エフサステクノロジーズ株式会社

本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

ONTAP 9 マニュアル ( CA08871-402 )

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ONTAPの自動無停止アップグレード

自動アップグレードを実行すると、ONTAPによってターゲットのONTAPイメージが各ノードに自動的にインストールされ、クラスタを正常にアップグレードできることが確認されてから、クラスタ内のノードの数に基づいて、バッチ アップグレードかローリング アップグレードがバックグラウンドで実行されます。

使用している構成でサポートされている場合は、ONTAP System Managerを使用して自動アップグレードを実行するようにしてください。 ONTAP System Managerを使用した自動アップグレードがサポートされていない構成の場合は、ONTAPのコマンドライン インターフェイス(CLI)を使用して自動アップグレードを実行できます。

自動無停止アップグレード(ANDU)の開始前にstorage failover modify-auto-givebackコマンド オプションの設定を変更しても、アップグレード プロセスには影響しません。ANDUプロセスで必要なテイクオーバー / ギブバックでは、このオプションに事前に設定された値は無視されます。たとえば、ANDUを開始する前に-autogivebackをfalseに設定しても、ギブバックの前に自動アップグレードは中断されません。
開始する前に
  • アップグレードの準備をしておく必要があります。

  • ターゲットのONTAPリリースのソフトウェア イメージをダウンロードしておく必要があります。

    ダイレクト マルチホップ アップグレードを実行する場合は、個々のアップグレード パスで必要なONTAPイメージを両方ともダウンロードしておく必要があります。

  • HAペアごとに、1つ以上のポートが各ノードの同じブロードキャスト ドメインに必要です。

    ONTAPクラスタのノード数が8つ以上の場合は、自動無停止アップグレードでバッチ アップグレード方式が使用され、SFOのテイクオーバー前にデータLIFの移行が強制的に実行されます。 バッチ アップグレード時にLIFを移行する方法は、ONTAPのバージョンによって異なります。

    実行しているONTAPのバージョン LIFの移行先
    • 9.15.1以降

    • 9.14.1P5

    • 9.13.1P10

    • 9.12.1P13

    • 9.11.1P16、P17

    • 9.10.1P19

    他のバッチ グループ内のノード。

    他のバッチ グループへの移行に失敗した場合、LIFは同じバッチ グループ内のノードのHAパートナーに移行されます。

    9.8~9.14.1

    他のバッチ グループ内のノード。

    ネットワーク ブロードキャスト ドメインで他のバッチ グループへのLIFの移行が許可されていない場合は、LIFの移行に失敗し、ANDUが一時停止します。

    9.7

    アップグレードするノードのHAパートナー。

    同じブロードキャスト ドメインにパートナーのポートがない場合は、LIFの移行に失敗し、ANDUが一時停止します。

Example 1. 手順
ONTAP System Manager
  1. ONTAPターゲット イメージを検証します。

    MetroCluster構成をアップグレードする場合は、クラスタAを検証してから、クラスタBで検証プロセスを繰り返す必要があります。
    1. 実行しているONTAPのバージョンに応じて、次のいずれかの手順を実行します。

      実行中のバージョン

      操作

      ONTAP 9.8以降

      [Cluster] > [Overview]をクリックします。

      ONTAP 9.7

      [Configuration(設定)] > [Cluster(クラスタ)] > [Update(アップデート)]をクリックします。

    2. [Overview]ペインの右隅にあるメニューアイコンをクリックします。

    3. [ONTAP アップデート]をクリックします。

    4. [クラスタの更新]タブで、新しいイメージを追加するか使用可能なイメージを選択します。

      実行する処理

      操作

      ローカル フォルダーから新しいソフトウェア イメージを追加する

      ローカル クライアントにイメージをダウンロードしておく必要があります。

      1. [使用可能なソフトウェアイメージ][ローカルから追加]をクリックします。

      2. ソフトウェア イメージを保存した場所を参照し、イメージを選択して[開く]をクリックします。

      HTTPサーバーかFTPサーバーから、新しいソフトウェア イメージを追加する

      1. [サーバーから追加]をクリックします。

      2. [新しいソフトウェアイメージの追加]ダイアログ ボックスで、弊社ダウンロードサイトからダウンロードしたONTAPソフトウェア イメージを保存してあるHTTPサーバーかFTPサーバーのURLを入力します。

