ONTAP Antivirus Connectorを設定して、接続するStorage Virtual Machine（SVM）を1つまたは複数指定します。この設定では、ONTAP管理LIF、ポーリング情報、ONTAP管理者アカウントのクレデンシャルを入力するか、データLIFのみを入力します。また、SVM接続の詳細を変更するか、SVM接続自体を削除することもできます。デフォルトでは、ONTAP管理LIFが設定済みの場合、ONTAP Antivirus ConnectorはREST APIを使用してデータLIFの一覧を取得します。

SVM接続の詳細の変更

Antivirus Connectorに追加済みのStorage Virtual Machine（SVM）の詳細を更新するには、ONTAP管理LIFおよびポーリング情報を変更します。追加済みのデータLIFを更新することはできません。データLIFを更新するには、まず該当のLIFを削除してから、新しいLIFまたはIPアドレスで追加し直す必要があります。

開始する前に

HTTPアプリケーション用のユーザーアカウントを作成し、/api/network/ip/interfaces REST APIへのアクセス権（読み取り専用以上）があるロールを割り当て済みであるか確認してください。ユーザー作成方法の詳細については、security login role createおよびsecurity login createの各コマンドに関するページを参照してください。管理SVM用の認証トンネルSVMを追加して、ドメインユーザーをアカウントとして使用することもできます。詳細については、security login domain-tunnel createに関するONTAPのマニュアルページを参照してください。

手順

Antivirus Connectorのインストールの完了時にデスクトップに保存されていた[Configure ONTAP LIFs]アイコンを右クリックし、[管理者として実行]を選択します。[Configure ONTAP LIFs]ダイアログボックスが開きます。
SVMのIPアドレスを選択し、[Update]をクリックします。
必要に応じて情報を更新します。
[Save]をクリックしてレジストリーに接続の詳細を保存します。
接続一覧をレジストリーインポートファイルまたはレジストリーエクスポートファイルにエクスポートする場合は、[Export]をクリックします。このファイルは、複数のVscanサーバーで同じ管理LIFまたはデータLIF一式を使用する際に役立ちます。

Antivirus ConnectorからのSVM接続の削除

不要になったSVM接続は削除できます。

手順

Antivirus Connectorのインストールの完了時にデスクトップに保存されていた[Configure ONTAP LIFs]アイコンを右クリックし、[管理者として実行]を選択します。[Configure ONTAP LIFs]ダイアログボックスが開きます。
SVMのIPアドレスを1つまたは複数選択し、[Remove]をクリックします。
[Save]をクリックしてレジストリーに接続の詳細を保存します。
接続一覧をレジストリーインポートファイルまたはレジストリーエクスポートファイルにエクスポートする場合は、[Export]をクリックします。このファイルは、複数のVscanサーバーで同じ管理LIFまたはデータLIF一式を使用する際に役立ちます。

トラブルシューティング

開始する前に

この手順でレジストリー値を作成する際は、右側ペインを使用してください。

診断のために、Antivirus Connectorログの有効と無効を切り替えることができます。デフォルトでは、このログは無効になっています。高いパフォーマンスが必要な場合は、普段はAntivirus Connectorログを無効化しておき、重大イベントの発生時にのみ有効化することを推奨します。

手順

[スタート]を選択し、検索ボックスに「regedit」と入力して、プログラム一覧でregedit.exeを選択します。
[レジストリエディタ]で、以下のONTAP Antivirus Connectorのサブキーを見つけます。 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Data ONTAP\ONTAP Antivirus Connector\v1.0
次の表に示す型、名前、値を指定してレジストリー値を作成します。

型

名前

値

文字列

Tracepath

c:\avshim.log

このレジストリー値には、任意の有効なパスを指定できます。
次の表に示す型、名前、値、ログ情報を指定して別のレジストリー値を作成します。

型

名前

重大ログ

中間ログ

詳細ログ

DWORD

Tracelevel

1

2 または 3

4

これにより、手順3でTracepath値に指定したパスに保存されているAntivirus Connectorログが有効化されます。
手順3および4で作成したレジストリー値を削除して、Antivirus Connectorログを無効化します。

