エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

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CDPを使用したネットワーク接続の検出

CDPを使用したネットワーク接続の検出は、導入に関する考慮事項の確認、データ ポートでのCDPの有効化、近隣デバイスの表示、CDPの設定値の調整(必要な場合)で構成されます。クラスタ ポートでは、CDPはデフォルトで有効になります。

近隣デバイスに関する情報を表示するには、スイッチとルーターでもCDPを有効にする必要があります。

ONTAPリリース

説明

9.10.1以前

CDPは、クラスタ ネットワーク スイッチと管理ネットワーク スイッチを自動検出するためにクラスタ スイッチ ヘルスモニタでも使用されます。

9.11.1以降

CDPは、クラスタ ネットワーク スイッチ、ストレージ ネットワーク スイッチ、および管理ネットワーク スイッチを自動検出するためにクラスタ スイッチ ヘルスモニタでも使用されます。

関連情報

システム管理

CDPを使用する場合の考慮事項

デフォルトでは、CDP対応デバイスはCDPv2通知を送信します。CDP対応デバイスは、CDPv1通知を受信した場合にのみ、CDPv1通知を送信します。ONTAPはCDPv1のみをサポートします。したがって、ONTAPノードがCDPv1通知を送信すると、CDP対応の近隣デバイスがCDPv1通知を返します。

ノードでCDPを有効にする前に、次のことを考慮してください。

  • CDPはすべてのポートでサポートされます。

  • CDP通知は、up状態のポートから送受信されます。

  • CDP通知を送信および受信するために、送信デバイスおよび受信デバイスの両方でCDPを有効にする必要があります。

  • CDP通知は一定間隔で送信され、送信間隔は設定可能です。

  • LIFのIPアドレスが変更されると、ノードは更新された情報を次のCDP通知で送信します。

  • ONTAP 9.10.1以前:

    • CDPはクラスタ ポートで常に有効になります。

    • 非クラスタ ポートでは、CDPはデフォルトで無効になります。

  • ONTAP 9.11.1以降:

    • CDPはクラスタ ポートとストレージ ポートで常に有効になります。

    • 非クラスタ ポートと非ストレージ ポートでは、CDPはデフォルトで無効になります。

ノードでLIFが変更された場合、スイッチなどの受信デバイス側でCDP情報が更新されないことがあります。このような問題が発生した場合は、ノードのネットワーク インターフェイスをいったんdown状態にしてから、up状態に設定してください。
  • CDP通知で送信されるのはIPv4アドレスのみです。

  • VLANが設定されている物理ネットワーク ポートの場合、VLANに設定されているすべてのLIFが通知されます。

  • インターフェイス グループの一部となっている物理ポートの場合、そのインターフェイス グループに設定されているすべてのIPアドレスが、各物理ポートで通知されます。

  • VLANをホストするインターフェイス グループの場合、インターフェイス グループおよびVLANに設定されているすべてのLIFが各ネットワーク ポートで通知されます。

  • CDPパケットの最大サイズは1500バイトであるため、多数のLIFが設定されたポートについては、
    一部のIPアドレスしか隣接するスイッチで報告されない可能性があります。

CDPの有効化または無効化

CDP対応の近隣デバイスを検出して通知を送信するには、クラスタの各ノードでCDPが有効になっている必要があります。

ONTAP 9.10.1以前では、CDPはデフォルトでノードのすべてのクラスタ ポートで有効に、非クラスタ ポートで無効になります。

ONTAP 9.11.1以降では、CDPはデフォルトでノードのすべてのクラスタ ポートとストレージ ポートで有効に、非クラスタ ポートと非ストレージ ポートで無効になります。

タスク概要

cdpd.enableオプションで、ノードのポートでCDPを有効または無効にするかを制御します。

  • ONTAP 9.10.1以前では、onにすると、非クラスタ ポートでCDPが有効になります。

  • ONTAP 9.11.1以降では、onにすると、非クラスタ ポートと非ストレージ ポートでCDPが有効になります。

  • ONTAP 9.10.1以前では、offにすると、非クラスタ ポートでCDPが無効になります。クラスタ ポートのCDPを無効にすることはできません。

  • ONTAP 9.11.1以降では、offにすると、非クラスタ ポートと非ストレージ ポートでCDPが無効になります。クラスタ ポートのCDPを無効にすることはできません。

