ヘルスモニタで健全でないと判断されたネットワークポートは、EMSメッセージで管理者に警告が通知されるか、またはデグレードとマークされます。LIFに対して別の健全なフェイルオーバーターゲットが用意されている場合、ONTAPはデグレード状態のネットワークポートでのLIFのホストを回避します。ポートは、リンクフラッピング（リンクがアップとダウンを高速で繰り返す状態）やネットワークパーティショニングなどの軽度な障害イベントが原因でデグレード状態になります。

「Cluster」のIPspace内のネットワークポートは、リンクフラッピングが発生した場合、またはブロードキャストドメイン内における他のネットワークポートへのレイヤー2（L2）到達可能性が失われた場合にデグレードとマークされます。
「Cluster」以外のIPspace内のネットワークポートは、リンクフラッピングが発生した場合にデグレードとマークされます。

デグレード状態のポートの以下の動作に注意してください。

デグレード状態のポートをVLANまたはインターフェイスグループに含めることはできません。

インターフェイスグループのメンバーポートがデグレードとマークされていて、インターフェイスグループ自体は正常とマークされている場合は、そのインターフェイスグループでLIFをホストできます。
LIFは、デグレード状態のポートから健全なポートに自動的に移行されます。
フェイルオーバー時には、デグレード状態のポートはフェイルオーバーターゲットとみなされません。健全なポートがない場合は、通常のフェイルオーバーポリシーに従って、デグレード状態のポートがLIFをホストします。
デグレード状態のポートにLIFを作成、移行、リバートすることはできません。

ネットワークポートの ignore-health-status 設定を true に変更することができます。これで、健全なポートでLIFをホストできます。

手順

advanced権限モードにログインします。
```
set -privilege advanced
```
ネットワークポートの健全性の監視が有効になっているヘルスモニタを確認します。
```
network options port-health-monitor show
```
ポートのヘルスステータスは、ヘルスモニタの値によって判定されます。

ONTAPでデフォルトで有効になっていて使用可能なヘルスモニタは次のとおりです。
- リンクフラッピングヘルスモニタ：リンクフラッピングを監視します。
  
  5分以内に複数回のリンクフラッピングが発生しているポートは、デグレードとマークされます。
- L2到達可能性ヘルスモニタ：同じブロードキャストドメインに設定されたすべてのポートで相互のポートに対するレイヤー2到達可能性が確保されているかを監視します。
  
  このヘルスモニタは、すべてのIPspaceにおけるレイヤー2到達可能性の問題を報告しますが、デグレードとマークされるのは「Cluster」のIPspace内のポートのみです。
- CRCモニタ：ポートのCRC統計を監視します。
  
  このヘルスモニタはポートをデグレードとマークしませんが、CRCエラー率が非常に高い場合にEMSメッセージを生成します。
network options port-health-monitor modify コマンドを使用して、IPspace用のヘルスモニタを必要に応じて有効または無効にします。
ポートの詳細な健全性を表示します。
```
network port show -health
```

ポートのヘルスステータス、ignore health status の設定、およびポートがデグレードとマークされた理由のリストがコマンド出力に表示されます。

ポートのヘルスステータスは「healthy」または「degraded」のいずれかです。

ignore health status 設定が true の場合は、ポートのヘルスステータスが管理者によって「degraded」から「healthy」に変更されています。

ignore health status 設定が false の場合は、ポートのヘルスステータスがシステムによって自動的に判定されます。

ONTAP 9.13

ネットワーク ポートの健全性の監視

ネットワークポートの健全性の監視