ONTAP 9.13

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ボリュームを移動する際の考慮事項と推奨事項

ボリュームを移動するときは、移動するボリュームやシステム構成(MetroCluster構成など)に応じて、さまざまな考慮事項や推奨事項について検討する必要があります。ここでは、ボリュームの移動に関する考慮事項と推奨事項を示します。

一般的な考慮事項と推奨事項

  • クラスタのリリース ファミリーをアップグレードする場合は、クラスタのすべてのノードをアップグレードするまでボリュームを移動しないでください。

    この推奨事項に従うことで、ボリュームを新しいリリース ファミリーから古いリリース ファミリーに誤って移動するのを防ぐことができます。

  • ソース ボリュームには整合性が必要です。

  • 関連Storage Virtual Machine(SVM)に1つ以上のアグリゲートを割り当てている場合は、デスティネーション アグリゲートが割り当てたアグリゲートのいずれかである必要があります。

  • テイクオーバーされたCFOアグリゲートとの間でボリュームを移動することはできません。

  • LUNを含むボリュームでNVFAILが有効になっていない場合、ボリュームの移動後にNVFAILが有効になります。

  • ボリュームをFlash Poolアグリゲートから別のFlash Poolアグリゲートに移動することができます。

    • ボリュームのキャッシング ポリシーも一緒に移動されます。

    • ボリュームのパフォーマンスに影響することがあります。

  • ボリュームをFlash PoolアグリゲートとFlash Poolアグリゲート以外のアグリゲートの間で移動することができます。

    • ボリュームをFlash PoolアグリゲートからFlash Poolアグリゲート以外のアグリゲートに移動しようとすると、ボリュームのパフォーマンスに影響する可能性があることを示す警告メッセージが表示され、続行するかどうかの確認を求められます。

    • ボリュームをFlash Poolアグリゲート以外のアグリゲートからFlash Poolアグリゲートに移動すると、auto キャッシング ポリシーが割り当てられます。

  • ボリュームには、そのボリュームが配置されているアグリゲートの保管データの保護機能が適用されます。SEドライブで構成されるアグリゲートからそれ以外のドライブで構成されるアグリゲートにボリュームを移動した場合、SEによる保管データの保護機能は適用されなくなります。

FlexCloneボリュームに関する考慮事項と推奨事項

  • FlexCloneボリュームを移動中にオフラインにすることはできません。

  • FlexCloneボリュームは、同じSVM内の同じノードまたは別のノードのアグリゲート間で vol clone split start コマンドを実行せずに移動できます。

    FlexCloneボリュームに対してボリューム移動処理を開始すると、クローン ボリュームがスプリットされて別のアグリゲートに移動されます。クローン ボリュームでボリューム移動が完了すると、移動したボリュームはクローンとしてではなく、それまでの親ボリュームとクローン関係のない独立したボリュームとして表示されます。

  • FlexCloneボリュームのSnapshotコピーはクローンの移動後も失われません。

  • FlexCloneの親ボリュームをアグリゲート間で移動することができます。

    FlexCloneの親ボリュームを移動すると、元のアグリゲートに一時ボリュームが残り、すべてのFlexCloneボリュームの親ボリュームとして機能します。この一時ボリュームに対して実行できるのはオフラインにする処理と削除する処理だけで、それ以外の処理は実行できません。すべてのFlexCloneボリュームのスプリットまたは破棄が完了すると、一時ボリュームは自動的にクリーンアップされます。

  • FlexCloneの子ボリュームは、移動後はFlexCloneボリュームではなくなります。

  • FlexCloneの移動処理は、FlexCloneのコピー処理やスプリット処理と同時に実行することはできません。

  • クローンスプリット処理が実行中の場合、ボリュームの移動が失敗することがあります。

    クローンスプリット処理が完了するまで、ボリュームを移動しないようにしてください。

MetroCluster構成に関する考慮事項

  • MetroCluster構成内でボリュームを移動する際、ソース クラスタのデスティネーション アグリゲートに一時ボリュームが作成されると、ミラーされているが同期されていないアグリゲート内のボリュームに対応する一時ボリュームのレコードも稼働しているクラスタに作成されます。

  • MetroClusterのスイッチオーバーがカットオーバー前に発生した場合、デスティネーション ボリュームは一時ボリューム(タイプがTMPのボリューム)として記録されます。

    稼働している(ディザスタ リカバリー)クラスタで移動ジョブが再開され、障害を報告し、移動に関連する項目(一時ボリュームなど)をすべてクリーンアップします。クリーンアップを正しく実行できなかった場合は、必要なクリーンアップを実行するようシステム管理者に警告するEMSが生成されます。

  • MetroClusterのスイッチオーバーが、カットオーバー フェーズは開始しているが移動ジョブは完了していない(つまり、デスティネーション アグリゲートを参照するようにクラスタを更新できるところまでは完了した)時点で発生した場合、移動ジョブは稼働している(ディザスタ リカバリー)クラスタで再開されて最後まで実行されます。

    移動に関連する項目は、一時ボリューム(元のソース)を含めてすべてクリーンアップされます。クリーンアップを正しく実行できなかった場合は、必要なクリーンアップを実行するようシステム管理者に警告するEMSが生成されます。

  • スイッチオーバーされたサイトに属するボリュームについて実行中のボリューム移動処理がある場合、MetroClusterのスイッチバックは強制的かどうかに関係なく実行できません。

    稼働しているサイトのローカル ボリュームに対してボリューム移動処理を実行中の場合、スイッチバックはブロックされません。

  • 実行中のボリューム移動処理がある場合、MetroClusterの強制的でないスイッチオーバーはブロックされますが、強制的なスイッチオーバーはブロックされません。

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