ONTAP 9.13

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S3クライアント アクセスのためのNASデータの要件

NASのファイルとディレクトリーをS3アクセス用にマッピングするときは、互換性に関する問題がいくつかあることに注意してください。S3 NASバケットを使用してNASファイルを提供する前に、NASファイル階層の調整が必要になることがあります。

S3 NASバケットは、S3バケットの構文を使用してNASディレクトリーをマッピングすることでディレクトリーへのS3アクセスを提供し、ディレクトリー ツリー内のファイルはオブジェクトとして表示されます。オブジェクト名は、S3バケット設定で指定されたディレクトリーに対する相対パスで、ディレクトリーはスラッシュで区切られます。

S3 NASバケットを使用してファイルとディレクトリーを提供する場合、このマッピングにはいくつかの要件があります。

  • S3の名前は最大1024バイトのため、パス名が1024バイトよりも長いファイルはS3を使用してアクセスできません。

  • ファイル名とディレクトリー名は最大255文字のため、スラッシュ(「/」)以外の文字が256文字以上続く文字列をオブジェクト名に含めることはできません。

  • バックスラッシュ(「\」)で区切られたSMBパス名は、S3にはスラッシュ(「/」)を含むオブジェクト名として表示されます。

  • 有効なS3オブジェクト名でも、組み合わせによってはマッピングされたNASディレクトリー ツリーに共存できないものがあります。たとえば、「part1/part2」と「part1/part2/part3」はどちらも有効なS3オブジェクト名ですが、「part1/part2」は最初の名前ではファイルですがもう一方ではディレクトリーのため、マッピングされるファイルはNASディレクトリー ツリーに同時に存在できません。

    • 「part1/part2」が既存のファイルである場合、S3での「part1/part2/part3」の作成は失敗します。

    • 「part1/part2/part3」が既存のファイルである場合、S3での「part1/part2」の作成と削除は失敗します。

    • 既存のオブジェクトと同じ名前のS3オブジェクトを作成すると、NASにある(バージョン管理されていないバケット内の)既存のオブジェクトは置き換えられます。ただし、名前が完全に一致する必要があります。上記の例では、名前が競合していますが一致してはいないため、既存のオブジェクトは削除されません。

オブジェクトストアは非常に多くの任意の名前をサポートするように設計されていますが、NASのディレクトリー構造では、非常に多くの名前が1つのディレクトリーに配置されているとパフォーマンスの問題が発生する可能性があります。特に、スラッシュ(/)が含まれていない名前は、すべてNASマッピングのルート ディレクトリーに配置されます。「NASフレンドリー」でない名前を多用するアプリケーションは、NASマッピングではなく、実際のオブジェクトストア バケットでホストする方が適しています。

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