エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9.14

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FlexGroupボリュームでのクォータの使用

ONTAP 9.7以降では、FlexGroupボリュームに対するクォータ ルールに制限を適用できます。

タスク概要
  • FlexGroupボリュームにハードリミット、ソフト リミット、しきい値制限の各クォータを指定できます。

    これらの制限を指定して、特定のユーザー / グループ / qtreeが使用 / 作成できるスペースの量、ファイル数、あるいはその両方を制限できます。クォータ制限を指定すると、以下の各状況で警告メッセージが生成されます。

    • 使用量が設定されているソフト リミットを超えた場合、警告メッセージが表示されますが、後続のトラフィックは引き続き許可されます。

      その後使用量がソフト リミットを再び下回ると、解決済みのメッセージが表示されます。

    • 使用量が設定されているしきい値制限を超えた場合、2つ目の警告メッセージが表示されます。

      その後使用量がしきい値制限を下回っても、解決済みのメッセージは表示されません。

    • 使用量が設定されているハードリミットに達した場合、トラフィックが拒否されて、それ以降はリソースを消費できなくなります。

  • ONTAP 9.7では、SnapMirror関係のデスティネーションFlexGroupボリュームでクォータ ルールを作成またはアクティブ化することができません。

  • クォータの初期化中はクォータは適用されず、クォータの初期化後に超過したクォータに関する通知が生成されることはありません。

    クォータの初期化中にクォータが超過したかどうかを確認するには、volume quota report コマンドを使用します。

クォータのターゲットとタイプ

クォータにはユーザー、グループ、またはqtreeの3種類のタイプがあります。クォータターゲットは、クォータ制限が適用されるユーザー、グループ、またはqtreeを指定します。

次の表に、クォータターゲットの種類、各クォータターゲットに関連付けられているクォータのタイプ、および各クォータターゲットの指定方法を示します。

クォータターゲット

クォータ タイプ

ターゲットの指定方法

メモ

ユーザー

ユーザークォータ

UNIXユーザー名 UNIX UID

Windows 2000より前の形式のWindowsユーザー名

Windows SID

ユーザークォータは、特定のボリュームまたはqtreeに適用できます

グループ

グループクォータ

UNIXグループ名 UNIX GID

グループクォータは、特定のボリュームまたはqtreeに適用できます

グループクォータの適用にWindows IDは使用されません。

qtree

ツリークォータ

qtree名

ツリークォータは特定のボリュームに適用され、他のボリューム内のqtreeには影響しません

""

ユーザークォータ

グループクォータ

ツリークォータ

二重引用符("")

""と表示されたクォータターゲットは、デフォルト クォータ です。デフォルト クォータについては、クォータのタイプはtypeフィールドの値によって決まります

クォータ制限を超えたときのFlexGroupボリュームの動作

FlexGroupボリュームでクォータ制限がサポートされます。FlexGroupボリュームとFlexVolでは、クォータ制限の適用方法にいくつかの違いがあります。

クォータ制限を超えたときのFlexGroupボリュームの動作は次のとおりです。

  • FlexGroupボリュームのスペースとファイルの使用量が設定されているハードリミットを最大で5%上回っても、クォータ制限が適用されず、後続のトラフィックが拒否されない場合があります。

    ONTAPでは、最大のパフォーマンスを実現するために、スペース消費量が設定されているハードリミットをわずかに超えてもクォータが適用されないことがあります。この超過分のスペース消費量は、設定されているハードリミット(1GBまたは65,536個のファイルのいずれか小さい方)の5%より多くなることはありません。

  • クォータ制限に達したあとにユーザーまたは管理者が一部のファイルやディレクトリーを削除してクォータ使用量が制限を下回ると、クォータを消費する後続のファイル処理が遅れて再開されます(再開までの時間は5秒以内)。

  • FlexGroupボリュームのスペースとファイルの合計使用量が設定されているクォータ制限を超えた場合、イベント ログ メッセージのロギングがわずかに遅れることがあります。

  • FlexGroupボリュームの一部の構成がいっぱいになった場合は、クォータ制限に達していなくても「スペース不足」エラーが発生することがあります。

  • クォータのハードリミットが設定されているクォータターゲットで、ファイル / ディレクトリーの名前変更やqtree間のファイル移動などの処理を実行すると、FlexVolで同様の処理を実行する場合に比べて時間がかかることがあります。