        匿名FTPのURLは、ftp://anonymous@ftpserverの形式で指定する必要があります。

      3. [追加(Add)]をクリックします。

      使用可能なイメージを選択する

      表示されたイメージのどれかを選択します。

    5. [検証]をクリックして、アップグレード前の検証チェックを実行します。

      検証中にエラーや警告が検出された場合は、修正措置のリストとともに表示されます。アップグレードに進む前に、すべてのエラーを解決する必要があります。警告も解決しておくことが推奨されます。

  2. [次へ]をクリックします。

  3. [更新(Update)]をクリックします。

    再び検証が実施されます。未解決のエラーや警告があると、修正措置のリストとともに表示されます。 アップグレードに進む前に、エラーを修正しておく必要があります。 検証が完了したが警告がある場合、警告を修正するか、[警告で更新]を選択できます。

    デフォルトでは、ONTAPは、8ノード以上のクラスタのアップグレードにバッチ アップグレード プロセスを使用します。 ONTAP 9.10.1以降では、必要に応じて[一度に1つのHAペアを更新]を選択してデフォルトの設定を上書きし、ローリング アップグレード プロセスを使用して、クラスタのHAペアを1つずつアップグレードできます。

    ノードが2つ以上のMetroCluster構成では、両方のサイトのHAペアで同時にONTAPのアップグレード プロセスが開始されます。2ノードのMetroCluster構成では、アップグレードを開始した方ではないサイトから最初にアップグレードが開始されます。最初のアップグレードが完了すると、残りのサイトでアップグレードが開始されます。

終了後の操作

アップグレードが完了すると、ノードがリブートし、ONTAP System Managerのログイン ページが表示されます。ノードのリブートに時間がかかる場合は、ブラウザーをリフレッシュしてみてください。

CLI
  1. ONTAPターゲット ソフトウェア イメージを検証します。

    MetroCluster構成をアップグレードする場合は、次の手順を最初にクラスタAで実行してから、同じ手順をクラスタBで実行する必要があります。
    1. 以前のONTAPソフトウェア パッケージを削除します。

      cluster image package delete -version previous_ONTAP_Version
    2. ターゲットのONTAPソフトウェア イメージを、クラスタ パッケージ リポジトリにロードします。

      cluster image package get -url location
      cluster1::> cluster image package get -url http://www.example.com/software/9.13.1/image.tgz
      
      Package download completed.
      Package processing completed.

      ダイレクト マルチホップ アップグレードを実行する場合は、アップグレードに必要な中間バージョンのONTAPソフトウェア パッケージもロードする必要があります。たとえば、9.8から9.13.1にアップグレードする場合は、ONTAP 9.12.1のソフトウェア パッケージをロードし、次に同じコマンドを使用して9.13.1のソフトウェア パッケージをロードする必要があります。

    3. ソフトウェア パッケージがクラスタ パッケージ リポジトリにあることを確認します。

      cluster image package show-repository
      cluster1::> cluster image package show-repository
      Package Version  Package Build Time
      ---------------- ------------------
      9.13.1              MM/DD/YYYY 10:32:15
    4. 自動アップグレード前チェックを実行します。

      cluster image validate -version package_version_number

      ダイレクト マルチホップ アップグレードを実行する場合、検証に必要なのはターゲットのONTAPパッケージだけです。 中間アップグレード イメージを個別に検証する必要はありません。 たとえば、9.8から9.13.1にアップグレードする場合は、9.13.1のパッケージを使用して検証します。9.12.1のパッケージを別途検証する必要はありません。

      cluster1::> cluster image validate -version 9.13.1
      
      WARNING: There are additional manual upgrade validation checks that must be performed after these automated validation checks have completed...
    5. 検証の進捗を監視します。

      cluster image show-update-progress
    6. 検証で特定された必要なアクションをすべて完了します。

    7. MetroCluster構成をアップグレードする場合は、クラスタBで上記の手順を繰り返します。

  2. ソフトウェア アップグレードの見積もりを生成します。

    cluster image update -version package_version_number -estimate-only
    MetroCluster構成をアップグレードする場合は、このコマンドをクラスタAかクラスタBのどちらかで実行します。両方のクラスタで実行する必要はありません。

