エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

ストレージ仮想化 - 概要

Storage Virtual Machine(SVM) は、クライアントやホストへのデータの提供に使用します。SVMは、ハイパーバイザーで実行される仮想マシンと同様に、物理リソースを抽象化した論理エンティティです。SVM経由でアクセスされるデータはストレージ内の場所にバインドされず、SVMへのネットワーク アクセスは物理ポートにバインドされません。

SVMは、以前は「Vserver」と呼ばれていました。ONTAPコマンドライン インターフェイス(CLI)では、現在も「Vserver」が使用されています。

SVMは、1つ以上のボリュームから1つ以上のネットワーク 論理インターフェイス(LIF) を通じてクライアントおよびホストにデータを提供します。ボリュームはクラスタ内の任意のデータ アグリゲートに割り当てることができます。LIFは任意の物理ポートまたは論理ポートでホストできます。ハードウェアのアップグレード、ノードの追加、パフォーマンスの分散、アグリゲート間での容量の最適化などを行う際、ボリュームとLIFのどちらもデータ サービスを中断することなく移動できます。

1つのSVMにNASトラフィック用のLIFとSANトラフィック用のLIFを設定することができます。クライアントやホストからSVMにアクセスするために必要なのは、LIFのアドレス(NFS、SMB、iSCSIの場合はIPアドレス、FCの場合はWWPN)だけです。LIFのアドレスは移動しても変わりません。ポートは複数のLIFをホストできます。SVMにはそれぞれ固有のセキュリティ、管理、およびネームスペースがあります。

ONTAPでは、データSVMに加え、管理用の特別なSVMを使用します。

  • 管理SVM は、クラスタのセットアップ時に作成されます。

  • ノードSVM は、新規または既存のクラスタへのノードの追加時に作成されます。

  • システムSVM は、クラスタレベルの通信用にIPspace内に自動的に作成されます。

これらのSVMはデータの提供には使用できません。さらに、クラスタ内およびクラスタ間のトラフィック用のLIFや、クラスタおよびノードの管理用のLIFなど、特別なLIFがあります。

Diagram showing a volume moved across an SVM on node 2.

ONTAPがミドルウェアにたとえられる理由

ONTAPでストレージ管理タスクに使用される論理オブジェクトは、適切に設計されたミドルウェア パッケージが従来担っていた役割を果たし、管理者を細かな実装作業から解放し、ノードやポートなどの物理要素の変更が設定に影響しないようにします。管理者がストレージ インフラ全体ではなく一部を再設定するだけで、ボリュームやLIFを簡単に移動できるようにすることが、基本的な目的です。

Top of Page