FlexGroupボリュームに対するクォータの適用例

以下の各例では、ONTAP 9.7以降で制限が指定されたクォータを設定する方法を説明します。

例1:ドライブ制限を指定してクォータ ルールを適用する
  1. user タイプのクォータ ポリシー ルールを作成し、現実的な値のドライブのソフト リミットとハードリミットを指定します。

    cluster1::> volume quota policy rule create -vserver vs0 -policy-name default -volume FG -type user -target "" -qtree "" -disk-limit 1T -soft-disk-limit 800G
  2. クォータ ポリシー ルールを確認します。

    cluster1::> volume quota policy rule show -vserver vs0 -policy-name default -volume FG
    
    Vserver: vs0               Policy: default           Volume: FG
    
                                                   Soft             Soft
                             User         Disk     Disk   Files    Files
    Type   Target    Qtree   Mapping     Limit    Limit   Limit    Limit  Threshold
    -----  --------  ------- -------  --------  -------  ------  -------  ---------
    user   ""        ""      off           1TB    800GB       -        -          -
  3. 新しいクォータ ルールをアクティブ化するには、ボリュームのクォータを初期化します。

    cluster1::> volume quota on -vserver vs0 -volume FG -foreground true
    [Job 49] Job succeeded: Successful
  4. クォータ レポートを使用して、FlexGroupボリュームのドライブとファイルの使用量を確認します。

    cluster1::> volume quota report -vserver vs0 -volume FG
    Vserver: vs0
    
                                        ----Disk----  ----Files-----   Quota
    Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
    -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
    FG                 user    root      50GB      -       1       -
    FG                 user    *         800GB    1TB      0       -   *
    2 entries were displayed.

ドライブのハードリミットに達すると、クォータ ポリシー ルールのターゲット(この例ではユーザー)はファイルへのデータの書き込みをブロックされます。

例2:複数のユーザーにクォータ ルールを適用する
  1. user タイプのクォータ ポリシー ルールを作成します。その際に、クォータターゲットに複数のユーザー(UNIXユーザー、SMBユーザー、または両ユーザーの組み合わせ)を指定し、現実的な値のドライブのソフト リミットとハードリミットを指定します。

    cluster1::> quota policy rule create -vserver vs0 -policy-name default -volume FG -type user -target "rdavis,ABCCORP\RobertDavis" -qtree "" -disk-limit 1TB -soft-disk-limit  800GB
  2. クォータ ポリシー ルールを確認します。

    cluster1::> quota policy rule show -vserver vs0 -policy-name default -volume FG
    
    Vserver: vs0               Policy: default           Volume: FG
    
                                                   Soft             Soft
                             User         Disk     Disk   Files    Files
    Type   Target    Qtree   Mapping     Limit    Limit   Limit    Limit  Threshold
    -----  --------  ------- -------  --------  -------  ------  -------  ---------
    user   "rdavis,ABCCORP\RobertDavis"  "" off  1TB  800GB  -  -
  3. 新しいクォータ ルールをアクティブ化するには、ボリュームのクォータを初期化します。

    cluster1::> volume quota on -vserver vs0 -volume FG -foreground true
    [Job 49] Job succeeded: Successful
  4. クォータの状態がアクティブであることを確認します。

    cluster1::> volume quota show -vserver vs0 -volume FG
                  Vserver Name: vs0
                   Volume Name: FG
                   Quota State: on
                   Scan Status: -
              Logging Messages: on
              Logging Interval: 1h
              Sub Quota Status: none
      Last Quota Error Message: -
    Collection of Quota Errors: -
  5. クォータ レポートを使用して、FlexGroupボリュームのドライブとファイルの使用量を確認します。

    cluster1::> quota report -vserver vs0 -volume FG
    Vserver: vs0
    
                                        ----Disk----  ----Files-----   Quota
    Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
    -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
    FG                 user    rdavis,ABCCORP\RobertDavis  0B  1TB  0  -   rdavis,ABCCORP\RobertDavis

    クォータ制限は、クォータターゲットにリストされているすべてのユーザーに適用されます。

ドライブのハードリミットに達すると、クォータターゲットにリストされているユーザーはそれ以降のファイルへのデータの書き込みをブロックされます。

例3:ユーザー マッピングを有効にしてクォータを適用する
  1. user タイプのクォータ ポリシー ルールを作成します。その際に、UNIXユーザーまたはWindowsユーザーをクォータターゲットとして指定して user-mappingon に設定し、現実的な値のドライブのソフト リミットとドライブのハードリミットを指定します。