    ソフトウェア アップグレードの見積もりには、更新対象の各コンポーネントの詳細とアップグレードの推定期間が表示されます。

  3. ソフトウェアのアップグレードを実行します。

    cluster image update -version package_version_number
    • ダイレクト マルチホップ アップグレードを実行する場合は、package_version_numberにターゲットのONTAPパッケージを使用します。たとえば、ONTAP 9.8から9.13.1にアップグレードする場合は、package_version_numberに9.13.1のパッケージを使用します。

    • デフォルトでは、ONTAPは、8ノード以上のクラスタのアップグレードにバッチ アップグレード プロセスを使用します。 必要に応じて、-force-rollingパラメーターを使用してデフォルトのプロセスを上書きし、ローリング アップグレード プロセスを使用してクラスタのノードを1つずつアップグレードできます。

    • それぞれのテイクオーバーとギブバックが完了すると、テイクオーバーとギブバック中に発生したI/Oの中断からクライアント アプリケーションが回復するまでアップグレード プロセスが8分間待機します。この時間を調整する必要がある場合は、-stabilize-minutesパラメーターを使用して待機時間を変更できます。

    • ノードが4つ以上のMetroCluster構成では、両方のサイトのHAペアで同時にONTAPの自動アップグレードが開始されます。 2ノードのMetroCluster構成では、アップグレードを開始した方ではないサイトでアップグレードが開始されます。最初のアップグレードが完了すると、残りのサイトでアップグレードが開始されます。

    cluster1::> cluster image update -version 9.13.1
    
    Starting validation for this update. Please wait..
    
    It can take several minutes to complete validation...
    
    WARNING: There are additional manual upgrade validation checks...
    
    Pre-update Check      Status     Error-Action
    --------------------- ---------- --------------------------------------------
    ...
    20 entries were displayed
    
    Would you like to proceed with update ? {y|n}: y
    Starting update...
    
    cluster-1::>
  4. クラスタの更新の進捗を表示します。

    cluster image show-update-progress

    4ノードまたは8ノードのMetroCluster構成をアップグレードしている場合は、cluster image show-update-progressコマンドを実行しているノードの進捗のみが表示されます。個々のノードの進捗を確認するには、各ノードでこのコマンドを実行する必要があります。

  5. 各ノードでアップグレードが正常に完了したことを確認します。

    cluster image show-update-progress
    cluster1::> cluster image show-update-progress
    
                                                 Estimated         Elapsed
    Update Phase         Status                   Duration        Duration
    -------------------- ----------------- --------------- ---------------
    Pre-update checks    completed                00:10:00        00:02:07
    Data ONTAP updates   completed                01:31:00        01:39:00
    Post-update checks   completed                00:10:00        00:02:00
    3 entries were displayed.
    
    Updated nodes: node0, node1.
  6. AutoSupport通知を送信します。

    autosupport invoke -node * -type all -message "Finishing_NDU"

    AutoSupportメッセージを送信するようにクラスタが設定されていない場合は、通知のコピーがローカルに保存されます。

自動アップグレード プロセスでのエラー後のONTAPソフトウェア アップグレード再開

エラーが原因でONTAPソフトウェアの自動アップグレードが一時停止した場合は、エラーを解決してからアップグレードを続行する必要があります。 エラーを解決したら、自動アップグレード プロセスを続行するか、手動でアップグレード プロセスを完了するかを選択できます。自動アップグレードを続行する場合は、アップグレード手順を手動では一切実行しないでください。

Example 2. 手順
ONTAP System Manager
  1. 実行しているONTAPのバージョンに応じて、次のいずれかの手順を実行します。

    実行中のバージョン

    操作

    ONTAP 9.8以降

    [Cluster] > [Overview]をクリックします。

    ONTAP 9.7

    [Configuration] > [Cluster] > [Update]をクリックします。

  2. 自動アップグレードを続行するか、キャンセルして手動で続行します。

    実行する処理

    操作

    自動アップグレードを再開する

    [Resume]をクリックします。

    自動アップグレードをキャンセルして手動で続行する

    [Cancel]をクリックします。

CLI
  1. アップグレード エラーを表示します。

    cluster image show-update-progress
  2. エラーを解決します。

  3. アップグレードを再開します。

    実行する処理

    入力するコマンド

    自動アップグレードを再開する

    cluster image resume-update

    自動アップグレードをキャンセルして手動で続行する

    cluster image cancel-update
終了後の操作

アップグレード後のチェックを実行します。

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