ONTAP 9.13

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概要

クラスタをセットアップする前に、クラスタのネットワーク コンポーネントについて理解しておく必要があります。クラスタの物理ネットワーク コンポーネントを論理コンポーネントに設定することで、ONTAPの持つ柔軟性とマルチテナンシー機能を活かせます。

次に、クラスタのさまざまなネットワーク コンポーネントについて説明します。

  • 物理ポート

    ネットワーク インターフェイス カード(NIC)とホスト バス アダプター(HBA)は、各ノードから物理ネットワーク(管理ネットワークとデータ ネットワーク)への物理接続(イーサネットおよびFibre Channel)を提供します。

  • 論理ポート

    論理ポートは仮想ローカル エリア ネットワーク(VLAN)とインターフェイス グループで構成されます。インターフェイス グループは複数の物理ポートを1つのポートとして扱い、VLANは1つの物理ポートを複数の異なるポートに分割します。

  • IPspace

    IPspaceを使用すると、クラスタ内のSVMごとに個別のIPアドレス スペースを作成できます。これにより、管理上分離されたネットワーク ドメインのクライアントが、IPアドレスの同じサブネット範囲内の重複したIPアドレスを使用してクラスタのデータにアクセスできるようになります。

  • ブロードキャスト ドメイン

    ブロードキャスト ドメインはIPspace内に存在し、同じレイヤー2ネットワークに属する、クラスタ内の多数のノードからのネットワーク ポート グループを含んでいます。このグループのポートは、SVMでデータ トラフィック用に使用されます。

  • サブネット

    サブネットはブロードキャスト ドメイン内に作成され、同じレイヤー3サブネットに属するIPアドレスのプールを含んでいます。このIPアドレス プールにより、LIF作成時にIPアドレスが簡単に割り当てられるようになります。

  • 論理インターフェイス

    論理インターフェイス(LIF)は、ポートに関連付けられたIPアドレスまたはワールドワイド ポート名(WWPN)です。フェイルオーバー グループ、フェイルオーバー ルール、ファイアウォール ルールなどの属性があります。LIFは、現在バインドされているポート(物理または論理)からネットワーク経由で通信します。

    クラスタ内のLIFのタイプには、データLIF、クラスタ対象管理LIF、ノード対象管理LIF、クラスタ間LIF、クラスタLIFがあります。LIFの所有権は、LIFを実装するSVMによって異なります。データLIFはデータSVMによって、ノード対象管理LIF、クラスタ対象管理LIF、およびクラスタ間LIFは管理SVMによって、クラスタLIFはクラスタSVMによって所有されます。

  • DNSゾーン

    DNSゾーンはLIFの作成時に指定でき、クラスタのDNSサーバー経由でエクスポートされるLIFの名前を提供します。複数のLIFで同じ名前を共有できるため、DNSロード バランシング機能を使用し、その名前のIPアドレスを負荷に従って分散させることができます。

    SVMには、複数のDNSゾーンを設定できます。

  • ルーティング

    それぞれのSVMは、ネットワーク上で完全な機能を持つ独立した存在です。SVMは、LIFおよび設定済みの外部サーバーに到達可能なルートを持っています。

    次の図は、4ノード クラスタにおける各種ネットワーク コンポーネントの関係を示しています。

4ノード クラスタの図

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