    UNIXユーザーとWindowsユーザーのマッピングは、vserver name-mapping create コマンドを使用して事前に設定しておく必要があります。

    cluster1::> quota policy rule create -vserver vs0 -policy-name default -volume FG -type user -target rdavis -qtree "" -disk-limit 1TB -soft-disk-limit  800GB -user-mapping on
  2. クォータ ポリシー ルールを確認します。

    cluster1::> quota policy rule show -vserver vs0 -policy-name default -volume FG
    
    Vserver: vs0               Policy: default           Volume: FG
    
                                                   Soft             Soft
                             User         Disk     Disk   Files    Files
    Type   Target    Qtree   Mapping     Limit    Limit   Limit    Limit  Threshold
    -----  --------  ------- -------  --------  -------  ------  -------  ---------
    user   rdavis    ""      on           1TB    800GB       -        -          -
  3. 新しいクォータ ルールをアクティブ化するには、ボリュームのクォータを初期化します。

    cluster1::> volume quota on -vserver vs0 -volume FG -foreground true
    [Job 49] Job succeeded: Successful
  4. クォータの状態がアクティブであることを確認します。

    cluster1::> volume quota show -vserver vs0 -volume FG
                  Vserver Name: vs0
                   Volume Name: FG
                   Quota State: on
                   Scan Status: -
              Logging Messages: on
              Logging Interval: 1h
              Sub Quota Status: none
      Last Quota Error Message: -
    Collection of Quota Errors: -
  5. クォータ レポートを使用して、FlexGroupボリュームのドライブとファイルの使用量を確認します。

    cluster1::> quota report -vserver vs0 -volume FG
    Vserver: vs0
    
                                        ----Disk----  ----Files-----   Quota
    Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
    -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
    FG                 user    rdavis,ABCCORP\RobertDavis  0B  1TB  0  -   rdavis

    クォータ制限は、クォータターゲットにリストされているユーザーと、そのユーザーに対応するWindowsユーザーまたはUNIXユーザーの両方に適用されます。

ドライブのハードリミットに達すると、クォータターゲットにリストされているユーザーと、そのユーザーに対応するWindowsユーザーまたはUNIXユーザーは、それ以降のファイルへのデータの書き込みをブロックされます。

例4:クォータが有効になっている場合にqtreeのサイズを確認する
  1. tree タイプのクォータ ポリシー ルールを作成し、現実的な値のドライブのソフト リミットとハードリミットを指定します。

    cluster1::> quota policy rule create -vserver vs0 -policy-name default -volume FG -type tree -target tree_4118314302 -qtree "" -disk-limit 48GB -soft-disk-limit 30GB
  2. クォータ ポリシー ルールを確認します。

    cluster1::> quota policy rule show -vserver vs0
    
    Vserver: vs0               Policy: default           Volume: FG
    
                                                   Soft             Soft
                             User         Disk     Disk   Files    Files
    Type   Target    Qtree   Mapping     Limit    Limit   Limit    Limit  Threshold
    -----  --------  ------- -------  --------  -------  ------  -------  ---------
    tree   tree_4118314302  "" -          48GB        -      20        -
  3. 新しいクォータ ルールをアクティブ化するには、ボリュームのクォータを初期化します。

    cluster1::> volume quota on -vserver vs0 -volume FG -foreground true
    [Job 49] Job succeeded: Successful
    1. クォータ レポートを使用して、FlexGroupボリュームのドライブとファイルの使用量を確認します。

      cluster1::> quota report -vserver vs0
      Vserver: vs0
      ----Disk---- ----Files----- Quota
      Volume Tree Type ID Used Limit Used Limit Specifier
      ------- -------- ------ ------- ----- ----- ------ ------ ---------
      FG tree_4118314302 tree 1 30.35GB 48GB 14 20 tree_4118314302

      クォータ制限は、クォータターゲットにリストされているユーザーと、そのユーザーに対応するWindowsユーザーまたはUNIXユーザーの両方に適用されます。

  4. NFSクライアントからは、df コマンドを実行して、合計スペース使用量、使用可能なスペース、および使用済みスペースを表示します。

    scsps0472342001# df -m /t/10.53.2.189/FG-3/tree_4118314302
    Filesystem 1M-blocks Used Available Use% Mounted on
    10.53.2.189/FG-3 49152 31078 18074 63% /t/10.53.2.189/FG-3

    ハードリミットが指定されている場合、NFSクライアントでは次のようにスペース使用量が計算されます。

    • 合計スペース使用量=ツリーのハードリミット

    • 空きスペース=ハードリミットからqtreeのスペース使用量を引いた値 ハードリミットが指定されていない場合、NFSクライアントでは次のようにスペース使用量が計算されます。

