お使いの構成でサポートされている場合は、System Managerを使用して自動アップグレードを実行する必要があります。ご使用の構成でSystem Managerによる自動アップグレードがサポートされない場合は、ONTAPコマンドラインインターフェイス（CLI）を使用して自動アップグレードを実行できます。

storage failover modify-auto-giveback 自動無停止アップグレード（ANDU）の開始前のコマンドオプションの設定の変更は、アップグレードプロセスに影響しません。ANDU プロセスは、更新に必要なテイクオーバー / ギブバックの実行時に、このオプションに設定されている値を無視します。たとえば、-autogiveback ANDUを開始する前にfalseに設定すると、ギブバックの前に自動アップグレードが中断されません。

作業を開始する前に

"アップグレードを準備"を実施してください。
"ONTAPソフトウェアイメージのダウンロード" （ターゲットのONTAPリリース用）を実施してください。

"直接マルチホップアップグレード"を実行する場合特定の "アップグレードパス"に必要な両方のONTAPイメージをダウンロードする必要があります。
HA ペアごとに、 1 つ以上のポートが各ノードの同じブロードキャストドメインに必要です。

ノードが8つ以上ある場合は、無停止自動アップグレードでバッチアップグレード方式が使用されます。

ONTAP 9.8以降では、バッチ方式を使用している場合に、LIFが他のバッチグループに移行されます。
MetroCluster FC構成でONTAPをアップグレードする場合は、クラスタで自動計画外スイッチオーバーを有効にする必要があります。
アップグレードプロセスの進行状況を監視する予定がない場合は、 "手動操作が必要なエラーに関する EMS 通知を要求します"。

Example 1. 手順

System Manager

ONTAPターゲットイメージを検証します。

MetroCluster構成をアップグレードする場合は、クラスタAを検証してから、クラスタBで検証プロセスを繰り返す必要があります。

実行している ONTAP のバージョンに応じて、次のいずれかの手順を実行します。

実行内容

手順

ONTAP 9.8以降

[ Cluster] > [Overview] をクリックします。

ONTAP 9.7

[ Configuration（設定） ] > [ Cluster（クラスタ） ] > [ Update （アップデート）]

[Overview] ペインの右隅で、をクリックします。
ONTAP アップデート をクリックします。

[クラスタの更新]タブで、新しいイメージを追加するか使用可能なイメージを選択します。

状況

作業

ローカルフォルダからの新しいソフトウェアイメージの追加

ローカルクライアントに "イメージをダウンロード" しておく必要があります。

[使用可能なソフトウェアイメージ]で、[ローカルから追加]をクリックします。
ソフトウェアイメージを保存した場所を参照し、イメージを選択して、開くをクリックします。

HTTPサーバまたはFTPサーバから新しいソフトウェアイメージを追加する

[ サーバーから追加 ] をクリックします。
[新しいソフトウェアイメージの追加]ダイアログボックスで、NetApp Support SiteからONTAPソフトウェアイメージをダウンロードしたHTTPサーバまたはFTPサーバのURLを入力します。

アノニマスFTP の URL は、で指定する必要があります ftp://anonymous@ftpserver の形式で入力し
[ 追加（ Add ） ] をクリックします。

使用可能なイメージを選択します

表示された画像のいずれかを選択します。

[検証]をクリックして、アップグレード前の検証チェックを実行します。

検証中にエラーや警告が検出された場合は、対処方法のリストとともに表示されます。アップグレードを続行する前に、すべてのエラーを解決する必要があります。警告も解決することを推奨します。

「次へ」をクリックします。

[ 更新（ Update ） ] をクリックします。

再度検証が実行されます。残りのエラーまたは警告は、対処方法のリストとともに表示されます。アップグレードを続行する前に、エラーを修正する必要があります。検証が完了して警告が生成された場合は、警告を修正するか、*[警告で更新]*を選択します。

デフォルトでは、ONTAPは "バッチアップグレードプロセス" 8ノード以上のクラスタをアップグレードする場合。 ONTAP 9.10.1以降では、必要に応じて[一度に1つのHAペアを更新]*を選択してデフォルトの設定を上書きし、クラスタのHAペアをローリングアップグレードプロセスを使用して一度に1つずつアップグレードすることができます。

ノードが3つ以上のMetroCluster構成の場合は、両方のサイトのHAペアでONTAPのアップグレードプロセスが同時に開始されます。 2ノードMetroCluster構成の場合は、アップグレードが開始されないサイトで最初にアップグレードが開始されます。最初のアップグレードが完了すると、残りのサイトでアップグレードが開始されます。

完了後

アップグレードが完了すると、ノードがリブートし、System Managerのログインページが表示されます。ノードのリブートに時間がかかる場合は、ブラウザをリフレッシュしてください。

