ONTAP 9.13

to English version

ONTAPを使用してUNIXシンボリック リンクへのSMBクライアント アクセスを提供する方法

シンボリック リンクはUNIX環境で作成されるファイルで、別のファイルまたはディレクトリーへの参照が含まれます。シンボリック リンクにアクセスしたクライアントは、シンボリック リンクが参照するターゲット ファイルまたはディレクトリーにリダイレクトされます。ONTAPでは、相対シンボリック リンクと絶対シンボリック リンク(ローカル ファイルシステムの外部のターゲットとの絶対リンクであるワイドリンクを含む)をサポートしています。

ONTAPには、SMBクライアントがSVMで設定されているUNIXのシンボリック リンクをたどるための機能が用意されています。この機能は任意で、vserver cifs share create コマンドの -symlink-properties オプションで次の設定のいずれかを使用して共有ごとに設定できます。

  • 読み取り / 書き込みアクセスで有効化

  • 読み取り専用アクセスで有効化

  • SMBクライアントに対してシンボリック リンクを非表示にして無効化

  • SMBクライアントからシンボリック リンクへのアクセス権なしで無効化

共有でシンボリック リンクを有効にした場合、相対シンボリック リンクは追加の設定なしで機能します。

共有でシンボリック リンクを有効にしただけでは、絶対シンボリック リンクは機能しません。最初に、シンボリック リンクのUNIXパスからデスティネーションSMBパスへのマッピングを作成する必要があります。絶対シンボリック リンクのマッピングを作成する際、ローカル リンクか ワイドリンク かを指定できます。ワイドリンクは、他のストレージ デバイス上のファイルシステム、または同じONTAPシステム上の別のSVMでホストされているファイルシステムにリンクできます。ワイドリンクを作成するときは、クライアントがたどる情報を含める必要があります。つまり、クライアントがディレクトリー ジャンクション ポイントを検出するためのリパース ポイントを作成します。ローカル共有外のファイルまたはディレクトリーへの絶対シンボリック リンクを作成しても、局所性をローカルに設定すると、ONTAPはターゲットへのアクセスを許可しません。

クライアントがローカル シンボリック リンク(絶対または相対)を削除した場合、シンボリック リンクのみが削除され、ターゲット ファイルまたはターゲット ディレクトリーは削除されません。それに対して、クライアントがワイドリンクを削除した場合には、ワイドリンクが参照する実際のターゲット ファイルやターゲット ディレクトリーが削除されることがあります。クライアントはSVM外のターゲット ファイルまたはディレクトリーを明示的に開いて削除できるため、ONTAPではこの操作を制御できません。

  • リパース ポイントとONTAPのファイルシステム サービス

    リパース ポイント は、ファイルと一緒にボリュームに格納することができるNTFSファイルシステム オブジェクトです。リパース ポイントを使用すると、SMBクライアントがNTFS形式のボリュームを操作する際に拡張ファイルシステム サービスを利用できます。リパース ポイントは、そのタイプを識別する標準のタグとリパース ポイントのコンテンツで構成されます。後者は、SMBクライアントが取得して処理を実行できます。ファイルシステムの拡張機能で使用できるオブジェクト タイプのうち、ONTAPはリパース ポイント タグを使用してNTFSシンボリック リンクとディレクトリー ジャンクション ポイントをサポートします。リパース ポイントのコンテンツを認識できないSMBクライアントはリパース ポイントを無視し、リパース ポイントによって有効になる拡張ファイルシステム サービスを提供しません。

  • ディレクトリー ジャンクション ポイントとONTAPのシンボリック リンク サポート

    ディレクトリー ジャンクション ポイントはファイルシステム ディレクトリー構造内の場所で、別のパス(シンボリック リンク)または別のストレージ デバイス(ワイドリンク)上のファイルが格納されている場所を参照できます。ONTAPのSMBサーバーはディレクトリー ジャンクション ポイントをリパース ポイントとしてWindowsクライアントに公開するため、対応するクライアントがディレクトリー ジャンクション ポイントをトラバースしたときにONTAPからリパース ポイントのコンテンツを取得することができます。そのため、別のパスやストレージ デバイスであっても、同じファイルシステムに属しているかのように移動して接続することができます。

  • リパース ポイント オプションを使用したワイドリンク サポートの有効化

    ONTAP 9では、-is-use-junctions-as-reparse-points-enabled オプションがデフォルトで有効になります。すべてのSMBクライアントがワイドリンクをサポートしているわけではないため、サポート対象と対象外どちらのSMBクライアントにも対応できるように、オプションはプロトコル バージョンごとに設定できます。ワイドリンクを使用して共有にアクセスするクライアント プロトコルごとに、 -widelink-as-reparse-point-versions オプションを有効にする必要があります。デフォルトはSMB1です。以前のリリースではデフォルトのSMB1を使用してアクセスされるワイドリンクのみがレポートされ、SMB2またはSMB3を使用するシステムはワイドリンクにアクセスできませんでした。

詳細については、MicrosoftのNTFSのドキュメントを参照してください。

Top of Page