型	名前	値
文字列	Tracepath	c:\avshim.log

型	名前	重大ログ	中間ログ	詳細ログ
DWORD	Tracelevel	1	2 または 3	4

型に「MULTI_SZ」、名前に「LogRotation」を指定して別のレジストリー値を作成します（かぎ括弧自体は入力しません）。「LogRotation」に、ローテーションサイズのエントリとして「logFileSize:1」と入力し（1は1MBの意味）、次の行にはローテーション制限のエントリとして「logFileCount:5」を入力します（5は上限値）。

これらの値は省略可能です。値を指定しない場合、ローテーションサイズとローテーション制限には、それぞれデフォルト値の20MBと10ファイルが使用されます。整数値に小数値および分数値を指定することはできません。デフォルト値よりも大きい値を指定した場合は、代わりにデフォルト値が使用されます。

ユーザー設定のログローテーションを無効化する場合は、手順6で作成したレジストリー値を削除します。

カスタムバナー

カスタムバナーを使用して、[Configure ONTAP LIF API]画面に法的拘束力を持つ文言やシステムアクセスの免責事項を掲載できます。

手順

インストールディレクトリーにあるbanner.txtファイルの内容を更新してデフォルトのバナーを変更し、変更内容を保存します。バナーに変更を反映するには、[Configure ONTAP LIF API]ウィンドウを開き直す必要があります。

Extended Ordinance（EO）モードの有効化

安全な処理のために、Extended Ordinance（EO）モードの有効と無効を切り替えることができます。

手順

[スタート]を選択し、検索ボックスに「regedit」と入力して、プログラム一覧でregedit.exeを選択します。
[レジストリエディタ]で、以下のONTAP Antivirus Connectorのサブキーを見つけます。 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Data ONTAP\ONTAP Antivirus Connector\v1.0
右側のペインで、「DWORD」型のレジストリー値を新しく作成し、名前を「EO_Mode」（「」は不要）として、EOモードを有効にする場合は値を「1」（「」は不要）に、EOモードを無効にする場合は値を「0」（「」は不要）に設定します。

デフォルトでは、EO_Modeのレジストリーエントリが存在しない場合、EOモードは無効です。EOモードを有効にする場合、外部syslogサーバーおよび相互証明書認証を設定する必要があります。

外部syslogサーバーの設定

開始する前に

この手順でレジストリー値を作成する際は、右側ペインを使用してください。

手順

[スタート]を選択し、検索ボックスに「regedit」と入力して、プログラム一覧でregedit.exeを選択します。
[レジストリエディタ]で、以下に示すONTAP Antivirus Connectorのsyslog設定用サブキーを見つけます。 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Data ONTAP\ONTAP Antivirus Connector\v1.0\syslog
次の表に示す型、名前、値を指定してレジストリー値を作成します。

型

名前

値

DWORD

syslog_enabled

1または0

値を「1」に設定するとsyslogが有効になり、「0」に設定すると無効になります。
次の表に示す情報を指定して、別のレジストリー値を作成します。

型

名前

REG_SZ

Syslog_host

[値]フィールドには、syslogホストのIPアドレスまたはドメイン名を入力します。
次の表に示す情報を指定して、別のレジストリー値を作成します。

型

名前

REG_SZ

Syslog_port

[値]フィールドには、syslogサーバーが稼働しているポート番号を入力します。
次の表に示す情報を指定して、別のレジストリー値を作成します。

型

名前

REG_SZ

Syslog_protocol

[値]フィールドには、syslogサーバーで使用しているプロトコル（「tcp」または「udp」）を入力します。
次の表に示す情報を指定して、別のレジストリー値を作成します。