    • スペース使用量=クォータ使用量

    • 合計スペース=ボリューム内のクォータ使用量と物理的な空きスペースの合計

  5. SMB共有からは、Windowsエクスプローラーを使用して、合計スペース使用量、使用可能なスペース、および使用済みスペースを表示します。

    SMB共有では、スペース使用量の計算に関する次の考慮事項を理解しておく必要があります。

    • 使用可能な合計スペースの計算では、ユーザーおよびグループのユーザークォータ ハードリミットが考慮されます。

    • ツリークォータ ルール、ユーザークォータ ルール、グループクォータ ルールの空きスペースの中で最も小さな値が、SMB共有の空きスペースとみなされます。

    • SMBでは合計スペース使用量が一定ではなく、ツリー、ユーザー、グループの中で最も小さな空きスペースに対応するハードリミットによって決まります。

FlexGroupボリュームでのルールと制限の適用

手順
  1. ターゲットのクォータ ルールを作成します。volume quota policy rule create -vserver vs0 -policy-name quota_policy_of_the_rule -volume flexgroup_vol -type {tree|user|group} -target target_for_rule -qtree qtree_name [-disk-limit hard_disk_limit_size] [-file-limit hard_limit_number_of_files] [-threshold threshold_disk_limit_size] [-soft-disk-limit soft_disk_limit_size] [-soft-file-limit soft_limit_number_of_files]

    • FlexGroupボリュームのクォータターゲットのタイプとして usergroup、または tree を指定できます。

    • FlexGroupボリュームのクォータ ルールを作成する際に、ターゲットとしてパスを指定することはできません。

    • FlexGroupボリュームに対して、ドライブのハードリミット、ファイルのハードリミット、ドライブのソフト リミット、ファイルのソフト リミット、しきい値制限の各クォータを指定できます。

    次の例では、ユーザー ターゲット タイプにデフォルトのクォータ ルールを作成します。

cluster1::> volume quota policy rule create -vserver vs0 -policy-name quota_policy_vs0_1 -volume fg1 -type user -target "" -qtree ""

次の例では、qtree1という名前のqtreeにツリークォータ ルールを作成します。

cluster1::> volume quota policy rule create -policy-name default -vserver vs0 -volume fg1 -type tree -target "qtree1"
  1. 指定したFlexGroupボリュームのクォータをアクティブにします。volume quota on -vserver svm_name -volume flexgroup_vol -foreground true

    cluster1::> volume quota on -vserver vs0 -volume fg1 -foreground true
  2. クォータの初期化の状態を監視します。

    volume quota show -vserver svm_name

    FlexGroupボリュームの状態が mixed と表示される場合、まだすべての構成ボリュームの状態が同じになっていません。

    cluster1::> volume quota show -vserver vs0
                                              Scan
    Vserver    Volume        State            Status
    ---------  ------------  ---------------  ------
    vs0        fg1           initializing         95%
    vs0        vol1          off                   -
    2 entries were displayed.
  3. クォータレポートを表示してアクティブなクォータがあるFlexGroupボリュームを確認します。volume quota report -vserver svm_name -volume flexgroup_vol

    FlexGroupボリュームについては、volume quota report コマンドでパスを指定することはできません。

    次の例は、FlexGroupボリュームfg1のユーザークォータを表示します。

    cluster1::> volume quota report -vserver vs0 -volume fg1
      Vserver: vs0
                                          ----Disk----  ----Files-----   Quota
      Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
      -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
      fg1                user    *           0B      -       0       -   *
      fg1                user    root       1GB      -       1       -   *
      2 entries were displayed.

    次の例は、FlexGroupボリュームfg1のツリークォータを表示します。

    cluster1::> volume quota report -vserver vs0 -volume fg1
    Vserver: vs0
    
                                        ----Disk----  ----Files-----   Quota
    Volume   Tree      Type    ID        Used  Limit    Used   Limit   Specifier
    -------  --------  ------  -------  -----  -----  ------  ------   ---------
    fg1      qtree1  tree      1         68KB      -      18       -   qtree1
    fg1              tree      *           0B      -       0       -   *
    2 entries were displayed.
結果

クォータ ルールとクォータ制限がFlexGroupボリュームに適用されます。

使用量が設定されているハードリミットを最大5%超過するまで、クォータが適用されず、後続のトラフィックが拒否されないことがあります。

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