CDP対応デバイスに接続されているポートでCDPを無効にすると、ネットワーク トラフィックが最適化されない可能性があります。

手順
  1. クラスタ内の1つまたはすべてのノードの、現在のCDP設定を表示します。

    CDP設定を表示する対象

    入力するコマンド

    1つのノード

    run - node <node_name> options cdpd.enable

    クラスタ内のすべてのノード

    options cdpd.enable

  2. クラスタ内の1つまたはすべてのノードで、すべてのポートのCDPを有効または無効に設定します。

    CDPを有効または無効にする対象

    入力するコマンド

    1つのノード

    run -node node_name options cdpd.enable {on or off}

    クラスタ内のすべてのノード

    options cdpd.enable {on or off}

CDP近隣情報の表示

クラスタのノードのポートにCDP対応デバイスが接続されている場合は、そのポートの近隣デバイスの情報を表示することができます。近隣情報を表示するには、network device-discovery show -protocol cdpコマンドを使用します。

タスク概要

ONTAP 9.10.1以前の場合、クラスタ ポートではCDPが常に有効になっているため、これらのポートのCDP近隣情報は常に表示されます。非クラスタ ポートの近隣情報を表示するには、これらのポートでCDPを有効にする必要があります。

ONTAP 9.11.1以降の場合、クラスタ ポートとストレージ ポートではCDPが常に有効になっているので、これらのポートのCDP近隣情報は常に表示されます。非クラスタ ポートと非ストレージ ポートの近隣情報を表示するには、これらのポートでCDPを有効にする必要があります。

手順

クラスタ内のノードのポートに接続されているすべてのCDP対応デバイスの情報を表示します。

network device-discovery show -node node -protocol cdp

次のコマンドは、ノードsti2650-212のポートに接続されている近隣デバイスの情報を表示します。

network device-discovery show -node sti2650-212 -protocol cdp
Node/       Local  Discovered
Protocol    Port   Device (LLDP: ChassisID)  Interface         Platform
----------- ------ ------------------------- ----------------  ----------------
sti2650-212/cdp
            e0M    RTP-LF810-510K37.gdl.eng.fujitsu.com(SAL1942R8JS)
                                             Ethernet1/14      N9K-C93120TX
            e0a    CS:RTP-CS01-510K35        0/8               CN1610
            e0b    CS:RTP-CS01-510K36        0/8               CN1610
            e0c    RTP-LF350-510K34.gdl.eng.fujitsu.com(FDO21521S76)
                                             Ethernet1/21      N9K-C93180YC-FX
            e0d    RTP-LF349-510K33.gdl.eng.fujitsu.com(FDO21521S4T)
                                             Ethernet1/22      N9K-C93180YC-FX
            e0e    RTP-LF349-510K33.gdl.eng.fujitsu.com(FDO21521S4T)
                                             Ethernet1/23      N9K-C93180YC-FX
            e0f    RTP-LF349-510K33.gdl.eng.fujitsu.com(FDO21521S4T)
                                             Ethernet1/24      N9K-C93180YC-FX

このコマンドの出力には、指定したノードの各ポートに接続されているCiscoデバイスが一覧表示されます。

CDPメッセージの保持時間の設定

保持時間は、CDP通知がCDP対応の近隣デバイスのキャッシュに格納される時間です。保持時間は各CDPv1パケットで通知され、ノードがCDPv1パケットを受信するたびに更新されます。

  • cdpd.holdtimeオプションの値はHAペアの両方のノードで同じに設定する必要があります。

  • デフォルトの保持時間は180ですが、10~255秒の値を入力できます。

  • 保持時間が切れる前にIPアドレスが削除された場合、CDP情報は保持時間が切れるまでキャッシュされます。

手順
  1. クラスタ内の1つまたはすべてのノードのCDPメッセージの現在の保持時間を表示します。

    保持時間を表示する対象

    入力するコマンド

    1つのノード

    run -node node_name options cdpd.holdtime

    クラスタ内のすべてのノード

    options cdpd.holdtime

  2. クラスタ内の1つまたはすべてのノードで、すべてのポートのCDP通知の保持時間を設定します。

    保持時間を設定する対象

    入力するコマンド

    1つのノード

    run -node node_name options cdpd.holdtime holdtime

    クラスタ内のすべてのノード

    options cdpd.holdtime holdtime

CDP通知の送信間隔の設定

CDP通知は、一定の間隔でCDP近隣機器に送信されます。ネットワーク トラフィックの量やネットワーク トポロジーの変化に応じて、CDP通知の送信間隔を調節することができます。

