ONTAP 9.13

to English version

アクセス キャッシュの仕組み

ONTAPは、アクセスキャッシュを使用して、ボリュームまたはqtreeへのクライアント アクセス処理に対するエクスポート ポリシー ルール評価の結果を格納します。これにより、クライアントからI/O要求が送信されるたびにエクスポート ルール評価の処理を行う場合よりもかなり迅速に情報をアクセスキャッシュから取得できるので、パフォーマンスが向上します。

NFSクライアントがボリュームまたはqtree上のデータにアクセスするためのI/O要求を送信するたびに、ONTAPはそれぞれのI/O要求を評価して、そのI/O要求を許可するか拒否するかを決定する必要があります。この評価には、そのボリュームまたはqtreeに関連付けられているすべてのエクスポート ポリシー ルールのチェックが伴います。ボリュームまたはqtreeへのパスが1つ以上のジャンクション ポイントと交差している場合は、そのパスに付随する複数のエクスポートポリシーに対してこうしたチェックの実行が必要になる可能性があります。

なお、この評価は、最初のマウント要求についてだけでなく、読み取り、書き込み、リスト、コピーをはじめとする操作など、NFSクライアントから送信されたすべてのI/O要求について行われます。

ONTAPは、適用可能なエクスポート ポリシー ルールを特定して要求を許可するか拒否するかを決定したあと、その情報を格納するためのエントリをアクセス キャッシュ内に作成します。

NFSクライアントがI/O要求を送信すると、ONTAPは、そのクライアントのIPアドレス、SVMのID、ターゲット ボリュームまたはqtreeに関連付けられているエクスポート ポリシーを記録したうえで、まずアクセス キャッシュをチェックして一致するエントリがないか確認します。一致するエントリがアクセス キャッシュ内に存在する場合、ONTAPはそこに格納されている情報を使用して、I/O要求を許可または拒否します。一致するエントリが存在しない場合、ONTAPは先ほど述べたすべての適用可能なポリシー ルールを評価する通常の処理を行います。

アクティブに使用されていないアクセス キャッシュ エントリは更新されません。これにより、外部ネーム サーバーとの無駄な通信が削減されます。

アクセス キャッシュからの情報の取得は、I/O要求のたびにエクスポート ポリシー ルールを評価する全体的な処理よりもはるかに高速です。そのため、アクセス キャッシュを使用すると、クライアント アクセス チェックのオーバーヘッドが軽減され、パフォーマンスが大幅に向上します。

Top of Page