エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9.14

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NFSトランキングの概要

ONTAP 9.14.1以降では、NFSv4.1クライアントでセッション トランキングを利用してNFSサーバー上の異なるLIFへの複数の接続を確立できます。これにより、データ転送速度が向上し、マルチパスにより耐障害性が強化されます。

トランキングは、FlexVolボリュームをトランキング対応のクライアント(特にVMwareクライアントやLinuxクライアント)にエクスポートする場合や、NFS over RDMA、TCP、pNFSで便利な機能です。

ONTAP 9.14.1では、トランキングは単一ノード上のLIFに制限されます。複数のノードにわたるLIFを対象にしたトランキングはできません。

FlexGroupボリュームでは、トランキングがサポートされています。トランキングによるパフォーマンス向上は可能ですが、FlexGroupボリュームへのマルチパス アクセスは単一のノードにしか設定できません。

このリリースのマルチパスでサポートされるのは、セッション トランキングのみです。

トランキングの使用方法

トランキングによるマルチパスのメリットを享受するには、トランキング対応NFSサーバーが含まれるSVMに関連付けられたLIFのセット(トランキンググループ と呼ばれます)が必要です。トランキンググループ内のLIFは、クラスタの同じノードにホームポートがあり、それらのホームポートに配置されている必要があります。トランキンググループ内のすべてのLIFを、同じフェイルオーバーグループのメンバーにすることが推奨されます。

ONTAPでは、1つのクライアントからノードあたり最大16のトランク接続がサポートされます。

クライアントでトランキング対応サーバーからのエクスポートをマウントする場合は、トランキンググループ内のLIFのIPアドレスの数を指定します。クライアントが1つ目のLIFに接続したあとで追加されたLIFは、NFSv4.1セッションのみに追加され、トランキンググループの要件を満たしていればトランキングに使用されます。クライアントでは、独自のアルゴリズム(ラウンドロビンなど)に基づいて、NFS処理が複数の接続に分散されます。

最大限のパフォーマンスを引き出すには、シングルパスエクスポートではなく、マルチパスエクスポート専用のSVMにトランキングを設定します。つまり、トランキング対応クライアントのみにエクスポートを提供しているSVM内のNFSサーバーのみでトランキングを有効にします。

サポート対象のクライアント

ONTAP NFSv4.1サーバーでは、NFSv4.1セッショントランキングを実行できる任意のクライアントとのトランキングがサポートされます。

次のクライアントは、ONTAP 9.14.1でテスト済みです。

  • VMware - ESXi 7.0U3F以降

  • Linux - Red Hat Enterprise Linux(RHEL)8.8および9.3

NFSサーバーでトランキングを有効にしている場合、トランキングをサポートしていないNFSクライアントでエクスポートされた共有にアクセスすると、パフォーマンスが低下することがあります。これは、SVMデータLIFへの複数のマウントに使用されるTCP接続が1つしかないためです。

NFSトランキングとnconnectの違い

ONTAP 9.8以降、NFSv4.1が有効になっている場合はデフォルトでnconnect機能を使用できます。nconnect対応クライアントでは、1つのNFSマウントで1つのLIFを介して複数(最大16)のTCP接続を確立できます。

これに対して、トランキングは マルチパス 機能であり、複数のLIFを介して複数のTCP接続を確立します。環境にNICを追加できる場合は、トランキングによってnconnectの機能で得られるよりも大きな並列処理能力とパフォーマンスを引き出せます。

nconnectの詳細については、こちらをご覧ください。

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