ONTAP 9.13

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シンプロビジョニング

ONTAPでは、Snapshotコピー以外にも、さまざまなStorage Efficiencyテクノロジを提供しています。主なものとして、シンプロビジョニング、重複排除、圧縮、およびFlexCloneのボリューム、ファイル、LUNなどがあります。Snapshotコピーと同様に、いずれもONTAPのWrite Anywhere File Layout(WAFL)を基盤としています。

シンプロビジョニングでは、ボリュームやLUNのストレージが事前に予約されません。代わりに、ストレージは必要になったときに動的に割り当てられます。ボリュームやLUN内のデータが削除されると、解放された空きスペースはストレージ システムに戻されます。

たとえば、5,000人の社内ユーザーにホーム ディレクトリー用のストレージを用意する必要があるとします。ホーム ディレクトリーの消費スペースは、最大で1GBと推定されます。

この状況では、5TBの物理ストレージを購入することが考えられます。そうすれば、ホーム ディレクトリーを格納する各ボリュームで、最もスペースを消費するユーザーのニーズを満たす十分なスペースを確保できます。

しかし実際には、ホーム ディレクトリーに必要とされる容量は社内で大きなばらつきがあることもわかっています。ストレージを大量に消費するユーザー1人に対し、ほとんどまたはまったく消費しないユーザーが10人の割合で存在します。

シンプロビジョニングを使用すると、使用しない可能性があるストレージを購入することなく、ストレージを大量に消費するユーザーのニーズを満たすことができます。ストレージ スペースは実際に消費されるまで割り当てられないため、2TBのアグリゲートに含まれる5,000個のボリュームのそれぞれに名目上1GBのサイズを割り当てて、このアグリゲートを 「` オーバーコミット`」 することができます。

ライト ユーザーとヘビー ユーザーの比率が10:1という想定が正しければ、アグリゲートの空きスペースを能動的に監視しているかぎり、スペース不足によってボリュームへの書き込みが失敗することはありません。

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