  • cdpd.intervalオプションの値はHAペアの両方のノードで同じに設定する必要があります。

  • デフォルトの送信間隔は60秒ですが、5~900秒の値を入力できます。

手順
  1. クラスタ内の1つまたはすべてのノードについて、CDP通知の現在の送信間隔を表示します。

    送信間隔を表示する対象

    入力するコマンド

    1つのノード

    run -node node_name options cdpd.interval

    クラスタ内のすべてのノード

    options cdpd.interval

  2. クラスタ内の1つまたはすべてのノードで、すべてのポートのCDP通知の送信間隔を設定します。

    送信間隔を設定する対象

    入力するコマンド

    1つのノード

    run -node node_name options cdpd.interval interval

    クラスタ内のすべてのノード

    options cdpd.interval interval

CDP統計情報の表示と消去

ネットワーク接続で発生する可能性のある問題を見つけるために、各ノードのクラスタ ポートと非クラスタ ポートのCDP統計情報を確認できます。CDP統計情報は、前回消去されたときからの累積値です。

タスク概要

ONTAP 9.10.1以前の場合、ポートでCDPが常に有効になっているので、これらのポートのトラフィックに関するCDP統計情報は常に表示されます。ポートのCDP統計情報を表示するには、ポートでCDPを有効にする必要があります。

ONTAP 9.11.1以降の場合、クラスタ ポートとストレージ ポートではCDPが常に有効になっているので、これらのポートのトラフィックに関するCDP統計情報は常に表示されます。非クラスタ ポートと非ストレージ ポートのCDP統計情報を表示するには、これらのポートでCDPを有効にする必要があります。

手順

ノードのすべてのポートに関する現在のCDP統計情報を表示、または消去します。

状況

入力するコマンド

CDP統計情報を表示する

run -node node_name cdpd show-stats

CDP統計情報を消去する

run -node node_name cdpd zero-stats

統計情報の表示と消去の例

次のコマンドは、消去する前のCDP統計情報の例を示します。前回統計情報が消去されてから、送信および受信したパケットの総数が出力されています。

run -node node1 cdpd show-stats

RECEIVE
 Packets:         9116  | Csum Errors:       0  | Unsupported Vers:  4561
 Invalid length:     0  | Malformed:         0  | Mem alloc fails:      0
 Missing TLVs:       0  | Cache overflow:    0  | Other errors:         0

TRANSMIT
 Packets:         4557  | Xmit fails:        0  | No hostname:          0
 Packet truncated:   0  | Mem alloc fails:   0  | Other errors:         0

OTHER
 Init failures:      0

次のコマンドは、CDP統計情報を消去します。

run -node node1 cdpd zero-stats
run -node node1 cdpd show-stats

RECEIVE
 Packets:            0  | Csum Errors:       0  | Unsupported Vers:     0
 Invalid length:     0  | Malformed:         0  | Mem alloc fails:      0
 Missing TLVs:       0  | Cache overflow:    0  | Other errors:         0

TRANSMIT
 Packets:            0  | Xmit fails:        0  | No hostname:          0
 Packet truncated:   0  | Mem alloc fails:   0  | Other errors:         0

OTHER
 Init failures:      0

統計情報を消去すると、次にCDP通知が送信または受信された時点から情報が累積されていきます。

CDPがサポートされないイーサネット スイッチへの接続

一部のベンダー スイッチではCDPがサポートされません。

この問題の解決方法は2つあります。

  • CDPを無効にし、LLDPを有効にする(サポートされる場合)。詳細については、「LLDPを使用したネットワーク接続の検出」を参照してください

  • CDP通知をドロップするように、スイッチにMACアドレス パケット フィルターを設定する

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