に保たれます。プライマリーへのアプリケーションI/Oは、SnapMirror関係のステータスがInSyncに戻るまで再開されません。プライマリー ストレージで障害が発生した場合は、フェイルオーバー後にセカンダリー ストレージでアプリケーションI/Oを再開できます。この場合、データ損失は発生しません。
    StrictSyncモードのRPOは常にゼロで、RTOも非常に低く抑えられます。

関係のステータス

SnapMirror Synchronous関係のステータスは、通常の動作時は常にInSyncです。何らかの理由でSnapMirror転送に失敗すると、デスティネーションがソースと同期されていない状態になり、ステータスがOutofSyncになることがあります。

SnapMirror Synchronous関係については、一定の間隔で自動的にステータス(InSyncまたはOutofSync)がチェックされます。関係のステータスがOutofSyncになると、ONTAPは自動的に再同期プロセスを開始してInSyncステータスに戻します。再同期プロセスが実行されるのは、ソースまたはデスティネーションでの計画外のストレージ フェイルオーバーやネットワークの停止などによって転送に失敗した場合のみです。snapmirror quiescesnapmirror breakなどの処理をユーザーが開始した場合は、自動再同期は実行されません。

StrictSyncモードでは、SnapMirror Synchronous関係のステータスがOutofSyncになると、プライマリー ボリュームへのI/O処理がすべて停止します。Syncモードでは、SnapMirror Synchronous関係がOutofSync状態になってもプライマリーは停止せず、I/O処理が継続されます。

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