ONTAP 9.13

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バックアップ デスティネーションのSnapshotコピーのWORM状態へのコミット

SnapLock for SnapVaultを使用して、セカンダリー ストレージ上のSnapshotコピーをWORM方式で保護できます。SnapLockの基本的なタスクは、すべてvaultデスティネーションで実行します。デスティネーション ボリュームは自動的に読み取り専用でマウントされるため、SnapshotコピーをWORM状態に明示的にコミットする必要はありません。そのため、スケジュール設定されたSnapshotコピーをデスティネーション ボリュームにSnapMirrorポリシーを使用して作成することはサポートされていません。

開始する前に
  • ソース アグリゲートとデスティネーション アグリゲートはどちらも64ビットである必要があります。

  • ソース ボリュームにSnapLockボリュームを使用することはできません。

  • ピアSVMを含むピア クラスタにソース ボリュームとデスティネーション ボリュームを作成する必要があります。

    詳細については、「ETERNUS AX/HX series クラスタ / SVMピアリング エクスプレス ガイド」を参照してください。

  • ボリュームの自動拡張が無効になっている場合は、デスティネーション ボリュームに、ソース ボリュームで使用されているスペースよりも少なくとも5%多い空きスペースが必要です。

タスク概要

ソース ボリュームで使用するストレージは、富士通のストレージでも富士通以外のストレージでもかまいません。

WORM状態にコミットされたSnapshotコピーの名前を変更することはできません。

SnapLockボリュームはクローニングできますが、SnapLockボリュームのファイルはクローニングできません。

LUNはSnapLockボリュームではサポートされていません。従来のテクノロジを使用してSnapLockボリュームにLUNを移動することは可能ですが、この処理はサポートされておらず、SnapLockボリュームのLUNに関するその他の処理もサポートされていません。ONTAP 9.9.0以降、SnapLockボリュームのLUNは、非SnapLockソース ボリュームのSnapshotコピーが SnapLockデスティネーションにレプリケートされ、ロックされるSnapVault関係でのみサポートされます。このようなSnapshotコピーはLUNを含むことができます。

ONTAP 9.13.1以降では、snaplock-typeを「non-snaplock」に設定し、Snapshotコピーを「parent-snapshot」として指定してFlexCloneを作成することで、SnapLock vault関係のデスティネーションSnapLockボリュームにロックされたSnapshotコピーを瞬時にリストアできます。SnapLockタイプを指定したFlexCloneボリュームの作成の詳細については、こちらを参照してください。

MetroCluster構成の場合は、次の点に注意してください。

  • SnapVault関係は、同期元のSVM間でのみ作成できます。同期元のSVMと同期先のSVMの間では作成できません。

  • 同期元のSVMのボリュームからデータ提供用のSVMへのSnapVault関係を作成できます。

  • データ提供用のSVMのボリュームから同期元のSVMのDPボリュームへのSnapVault関係を作成できます。

次の図は、SnapLock vault関係を初期化する手順を示しています。

この図は、SnapLock vaultリレーションシップを初期化する手順を示しています。ターゲットクラスタの識別、ターゲットボリュームの作成、ポリシーの作成、ポリシーへのルールの追加、ボリューム間のvaultリレーションシップの作成、リレーションシップへのポリシーの割り当て、およびベースライン転送を開始するためのリレーションシップの初期化を行います。
手順
  1. デスティネーション クラスタを特定します。

  2. デスティネーション クラスタで、SnapLockライセンスをインストールして、Compliance Clockを初期化します。ONTAP 9.10.1より前のリリースを使用している場合は、SnapLockアグリゲートを作成します。手順については、「SnapLockワークフロー」を参照してください。

  3. デスティネーション クラスタで、ソース ボリュームと同じサイズ以上のDPタイプのSnapLockデスティネーション ボリュームを作成します。

    volume create -vserver SVM_name -volume volume_name -aggregate aggregate_name -snaplock-type compliance|enterprise -type DP -size size

    ONTAP 9.10.1以降では、SnapLockボリュームと非SnapLockボリュームを同じアグリゲートに配置できるため、ONTAP 9.10.1を使用している場合はSnapLockアグリゲートを別々に作成する必要はありません。ボリュームの-snaplock-typeオプションを使用して、SnapLockボリューム タイプ(ComplianceまたはEnterprise)を指定します。ONTAP 9.10.1より前のリリースでは、SnapLockモード(ComplianceまたはEnterprise)はアグリゲートから継承されます。バージョンに依存しないデスティネーション ボリュームはサポートされません。デスティネーション ボリュームの言語設定とソース ボリュームの言語設定が一致している必要があります。

    次のコマンドは、SVM2のアグリゲートnode01_aggrに、dstvolBという名前の2GBのSnapLock Complianceボリュームを作成します。

    cluster2::> volume create -vserver SVM2 -volume dstvolB -aggregate node01_aggr -snaplock-type compliance -type DP -size 2GB
  4. デスティネーション クラスタで、デフォルトの保持期間を設定します。⼿順については、「デフォルトの保持期間の設定」を参照してください。

    バックアップ デスティネーションであるSnapLockボリュームには、デフォルトの保持期間が割り当てられます。この期間の初期値は、SnapLock Enterpriseボリュームの場合は最小値の0年、SnapLock Complianceボリュームの場合は最大値の30年に設定されています。各Snapshotコピーは、最初はこのデフォルトの保持期間でコミットされます。保持期間は、必要に応じてあとから延長できます。詳細については、「保持期限の設定 - 概要」を参照してください。

  5. 非SnapLockソースと手順3で作成した新しいSnapLockデスティネーションの間に 新しいレプリケーション関係を作成します。

    次の例は、dailyおよびweeklyのラベルが付いたSnapshotコピーを1時間ごとにバックアップするXDPDefaultポリシーを使用して、デスティネーションSnapLockボリュームdstvolBとの新しいSnapMirror関係を作成します。

    cluster2::> snapmirror create -source-path SVM1:srcvolA -destination-path SVM2:dstvolB -vserver SVM2 -policy XDPDefault -schedule hourly

    デフォルトの設定が適さない場合は、カスタム レプリケーション ポリシーを作成するかカスタム スケジュールを作成します。

  6. デスティネーションSVMで、手順5で作成したSnapVault関係を初期化します。

    snapmirror initialize -destination-path destination_path

    次のコマンドは、SVM1上のソース ボリュームsrcvolASVM2上のデスティネーション ボリュームdstvolBの間の関係を初期化します。

    cluster2::> snapmirror initialize -destination-path SVM2:dstvolB
  7. 関係が初期化されてアイドル状態になったら、デスティネーションでsnapshot showコマンドを使用して、レプリケートされたSnapshotコピーに適用されているSnapLockの有効期限を確認します。

    次の例は、SnapMirrorラベルとSnapLockの有効期限が設定されたボリュームdstvolB上のSnapshotコピーの一覧を表示します。

    cluster2::> snapshot show -vserver SVM2 -volume dstvolB -fields snapmirror-label, snaplock-expiry-time
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