エフサステクノロジーズ株式会社

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ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

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マルチプロトコル環境でのファイル名とディレクトリー名の大文字と小文字の区別

ファイル名とディレクトリー名について、NFSクライアントでは大文字と小文字が区別されますが、SMBクライアントでは大文字と小文字が区別されず、同じ文字として扱われます。この違いがマルチプロトコル環境に及ぼす影響、およびSMB共有の作成時にパスを指定するときや、共有内のデータにアクセスするときにどのように対処すべきかを理解しておく必要があります。

SMBクライアントでtestdirという名前のディレクトリーを作成すると、SMBクライアントとNFSクライアントのどちらでもディレクトリー名はtestdirと表示されます。ただし、SMBユーザーがあとでTESTDIRという名前のディレクトリーを作成しようとしても、SMBクライアントではその名前がすでに存在しているとみなされるため作成できません。NFSユーザーがあとでTESTDIRという名前のディレクトリーを作成すると、このディレクトリー名はNFSクライアントとSMBクライアントで次のように異なって表示されます。

  • NFSクライアントでは、ディレクトリー名の大文字と小文字が区別されるため、両方のディレクトリー名が作成したとおりに、testdirおよびTESTDIRと表示されます。

  • SMBクライアントでは、2つのディレクトリーを区別するために8.3形式の名前が使用されます。1つのディレクトリーには基本ファイル名が付けられます。以降のディレクトリーには8.3形式の名前が割り当てられます。

    • SMBクライアントでは、testdirおよびTESTDI~1と表示されます。

    • ONTAPは、2つのディレクトリーを区別するためにTESTDI~1というディレクトリー名を作成します。

      この場合、Storage Virtual Machine(SVM)での共有の作成時または変更時に共有パスを指定するときは、8.3形式の名前を使用する必要があります。

ファイルの場合も同様に、SMBクライアントでtest.txtというファイルを作成すると、SMBクライアントとNFSクライアントのどちらでもファイル名はtext.txtと表示されます。ただし、その後SMBユーザーがTest.txtというファイルを作成しようとしても、SMBクライアントではその名前がすでに存在しているとみなされるため作成できません。NFSユーザーがTest.txtという名前のファイルを作成すると、このファイル名はNFSクライアントとSMBクライアントで次のように異なって表示されます。

  • NFSクライアントでは、ファイル名の大文字と小文字が区別されるため、両方のファイル名が作成したとおりに、test.txtおよびTest.txtと表示されます。

  • SMBクライアントでは、2つのファイルを区別するために8.3形式の名前が使用されます。一方のファイルには基本ファイル名が付けられます。追加のファイルには、8.3形式のファイル名が割り当てられます。

    • SMBクライアントでは、test.txtおよびTEST~1.TXTと表示されます。

    • ONTAPは、2つのファイルを区別するためにTEST~1.TXTというファイル名を作成します。

vserver cifs character-mappingコマンドを使用して文字マッピングが作成されている場合、通常は大文字と小文字が区別されないWindowsでの検索で大文字と小文字が区別されるようになる可能性があります。つまり、文字マッピングが作成されていて、その文字マッピングがファイル名に使用されている場合にのみ、ファイル名検索で大文字と小文字が区別されます。

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