型

名前

LOG_CRIT

LOG_NOTICE

LOG_INFO

LOG_DEBUG

DWORD

Syslog_level

2

5

6

7
次の表に示す情報を指定して、別のレジストリー値を作成します。

型

名前

値

DWORD

syslog_tls

1または0

型	名前	値
DWORD	syslog_enabled	1または0

型	名前
REG_SZ	Syslog_host

型	名前
REG_SZ	Syslog_port

型	名前
REG_SZ	Syslog_protocol

型	名前	LOG_CRIT	LOG_NOTICE	LOG_INFO	LOG_DEBUG
DWORD	Syslog_level	2	5	6	7

型	名前	値
DWORD	syslog_tls	1または0

値を「1」に設定するとsyslogのTransport Layer Security（TLS）が有効になり、「0」に設定すると無効になります。

設定した外部syslogサーバーの動作の確認

キーが存在しない場合、または値が「null」の場合：
- プロトコルはデフォルトの「tcp」に設定されます。
- ポートはデフォルトの「514」（プレーン「TCP / UDP」の場合）または「6514」（TLSの場合）に設定されます。
- syslogレベルはデフォルトの5（LOG_NOTICE）に設定されます。
syslogが有効であるか確認するには、syslog_enabledの値が「1」であるか調べます。syslog_enabledの値が「1」の場合は、EOモードが有効か無効かにかかわらず、設定済みのリモートサーバーにログインできます。
EOモードが「1」に設定されている場合に、syslog_enabledの値を「1」から「0」に変更すると、以下の処理が適用されます。
- EOモードでsyslogが無効になると、サービスを開始できなくなります。
- システムの実行状態が安定している場合、警告が表示され、EOモードではsyslogを無効にできないのでsyslogが強制的に「1」に設定されたと通知されます（この結果はレジストリーで確認できます）。この場合は、まずEOモードを無効にしてから、syslogを無効化する必要があります。
EOモードとsyslogが有効な状態でsyslogサーバーを正常に実行できない場合、サービスが停止します。これは、次のいずれかの理由で発生する可能性があります。
- syslog_hostが無効であるか設定されていない。
- UDPとTCP以外の無効なプロトコルが設定されている。
- ポート番号が無効である。
TCP設定またはTCP経由のTLS設定の場合、サーバーでIPポートが受信されていないと、接続に失敗しサービスが終了します。

X.509相互証明書認証の設定

管理パス内でのAntivirus ConnectorとONTAP間のSecure Sockets Layer（SSL）通信には、X.509証明書ベースの相互認証を使用できます。EOモードが有効な状態で証明書が見つからない場合、AV Connectorは強制終了します。Antivirus Connectorで次の手順を実行します。

手順

Antivirus Connectorは、Antivirus Connectorがインストールディレクトリーを実行するディレクトリーパス内で、Antivirus Connectorクライアント証明書および弊社サーバーの認証局（CA）証明書を検索します。この固定ディレクトリーパスにこれらの証明書をコピーします。
PKCS12形式ファイルにクライアント証明書と秘密鍵を埋め込み、「AV_client.P12」と名付けます。
弊社サーバー用証明書への署名に使用されたCA証明書（およびルートCAまでの中間署名局）がPrivacy Enhanced Mail（PEM）形式であり、その名前が「Ontap_CA.pem」であることを確認します。この証明書をAntivirus Connectorのインストールディレクトリーに配置します。弊社のONTAPシステム上で、「ONTAP」のAntivirus Connector用クライアント証明書への署名に使用されたCA証明書（およびルートCAまでの中間署名局）を、「client-ca」タイプの証明書としてインストールします。

ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

ONTAP Antivirus Connectorの設定

SVM接続の詳細の変更

Antivirus ConnectorからのSVM接続の削除

トラブルシューティング

カスタム バナー

Extended Ordinance（EO）モードの有効化

外部syslogサーバーの設定

設定した外部syslogサーバーの動作の確認

X.509相互証明書認証の設定

カスタムバナー