CLI の使用

ONTAPターゲットソフトウェアイメージの検証

MetroCluster構成をアップグレードする場合は、まずクラスタAで次の手順を実行してから、クラスタBで同じ手順を実行する必要があります。
1. 以前の ONTAP ソフトウェアパッケージを削除します。
  cluster image package delete -version previous_ONTAP_Version
2. ターゲットのONTAPソフトウェアイメージをクラスタパッケージリポジトリにロードします。
  cluster image package get -url location
  cluster1::> cluster image package get -url http://www.example.com/software/9.13.1/image.tgz Package download completed. Package processing completed.
  "直接マルチホップアップグレード"の場合は、アップグレードに必要な中間バージョンのONTAP用のソフトウェアパッケージもロードする必要があります。たとえば、9.8から9.13.1にアップグレードする場合は、ONTAP 9.12.1のソフトウェアパッケージをロードしてから、同じコマンドを使用して9.13.1のソフトウェアパッケージをロードする必要があります。
3. ソフトウェアパッケージがクラスタパッケージリポジトリにあることを確認します。
  cluster image package show-repository
  cluster1::> cluster image package show-repository Package Version Package Build Time ---------------- ------------------ 9.13.1 MM/DD/YYYY 10:32:15
4. アップグレード前の自動チェックを実行します。
  cluster image validate -version package_version_number
  "直接マルチホップアップグレード"を使用する必要があるのは、ターゲットのONTAPパッケージのみです。中間アップグレードイメージを個別に検証する必要はありません。たとえば、9.8から9.13.1にアップグレードする場合は、9.13.1パッケージを検証に使用します。9.12.1パッケージを個別に検証する必要はありません。
```
cluster1::> cluster image validate -version 9.13.1

WARNING: There are additional manual upgrade validation checks that must be performed after these automated validation checks have completed...
```
1. 検証の進捗を監視します。
  cluster image show-update-progress
2. 検証で特定された必要なアクションをすべて完了します。
3. MetroCluster構成をアップグレードする場合は、クラスタBで上記の手順を繰り返します。

ソフトウェアアップグレードの見積もりを生成します。

cluster image update -version package_version_number -estimate-only

MetroCluster構成をアップグレードする場合は、このコマンドをクラスタAとクラスタBのどちらでも実行できます。両方のクラスタで実行する必要はありません。

ソフトウェアアップグレードの見積もりには、更新対象の各コンポーネントの詳細とアップグレードの推定期間が表示されます。

ソフトウェアのアップグレードを実行します。
```
cluster image update -version package_version_number
```
- "直接マルチホップアップグレード"を実行する場合、package_version_numberには、ターゲットのONTAPバージョンを使用します。たとえば、ONTAP 9.8から9.13.1にアップグレードする場合は、package_version_numberに9.13.1を使用します。
- デフォルトでは、ONTAPは "バッチアップグレードプロセス" 8ノード以上のクラスタをアップグレードする場合。必要に応じて、 -force-rolling デフォルトのプロセスを上書きし、ローリングアップグレードプロセスを使用して一度に1つのノードをクラスタにアップグレードするためのパラメータ。
- テイクオーバーとギブバックがそれぞれ完了したら、テイクオーバーとギブバックの際に発生する I/O の中断からクライアントアプリケーションが回復できるように 8 分間待機します。クライアントが安定するために必要な時間が増減する場合は、を使用します -stabilize-minutes 別の待機時間を指定するパラメータ。
- 4ノード以上のMetroCluster構成の場合は、両方のサイトのHAペアで同時に自動アップグレードが開始されます。 2ノードMetroCluster構成の場合は、アップグレードが開始されないサイトでアップグレードが開始されます。最初のアップグレードが完了すると、残りのサイトでアップグレードが開始されます。
```
cluster1::> cluster image update -version 9.13.1

Starting validation for this update. Please wait..

It can take several minutes to complete validation...

WARNING: There are additional manual upgrade validation checks...

Pre-update Check      Status     Error-Action
--------------------- ---------- --------------------------------------------
...
20 entries were displayed

Would you like to proceed with update ? {y|n}: y
Starting update...

cluster-1::>
```
クラスタの更新の進捗を表示します。
```
cluster image show-update-progress
```
4ノードまたは8ノードのMetroCluster 構成をアップグレードする場合は、を参照してください cluster image show-update-progress コマンドは、コマンドを実行するノードの進捗状況のみを表示します。個々のノードの進捗を確認するには、各ノードでコマンドを実行する必要があります。

各ノードでアップグレードが正常に完了したことを確認します。

cluster image show-update-progress

cluster1::> cluster image show-update-progress

                                             Estimated         Elapsed
Update Phase         Status                   Duration        Duration
-------------------- ----------------- --------------- ---------------
Pre-update checks    completed                00:10:00        00:02:07
Data ONTAP updates   completed                01:31:00        01:39:00
Post-update checks   completed                00:10:00        00:02:00
3 entries were displayed.

Updated nodes: node0, node1.

AutoSupport 通知を送信します。
```
autosupport invoke -node * -type all -message "Finishing_NDU"
```
AutoSupport メッセージを送信するようにクラスタが設定されていない場合は、通知のコピーがローカルに保存されます。
2ノードMetroCluster FC構成をアップグレードする場合は、クラスタで自動計画外スイッチオーバーが有効になっていることを確認します。

標準構成、MetroCluster IP構成、またはMetroCluster FC構成のノードが3つ以上の場合は、この手順を実行する必要はありません。
1. 自動計画外スイッチオーバーが有効かどうかを確認します。
  metrocluster show
  自動計画外スイッチオーバーが有効な場合、コマンド出力に次のステートメントが表示されます。
```
AUSO Failure Domain    auso-on-cluster-disaster
```
1. 出力にステートメントが表示されない場合は、自動計画外スイッチオーバーを有効にします。
  metrocluster modify -auto-switchover-failure-domain auso-on-cluster-disaster
2. 自動計画外スイッチオーバーが有効になっていることを確認します。
  metrocluster show