ONTAP 9.13

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%u変数を使用したホーム ディレクトリー設定

ホーム ディレクトリー設定を作成する際には %w 変数を使用して共有名を指定しますが、ホーム ディレクトリー共有への相対パスを指定する際には %u 変数を使用します。これにより、ユーザーは、ホーム ディレクトリーの実際の名前やパスを意識することなく、Windowsユーザー名を使用して動的に作成された共有を利用するホーム ディレクトリー共有に接続できます。

手順
  1. ユーザーのホーム ディレクトリーを格納するqtreeを作成します。
    volume qtree create -vserver vserver_name -qtree-path qtree_path

  2. qtreeで正しいセキュリティ形式が使用されていることを確認します。
    volume qtree show

  3. qtreeで適切なセキュリティ形式が使用されていない場合は、volume qtree security コマンドを使用してセキュリティ形式を変更します。

  4. ホーム ディレクトリー共有を追加します。
    vserver cifs share create -vserver vserver -share-name %w -path %u -share-properties homedirectory ,...]

    -vserver vserver には、検索パスを追加するCIFS対応のStorage Virtual Machine(SVM)を指定します。

    -share-name %w には、ホーム ディレクトリー共有名を指定します。ユーザーがホーム ディレクトリーに接続すると、ユーザーごとに windows_user_name の形式で共有名が動的に作成されます。

    -share-name オプションに %u 変数を使用することもできます。これにより、マッピング先のUNIXユーザー名を使用して相対共有パスが作成されます。

    -path %u には、ホーム ディレクトリーの相対パスを指定します。ユーザーがホーム ディレクトリーに接続すると、ユーザーごとに mapped_UNIX_user_name の形式で共有名が動的に作成されます。

    このオプションの値には静的な要素を含めることもできます。たとえば、[eng/%u]などです。

    -share-properties homedirectory\[,...\] には、その共有の共有プロパティを指定します。homedirectory の値を指定する必要があります。追加の共有プロパティをカンマで区切って指定できます。

  5. vserver cifs share show コマンドを使用して、共有の設定が適切であることを確認します。

  6. ホーム ディレクトリー検索パスを追加します。
    vserver cifs home-directory search-path add -vserver vserver -path path

    -vserver vserver には、検索パスを追加するCIFS対応のSVMを指定します。

    -path path には、検索パスの絶対ディレクトリー パスを指定します。

  7. vserver cifs home-directory search-path show コマンドを使用して、検索パスが追加されたことを確認します。

  8. UNIXユーザーが存在しない場合は、vserver services unix-user create コマンドを使用してUNIXユーザーを作成します。

    ユーザーをマッピングするには、Windowsユーザー名のマッピング先となるUNIXユーザー名があらかじめ存在している必要があります。

  9. 次のコマンドを使用して、UNIXユーザーへのWindowsユーザーのネーム マッピングを作成します。
    vserver name-mapping create -vserver vserver_name -direction win-unix -priority integer -pattern windows_user_name -replacement unix_user_name

    WindowsユーザーをUNIXユーザーにマッピングするネーム マッピングがすでに存在する場合は、このマッピング手順を実行する必要はありません。

    Windowsユーザー名は対応するUNIXユーザー名にマッピングされます。Windowsユーザーは、ホーム ディレクトリー共有に接続すると、Windowsユーザー名に対応する共有名を使用して動的に作成されたホーム ディレクトリーに接続することになります。その際、ディレクトリー名がUNIXユーザー名に対応していることはユーザーにはわかりません。

  10. ユーザーにホーム ディレクトリーがある場合は、ホーム ディレクトリーを含むように指定したqtreeまたはボリュームに対応するディレクトリーを作成します。

    たとえば、/vol/vol1/users というパスのqtreeを作成した場合に、ディレクトリーの作成対象となるユーザーのマッピング先UNIXユーザー名が「unixuser1」であるときは、/vol/vol1/users/unixuser1 というパスを使用してディレクトリーを作成します。

    /home1 にマウントされる「home1」という名前のボリュームを作成した場合は、/home1/unixuser1 というパスを使用してディレクトリーを作成します。

  11. ドライブをマッピングするか、UNCパスを使用して、ユーザーがホーム ディレクトリー共有に正常に接続できることを確認します。

    たとえば、UNIXユーザーunixuser1にマッピングされるユーザーmydomain\user1が、SVM vs1上にあるディレクトリー(手順10で作成)に接続する場合は、UNCパス \\vs1\user1 を使用して接続します。

次の例の各コマンドは、以下の内容でホーム ディレクトリー設定を作成します。

  • 共有名は%wです。

  • 相対ホーム ディレクトリー パスは%uです。

  • ホーム ディレクトリー /home1 を含めるために使用する検索パスは、UNIXセキュリティ形式で設定されるボリュームです。

  • 設定はSVM vs1上に作成されます。

ユーザーがWindowsホストから、またはWindowsホストとUNIXホストからホーム ディレクトリーにアクセスし、ファイルシステム管理者がUNIXベースのユーザーおよびグループを使用してファイルシステムへのアクセスを制御する場合には、このようなホーム ディレクトリー設定を使用できます。

cluster::> vserver cifs share create -vserver vs1 -share-name %w -path %u ‑share-properties oplocks,browsable,changenotify,homedirectory

cluster::> vserver cifs share show -vserver vs1 -share-name %u

                      Vserver: vs1
                        Share: %w
     CIFS Server NetBIOS Name: VS1
                         Path: %u
             Share Properties: oplocks
                               browsable
                               changenotify
                               homedirectory
           Symlink Properties: enable
      File Mode Creation Mask: -
 Directory Mode Creation Mask: -
                Share Comment: -
                    Share ACL: Everyone / Full Control
File Attribute Cache Lifetime: -
                  Volume Name: -
                Offline Files: manual
Vscan File-Operations Profile: standard

cluster::> vserver cifs home-directory search-path add -vserver vs1 ‑path /home1

cluster::> vserver cifs home-directory search-path show -vserver vs1
Vserver     Position Path
----------- -------- -----------------
vs1         1        /home1

cluster::> vserver name-mapping create -vserver vs1 -direction win-unix ‑position 5 -pattern user1 -replacement unixuser1

cluster::> vserver name-mapping show -pattern user1
Vserver        Direction Position
-------------- --------- --------
vs1            win-unix  5        Pattern: user1
                              Replacement: unixuser1
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